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表現したいもの

僕は左手にミューズに捧ぐって意味の英語のタトゥーを入れている。つまり僕はお客さんのために絵を描いているわけではない。商業的に売り上が立つとか、賞賛されるとか、そういうのは絵を描く目的にはならない。もちろん、僕も人間なのでお金があったりチヤホヤされたら嬉しい。でもそのために創作のレベルを落として誰にでも理解できて喜んでもらえる絵を商業的に描くことはやっぱりできない。他の人に(いい意味での)嘘をつくことは許せるけど、自分に嘘をつくと、あとから大きな鬱の波がやってきてしばらく絵が描けなくなることは今まで何度も経験している。絵が描けないどころか、躁鬱の波が悪化して腕をカッターで切って気持ちを落ち着かせたり、オーバードーズして死のうとしたり、頭がおかしくなって気がついたらトラブルを起こしたりしてしまうようになる。すると人からの信用を失う。そんなことはしたくない。いや、そんなこと関係なくても、俺はやっぱり自分の表現を追求してミューズに捧げるために絵を描いている。

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