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ゴーゴー山形日記
山形は庄内地方に行ってきた日記。
前段
わたしは山形のことがとても好きで、もちろん見えていない面もあるのは重々承知のこと(山形で大学生を過ごした友人たちは口をそろえて「ほんとに何もない」とぶつぶつ言っていた)、お米・お肉・フルーツ・日本酒・ワインどれもおいしく温泉地もたくさんあって山も海もでかい川もある。今のところ隠居するなら山形と決めています。
ただ問題は実家のある宮城とは芋煮会において論争があり、宮城は味噌・豚肉ベース、山形は醤油・牛肉ベースとなっている。山形芋煮カルチャーを迎合できるかが焦点となる。ちなみに、BLUE GIANTで主人公がサックスを吹いていた広瀬川の河原で、わたしは芋煮会をしていました。
4年ほど前にかみのやま温泉、昨年は銀山温泉ときて、今年は庄内地方・鶴岡は湯田川温泉に行くことにしました。今回はひとり。そもそも事の発端はANAのセールで庄内空港行きの航空券を手に入れたこと。かみのやまと銀山は宮城から車で行ったのだけれど、庄内地方は反対日本海側なので車ではやや遠い。せっかくならと行ってみることに。
日本海
羽田7時台のフライト。例によってわたしは旅行が好きなわりには「空港までのバスが遅れて飛行機乗れなかったらどうしよう…」「やばいポケットない服だけど飛行機墜落することになったら何も持っていけないどうしよう…」「どうしよう…」と常に不安を抱えている人間ですから、朝からやきもきしていましたが無事に乗れました。飛行機で1時間、離陸したらもう着陸!?だった。それでもドリンクサービスがあってうれしい。タリーズのアイスコーヒーがおいしかった。
無事に庄内空港に到着、こちらはANAの就航のみの小さな空港。まだ8時台。レンタルをカーするか迷ったけれど、そんなに運転が得意じゃないのとお酒を自由に飲める状態でいたかったので今回はバスやタクシーで乗り切ることに。
まずは日本海が見たいと思いタクシーで湯野浜方面へ。ここにも温泉、湯野浜温泉がある。コンビニでビールを買って海見ながら飲んだ、AM9時。朝ということもありがやがやしていなくていい。もっと曇っているかと思ったけれど、ほどよい天気。ぼんやりと、ここ数か月の新しい生活について反芻していた。
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それからバスの時間となったので、せっかくならとクラゲで有名な加茂水族館に。ちなみに庄内交通バスは一日乗車券を販売していて、これがかなりお得だった。
一生分のクラゲ見る
想像以上に数多のクラゲいて恐れおののきました。なぜか現地老人会ぽい御爺様に「これもクラゲか!?」「何食べてんだろうなあ!?」とお声がけされ会話を楽しみました。クラゲは動きがゆったりしているところがいい。
一番でかいクラゲの水槽の前にはたくさんのベンチがあって、ここでもぼーっとクラゲを観察しながらいろいろ思い出したり考えたりしていた。
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アザラシかオットセイかそういった類の海獣類を眺めながら食用クラゲがふりかけられている(!)ソフトクリームを食べて一息。
すぐ近くに荒崎灯台という灯台があったので、バスの時間までそこでもざっぱーん!と日本海を見ながら、なんか火曜サスペンス劇場みたいだなあとか考えながら、ぼんやり。
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憶測で物事を語っている
ラーメンとしょうもない話
それからバスで鶴岡駅方面へ。友人がおすすめしてくれたラーメン屋さんに行くことに。そもそも車カルチャーダンジョンなので、なかなかアクセスは悪かったけれど、ちょっと歩いて汗かいた身体に塩分がしみわたっておいしい。そしてチャーシューがぜんぜん重たくない、ぺろりと食べられた。麺は昔ながらのちぢれた中華麺、という感じでなぜだかなつかしい気持ち。友人は塩をおすすめしていたのにわたしは醤油(山形は醤油という固定概念)を食べるミスをしたものの、まあまた来ればいいか、と軽々しく思う。
自分がお腹弱いことをいつもどおり忘れており、お腹痛くなってきて昭和感満載のレトロな街のデパートのトイレを拝借するなどした。あと、自分が麺類を食べるのが下手なことをいつもどおり忘れており、白いシャツに案の定しみ。ドラッグストアに寄ってしみ取りシートを買ったら(しかも在庫処分で半額)まあこれがすごい!ほんとにしみがなくなった!今後も持ち歩こう、しみ取りシート気になっていたんだよねえ。旅行で記憶に残るのはこういうアクシデントやしょうもないことなのでありますね。
