「保育士になるには?現役保育士が解説!向いている人の特徴と実際の給料」
「子どもが好きだから保育士の仕事がしたいけど給料が低そう…。」
「ピアノや製作はが苦手だけど大丈夫…?」
保育士の仕事に興味はあるけど、そんな疑問や悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。ちなみにこの記事を書いている筆者は保育士10年目の現役保育士です。この記事では、保育士になる前に知っておくと良いことを現役保育士が解説します。
保育士になるには資格が必要
保育士になるには保育士資格が必要です。保育士資格を取得して、都道府県知事に保育士登録を行い、保育士証の交付を受けて「保育士」として働くことができます。
保育士資格を取得する方法は2つあります。保育士資格を得られる学校を卒業する方法と、保育士試験に合格する方法です。具体的に分かりやすく説明していきましょう。
①学校に通う方法
厚生労働大臣が指定する養成学校に進学し、所定の科目、課程を修了すれば卒業時に保育士資格が取得することが出来ます。養成学校には、専門学校、短大、大学があります。学部や学科は保育科、教育学部、など様々です。
養成学校に通って資格をとるメリットは3つあります。
1つ目は「保育士資格」と「幼稚園教諭」の2つの資格が取れることです。在学中にも幼稚園、保育園、養護施設や乳児院、障害者施設などでの現場実習を経て、卒業後に選べる進路を広げることができます。
2つ目は、先生がいることです。分からないことなどはすぐに質問や相談できます。また就職先に悩んだ時も相談できます。ちなみに筆者は、3年生のゼミの先生に最初の就職先を紹介してもらい、いい園と巡り合うことができました。
3つ目は、一緒に学ぶ仲間がいることです。独学で勉強するとモチベーションを保つことも難しいですが、仲間がいれば頑張ることができます。
特に現場実習は辛いこともあり心が折れることもあると思いますが、一緒に頑張る仲間がいれば乗り越えることができるでしょう。また保育士として働き始めてからも、お互いの仕事の情報共有をしたり、悩みを打ち明けあったり出来ます。
その後のあなたの人生にもかけがえのない存在に出会えるかもしれませんよ!
筆者は3年制の短大を卒業しました。2年間で幼稚園教諭の資格を取得。幼稚園に就職したい人は一旦卒業。専攻科という形でもう一年在学して、保育士資格を取得できるという形でした。2年制の専門学校や短大よりも時間に余裕があり、4年制の大学よりも学費が抑えられて良いこと尽くしでした。
様々な学校があるので、自分に向いている学校はどこか、学費や時間などメリット、デメリットを考えながら色々と調べてみるのも良いでしょう。
②自分で保育士資格を受験する方法
自分で保育士試験を受験し、合格することで保育士資格が取得できます。保育士試験とは国家資格である「保育士資格」を取得するための国家試験です。
・受験資格
最終学歴によって受験資格が決められていますが、規定を満たせば誰でも受験ができます。年齢制限もありません。
大学卒業・中退・在学中の場合。
大学卒業
受験資格あり
大学中退
2年以上在籍かつ62単位以上取得済みなら受験資格あり
大学在学中
既に2年以上在籍かつ62単位以上取得済みなら受験資格あり
短期大学卒業・在学の場合。
短期大学卒業
受験資格あり
短期大学在学中
既に2年以上在籍かつ62単位以上取得済みなら受験資格あり
高校卒業の場合。
卒業年月日が平成3年3月31日以前、卒業学科が保育科の場合は卒業年月日が平成8年3月31日以前であれば、受験資格があります。
中学卒業の場合。
児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設で、児童の保護または援護に従事した勤務経験が5年以上、かつ7,200時間以上あれば受験資格があります。
細かい受験資格は「全国保育士養成協議会 保育士試験事務センター」で確認してください。
・受験時期
年に2回あります。
前期:筆記試験4月、実技試験7月
後期:筆記試験10月、実技試験12月
・試験内容
筆記と実技の2種類があり、両方合格することで保育士資格が取得できます。
・筆記試験
①保育原理
②教育原理
③社会的養護
④子ども家庭福祉
⑤社会福祉
⑥保育の心理学
⑦子どもの保健
⑧子どもの食と栄養
⑨教育実習論
合格ラインは100点満点のうち、それぞれが6割以上です。一度合格した科目は3年間有効なので、何年かまたがって合格する方もいます。
・実技試験
①言語表現(子どもへの話し方)
②音楽表現(ピアノ)
③造形表現(絵画や製作)
上記3種類のうち2種類を選択します。
合格ラインは選択した2科目それぞれ50点満点中のうち、6割以上となります。
このように2つの方法がありますが、難易度としては①の方が簡単です。2〜4年の時間は掛かりますが学校を卒業すれば、保育士資格を取得できます。
