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沼津に行ったら、欲の在処がわかった。

別に地元が沼津だからとかじゃない。自宅からちょうどいい遠出場所が沼津だったのだ。決してLLSSの聖地だからというわけではない。実は唯一見てないシリーズがSSなのだ。なのでファンというにはおこがましいけど、街を巡っていて楽しいことが広がっているし、根付いていることに関心するばかりであった。だから沼津は聖地として、観光地として、なにより僕の遠出欲を満たす場所としてふさわしい場所となった。

先週の土曜から二泊三日、沼津で過ごした。別に観光目的ではなく、四月の頭から書いている小説がはかどらず(理由は主にダラダラと遊んでいたから)、このままでは駄目だと思いホテルでいわゆる缶詰め執筆というものを敢行してみた次第だ。プロの作家では十八番と呼ぶべき秘技を、アマチュアである僕がやっていいものか……なんて悩んでいる暇はなかった。そんな事を考えている暇があるなら、少しでも作家気分を燃料剤にして書かなくてはならないのだ。

チェックインの時間までスタバとスタバ(ワンモアコーヒー利用)をフルに利用し、ちょうどよくエンジンがかかってきたところでホテルにチェックインして執筆に入った。机は小さかったけど、作業スペースとして申し分ない。執筆中ずっと、硬い椅子に座りっぱなしでお尻が固くなったものの、ギアの入った人間とはすごいもので、「もういいかな」とはならずに進んだ。
目標を「初稿があがるまでひたらすら沼津で執筆」と定めたのもそうだけど、これを達成するために、
・沼津港で二千円くらいの鮨を食い。
・ホテルを当日予約を入れ。
・翌日出勤であったが、急遽休むと連絡を入れた。
と、言い訳できない状況にもっていくことで、ブーストがかかったのかもしれない。特に最後のやつは私用での欠勤を申し立てた。そのことに躊躇いは少なかったし、罪悪感もなかった。僕にとって仕事とはそういうものだ。

執筆は順調に進んだ。ここには自宅みたいに誘惑がない。
そして日曜日の夜、遠く離れた場所で孤独を味わっていたからか、ネットであることを調べてしまった。

「沼津 風俗」と。
それからは一時間半ほど風俗関係のサイトを回って、これいまから行けるんだよなぁ……なんて思いながら結局行くことはなかったが、貴重な時間をこういうことに費やしたということは、僕はどうやら人肌を求めてしまう傾向があるらしい。

ただ突発的に行動を起こさなくてよかったと思う。
いつか行くことにはなると、新たな気持はできたかも。


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