湯田川温泉へ
それからバスで湯田川温泉まで向かう。ここにしたのは、あんまり温泉街温泉街していなくて奥ゆかしさがあり静かでよさそうだなあと思ったのと、加水・加温・循環をしていない「天然かけ流し」の温泉に入ってみたいなと思ったから。
そのまちに住むひとのための温泉という感じがする。「正面の湯」という共同浴場があって、住民の方は鍵をお持ちのようで、旅人は商店で鍵を借りて入れるらしい(わたしは入りませんでしたが)。その建物の目の前に足湯があって、ここでもしばらくぼんやり。ずっとひとりだった、ほぼ誰も通らなかった。
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近くの商店でお水やビールを買ってから、旅館にチェックイン。今回は隼人旅館さんにお泊り。ご主人のご趣味だという本・マンガコーナーがあって個人的にはそのラインナップにテンションが上がった。「百年の孤独」持ってきていたけれど、しばらくそちらを拝借。
満を持して温泉へ。誰もいない。浴槽も3人入ればいっぱいという感じなのでありがたい。お湯はあちあちで、なるほど身体が温まるまでのスピードが違うような感じがした。曲線の傾きがぐっとしているイメージ。ちょっと入っただけですぐに芯まであたたまる!短めに入浴→つめたいシャワー→椅子でしばし休憩、というサイクルを何度も繰り返す。サウナもいいけれど、あつめのお湯で温冷交互浴って最高だなあとしみじみした。
それから晩御飯。ステーキ、お刺身、天ぷらなどなどとても豪勢だった。特に煮魚がおいしかったし、だだちゃ豆ごはんが滋味深くておいしい。しかしごちそうを前にわたくしの軟弱な胃腸は歯が立たず、強靭な胃腸を育てねばならぬ、と気を引き締めた。あとひとりだとそこまでごちそうじゃなくてもいいのかも、という気づきを得たので、今後のひとり温泉宿の参考にしたい。
お布団でごろごろしながら本を読んで、またお風呂、温冷交互浴をたのしむ。お腹も落ち着いてきたのでビールを飲みながらまた本を読んでねむった。とても静かで、たまに外を歩くひとの話し声が聞こえてきて、畳のいい匂いがしていた。
朝に入る温泉はいい
翌朝目が覚めてまた温泉。朝から贅沢にたのしむ。朝ごはん、ほんっと~に、お米がおいしい。切り干し大根の煮物、いんげんの胡麻和え、焼き魚、梅干し。ごはんおかわりしまくって1合以上食べたと思う。やっぱり白米だいすきだなと思い、iPhoneのメモに作成している「すきな食べ物本気で決める」を見直すなどした。上位はフライドポテト・ミックスナッツ・お米(わりと白米)となった。そのあとをあんかけ焼きそばと煮魚が追随する。
またごろごろして、ぼんやりお外眺めるなどしてチェックアウト。バスで鶴岡駅へ。お土産をいくつか買ってから、マップを見てよさそうだったフルーツショップへ。併設されたカフェに行ったのですがここがほんとうにすばらしくて、さくらんぼのタルトと庄内柿のミックスジュースというこてこて山形セットにする(しかしわたしのキングオブフルーツは柿なので…)。このミックスジュースが、水入っていないのでは!?というくらい、濃度の濃いジュースでそのまま柿を食べているようで、もうとにもかくにもおいしくて目が見開かれた。こんなにおいしいジュース、飲んだことない。タルトのさくらんぼもみずみずしくて、皮をやぶってぷちっとした食感がおいしい。カスタードクリームとチョコクリームとも全然けんかしていない。そしてこのカフェ、すべてが白い部屋となっていて、フルーツがよく映えていた。朝いちで行ったから混んでいなかったけれど時間帯によっては混みあうのかな。ぜったいまたここに来る、と決意しました。
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それからはバスで空港まで向かう。空港ではなにやら庄内メロンに関する催しがおこなわれていて、メロンを無料でふるまっていたのでありがたくいただいた。さすがフルーツ王国だった。帰りました。
普段と違う場所に身を置いて日々のことを思い出し考える、ことが好きなので、心ゆくまでそれができて満たされました。
次の山形
次は山形県のど真ん中にある肘折温泉が気になっているものの、アクセスのハードルがあまりにも高いので考えあぐねているところ。酒田、米沢などなどまだまだ気になる場所がたくさんあるので、また山形行くぞ~という気持ち。