②の方法の1年間の合格率は20%ほどです。個人差はありますが、保育士資格の勉強に必要な勉強時間は200時間程。3〜6ヶ月かかるとして1日の平均勉強時間は1〜2時間は必要でしょう。
しっかり勉強時間を確保できる方や毎日コツコツ努力できる方、自分のペースで勉強したい方は②の方法が良いでしょう。
保育士に向いている人の特徴
①子どもが好き
大前提に子どもが好きではないとこの仕事は絶対にできません。子どもが好きという気持ちがあれば、目の前の子どもたちの成長を喜ぶことや、発達や成長を促すためにどうしたら良いかを考えることができると思います。
②遊び心がある
子どもの気持ちになって同じ目線で一緒に楽しめるかどうかが重要です。目の前の遊びや活動に対して「こうしたらどうなるかな?」「こうやってみたらもっとおもしろくなるかも!」とワクワクした気持ちで遊びこめる人は向いているともいます。
③体力がある
子ども相手の仕事は体力勝負です。身体全身を使うことはもちろんですが、子どもたちが寝ている間は記録やおたより作成などの事務作業では頭も使います。また感染症も流行するため、免疫力を高めることや、体調管理も大事です。
④コミュニケーション力がある
子ども相手だけでなく保護者対応も行います。日々の送迎時に積極的にお話をする中で、保護者の心をつかむことで安心して子どもを預けてもらえるでしょう。
またコミュニケーションによって信頼関係を深めることができれば、些細なことでのクレームも防ぐこともできます。
保育現場は、様々な大人の連携で回っています。保育士だけでなく、看護師、栄養士、調理師など多職種の職員が多くいます。職場の人間関係を円滑にするためにもコミュニケーション能力は必要不可欠です。
⑤表情が豊か
子どもは大人の表情をよく見ています。言葉が話せない赤ちゃんは特に大人の表情を読み取っているのです。笑顔でいることは子どもたちに「安心」を与えるでしょう。
しかし保育士は笑顔だけが重要ではありません。例えば子どもが悲しいとき「悲しかったね」という言葉をかけながら、悲しい表情を浮かべている子どもと同じように、悲しい表情をする。
これはミラーリング効果といって、言葉だけでなく表情も同じようにすることでより共感してもらえたと感じて信頼関係が深まります。普段から子どもの気持に寄り添いながら、表情豊かに過ごせる人は保育士に向いていると思います。
保育士の給料は?
保育士の平均年収は手取りで303万円。平均月収は手取りで20万円前後です。
初任給は平均17万円前後。経験年数ごとに増加していきますが、その増加幅は一般企業よりも緩やかです。また、地域によって月収も変化し、都市部の方が月収は高くなります。私立保育園より公立保育園の方が高いようで、働く園によっても違いが出てきます。
保育士の給料は、一般企業に比べて低く、モチベーションが下がってしまうかもしれませんが、政府が新しく制定した「保育士処遇改善施策」によって手当が加算されます。
キャリアアップ研修というある特定の研修を受けることで「専門リーダー」といった役職に就くことが出来、月5千円~4万円の給料アップが可能になっています。
筆者は3年生の短大卒で1園目は0,1,2歳児の小規模認可園(社会福祉法人)に4年間働いていました。その時の手取り月収は17万円~20万円。残業代は一切出ず、サービス残業でした。ボーナスは年2回で1回40万前後。
2園目は0-5歳児の認可保育園(株式会社)で現在5年目。手取り月収は25万円前後。残業代は15分単位で出ます。月の残業は3-10時間程なので月の残業によって月収は変わります。ボーナスは年2回で1回40万前後。処遇改善手当によって専門リーダーに属して5千円~2万円の手当も加算されました。
園によって様々だと思います。製作や記録などの事務作業が勤務時間内に終わらず、持ち帰りの仕事や残業が多い保育士ですが、労働条件をしっかり把握しておくことも重要ではないでしょうか。
給料は日々の仕事のモチベーションにも繋がりますよね。就職先の給料面はしっかり調べておくとよいでしょう。
まとめ
この記事では、保育士になるにはどうしたらいいのか?
現役保育士の筆者から見た、保育士に向いている人の特徴と実際の給料について解説しました。
●保育士になるには保育士資格が必要で、その方法は2つです。
①学校に通う
②自分で保育士試験を受験する
●保育士に向いている人の特徴は5つです。
①子どもが好き
②遊び心がある
③体力がある
④コミュニケーション力がある
⑤表情が豊か
●保育士の実際の給料
保育士の平均年収は手取りで303万円。平均月収は手取りで20万円前後です。
都市部に近いほうが高くなり、私立保育園よりも公立保育園のほうが高いです。
また政府が新しく制定した「保育士処遇改善施策」によって手当が加算されます。
現役保育士から見た、実際の経験をおり交ぜた記事はいかがだったでしょうか?よりリアルに伝わったのではないでしょうか。
筆者は保育の仕事が大好きです。この記事を読んで、保育士になる第一歩を踏み出して、保育の仕事のやりがいや楽しさを経験できる方が少しでも増えることを願っています!