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わたしの本棚

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わたしの読書記録です。
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2024年6月の記事一覧

本棚:『マルチ・ポテンシャライト』

タイトルは『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』で、原題は"How to Be Everything" です。メンターに教えてもらって知った本ですが、マルチ・ポテンシャライトとは、さまざまなことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに探究する人のこと。 「好きなことを次々と仕事にして」とか、目次を眺めてみれば「『天職は一つ』とは限らない」、「『1万時間の法則』なんてうそっぱち」など、気になる言葉がたくさん。 自分はマルチ・ポテンシャラ

本棚:『山に抱かれた家』

『海が見える家』シリーズは、千葉の南房総が舞台。当時、千葉に住んでいたこともあり、また、サラリーマンとしてではなく、収入と食料を得ていく姿に惹かれ、好きな作品です。本書からは、舞台は群馬県南西部、長野県との県境にある山間の集落に移ります。 南房総の「海が見える家」は亡き父が遺した家でしたが、今度の家は縁もゆかりもない土地で自ら手に入れた家。価格が安かっただけのことはあり、いたるところで修繕が必要な状態。まず、住めるようにするところから。 私自身は、自分の家を持ちたいという思

本棚:『医学のたまご』

潜在能力試験で全国1位となった中学1年生の曾根崎薫は、女の子みたいな名前がちょっぴり嫌い。スーパー中学生医学生として医学部に入学することとなったが、そもそも潜在能力試験で全国1位となったのには、あるワケがあって…。 PCRは身近な言葉となりましたが、私が初めて知ったのは大学の授業。すっかり忘れていましたが、増幅させるんですよね。なので、初めに小さなエラーが混入すると、それが増幅されて重大な間違いになる、との記載があります。そして、薫のパパの言葉で「エラーは気づいた瞬間に直す

本棚:『おむすび縁結び 食堂のおばちゃん15』

長寿シリーズとなってきました「食堂のおばちゃん」シリーズ。今回は結婚式など、おめでたい話がちらほらある中で、霊能者も出てきて、大丈夫かしら?と心配するものの、裏切らない安心・安定感。 「へぇ~」っと思ったのは、女性の変化は7の倍数の年に起こるとのこと。つい最近の7の倍数の年を思い起こしてみると…。体質の変化というのか、中年になったんだなぁと実感したというか。次の7の倍数の年は、どんなことが起こるのやら。逆に、次の7の倍数の年までは、大きな変化はないと安心していいのかなぁ。

本棚:『今夜は、鍋。温かな食卓を囲む7つの物語』

本格的な夏はまだ先なのに、暑いな…と思う日が多くなってきた今日この頃。鍋の季節ではありませんが、好きな作家さんの名前があったので、「おっ!」と思って手に取りました。そういえば、クリスマスのアンソロジーを夏ごろに読んだこともあったっけなぁ。 私が一番好きだなと思ったのは清水朔さんの『初鍋ジンクス』。7つの物語のそれぞれの扉の絵の中でも、これが一番好き。だって、具がアレだから。 それから、角田光代さんの『鍋セット』も、じんわりと「いいな」と思いました。どこかで読んだことあるんだよ

本棚:『後悔病棟』

神田川病院に勤務する33歳の早坂ルミ子は末期がんの患者を診ており、これまで多くの患者を看取ってきた。しかし、彼女に貼られたレッテルは、患者の気持ちがわからない無神経な医者だというもの。ある日、中庭で見つけた聴診器を患者の胸に当ててみると、患者の心の声が聞こえてきて…。 以前は「人生やり直せたら…」と思うことがありましたが、最近はあまり思わなくなりました。理由の1つは友人が「人生やり直せても、今の『あの時ああしていれば…』って思いを持っていなければ、自分の性格からすると、結局

本棚:『ネコシェフと海辺のお店』

著者は標野凪さん。どこかで見たことある気が…と著者紹介を見れば、『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』『こんな日は喫茶ドードーで雨宿り。』とありまして、「そうか!」と。福岡で開業し、現在は都内で小さなお店を切り盛りしている現役カフェ店主でもあるとのこと。本書のネコシェフのような気持ちで、お客さんと接しているのかなぁ。 ネコシェフの海辺のお店はいつでも行けるわけではなく、どこにあるのか不明。というか、心の中にあるのかなぁ。心が折れて、思わず漏れた心の叫びをネコシェフが聞き取って

本棚:『生きるぼくら』

小学校6年生の時に両親が離婚し、母と二人暮らしとなった麻生人生。その後、いじめから引きこもりとなり、24歳の今に至る。しかし、母が出ていき、残された年賀状の中にあった父方の祖母のもとを訪れると…。 人生(←主人公の名前)が祖母のもとを訪れるのは、小学生の時以来ですから、だいぶ時間があいていて、しかもその間に成長していますから、すぐには分かってもらえないかな?という心配はふつうにあるでしょう。実際、おばあちゃんに分かってもらえないのですが、それは時間の隔たりではなく、認知症が