シドニー発・激安だけどそう見えない、「こんなのが欲しかった」となるソファ
2020年5月12日(火)
【Day 54】
だいぶ家具やら家電が揃ってきた我が家だが、メインどころでひとつ、まだ足りないものがソファである。
この家にはデカいソファが置ける。
嗚呼、念願のデカいソファ……身長193cmの僕が寝っ転がってうたた寝できる幸せサイズのソファを置けるスペースが、この家にはあるのだ。
東京で暮らしていたマンションはリビングダイニングがL字になっており、そんなソファを置くスペースがなかったものだから、「リビングのソファで横になってNetflixを見ているうちにうたた寝」が今の僕のささやかな夢である。
しかし、ソファの価格は大きさに比例して上がっていく。ワイド2m越えの3シーターともなると、アイラーセンやらジャーナルスタンダードやら、名のあるブランドだと平気で30万40万の世界だ。IKEAでさえ、サイズの大きなものは10万円近くになってくる。
僕の収入が不安定なうちは、可能な限り価格を抑えられる方が望ましい。
5万円以下で、デカいソファを手に入れるには…中古でも当たるしかないか、と思っていたら——あったのである。新品で、安くてデカいソファが。
アッコがググって「これどう?」と見つけてきたブランドだ。
調べてみると、シドニーが本拠地で、創業は1989年だというから、新しくもなく、トラディショナルなわけでもない。しかし、ワイド233cmのデカいソファがたったの549ドル(約38000円)である。
サイトデザインがなんだかガチャガチャしているし、クオリティに問題があるのでは?という不安もよぎる。前回オンラインで購買したテーブルの件があるのでなおさらだ。
しかし、ソファのレビューは軒並み星4〜5つ付いているし、ファンタスティックファニーチャーのインスタアカウントにはなんとフォロワーが11万人もいた。
うむ、これなら大丈夫だろう。
……と、何も根拠はないのに、フォロワーが多いだけで勝手に安心して購買意欲が跳ね上がるあたり、やはりSNSにおけるブランディングはとっても重要なのである。特に家具のような見た目が大事なプロダクトは。
気になって調べてみると、日本でも一部商品をバイマで購入できるようだが、同じ商品が3倍強の価格になっているので、安く買えるのはやはり現地の特権である。
例えばこのオットマン。
ファンタスティックファニーチャー本体サイトだと139ドル(約9700円)だが……
バイマだとこの価格だ。
そんなわけで、俄然買う気マンマンになったわけだが、ファンタスティックファニーチャーは、我々のように意欲が高まった見込み顧客に対するクロージング施策も抜かりない。
まず、ソファは100種類を超えるファブリックから好きな色を選べるようになっていて、サイト上で選択したファブリックで全体像を確認することもできる。360度ビューも完備されている。
さらにさらに、選んだファブリックがディスプレイで見たイメージと違ったらどうしよう、と思い悩む人のために、「Get free samples」で、5種類まで無料のサンプルを郵送してくれるのだ。こんなにたくさんのファブリックがあるだけに、このサービスはめちゃくちゃありがたい。
実はサンプルをオーダーしたのは先週なのだが、頼んでから4日ほどで手元に届いた。
ザツな手書きの宛名書きが、逆に人の温もりを感じさせる。
我々が選んだサンプルは、ブルー系を検討していたのでこの5つ。
ここまで来れば、もはやクロージングしないはずもなく、多数決により、ちょっとプレミアム価格になるターコイズ(真ん中の)で本オーダーが完了した。それでも669ドル(約47000円)だから、全くもって許容範囲だろう。
しかしこのサンプルサービスというのは、もはや珍しくない施策だが、やはりよくできているなと感じる。
上記の通り、見込み顧客にとっては、手触り色味を本物で確認することで間違いない判断が下せる。そして、売り手にとっては「海老で鯛を釣る」ようなものだろう。サンプルをオーダーしている時点で購買意欲は相当高まっているわけだから、サンプル5枚を郵送することは、すなわちエサ5つを針にかけてポイントにキャストする行為に等しい。
ソファが届けば、子供たちが座ったらイメージ的にはこんな感じだろうか。いや、ウチのヤツらはもっと動物みたいにゴロゴロするだろうから、こんなに絵にはならんだろうけどな……
しかしながら、ソファが届くのは5週間〜6週間後とのこと。
それまではリビングでくつろぐことはお預け……
( ゜д゜) ……
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゜д゜) ……?
「何してんの?」
「ん?5週間も待てないし」
気づけば、長女の部屋から無理やり運び出したベッドをソファがわりに、アッコが居候みたいな姿でくつろいでいた……