1ページの絵本(卒業の頃)
卒業の頃
卒業式の練習があって
音楽室でお別れの歌なんか歌うと
もうそれだけで涙があふれちゃう。
気持ちをそらすために
どうでもいいようなことを考えたり
眠くもないのに大あくびをして
「春は眠くなるよね〜」って
涙目をごまかしたりした。
大人になっても
この季節はやっぱり嫌い。
何かがリニューアルされ
「新、なになに」っていう言葉が苦手だ。
新人、新入、新商品、新規・・・
新しくしなくてもいいものや
なじみの環境があって
そこが居心地のよい私にとっては
追いやられるような
つまり、落ち着きどころを失う。
古い町並みや
あそこにあった大きな銀杏の木が
ある日、跡形もなく消えているのを見た時と同じ。
平気な顔をしても
実はそうとう泣きそうなのである!
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