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最初から終わらせ方を考える

小説『坂の上の雲』に描かれている日露戦争をきっかけに、物事の終わらせ方について考えてみたいと思います。

この小説は、明治の若い国家の苦悩と努力の歴史を見事に描いており、多くの人に愛されているかと思います。私の最も好きな小説の一つであり、何度も繰り返し読みました。また、戦艦三笠や愛媛の史跡には何度も訪れたことがあります。

まず、日露戦争は1904年から1905年にかけて、日本とロシア帝国の間で行われた戦争です。この戦争は、欧米列強国が清(中国)やアジア諸国を占領しようとする中、明治維新から富国強兵を目指していた日本が、まだ貧しい国でありながらも、自国の独立と安全を守るために戦わざるを得なかった戦いでした。

日本にとって国家の存亡をかけた重要な戦いで、絶対に勝つことができないと言われていたロシア帝国から奇跡的な勝利を収めた戦いです。

その理由の一つは、陸軍や海軍、連合艦隊の活躍に加え、小村寿太郎と林権助の活躍が大きかったと思っています。

小村寿太郎は外務大臣として、戦争の早い段階から「戦争を終わらせるにはアメリカの仲介が絶対に必要である」ということを見抜いており、戦争の初期段階からアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領と接触していました。そして、戦争終結につながるポーツマス条約の締結に大きく貢献しました。

ルーズベルト大統領の学友であった林権助と、小村寿太郎の外交戦略が見事に成功に導いたのだと思います。

この話から学べることは、どんな状況でも、最初から終わりを見据えることが重要であるということです。

社会人やリーダーには様々な判断が必要ですが、特にトラブル対応や交渉の際には、始めから「終わらせ方」を考える必要があります。終わりを見据えずに始めると、途中で方向性を見失い、無駄な時間やリソースを費やすことになります。

また、感情的で短期的、短絡的な判断は、前にも後ろにも進めなくなり、大きな損害を被ることがあります。

さらに、交渉の際に短期的な利益だけを追求し、長期的な関係を損なうことや、トラブル対応で感情的に反応し問題を悪化させること、甘い見通しで始めて予算オーバーや納期遅延を招くことなども挙げられます。

目先の勝ち負けにこだわり、大局的には成功したとは言えない判断をすると、結果的に大きなエネルギーを割くことになります。

日露戦争の終わらせ方の例を見習い、常に先を見据えて行動し、成功への道筋を明確にして進んでいきたいと思います。これにより、組織全体が一丸となって目標を達成できると考えています。


戦艦三笠

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