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《読んだ本》ヨハネ23世の回勅『地上の平和』(Pacem in Terris)
■特徴
1963年4月11日に発表。キューバ危機(1962年10月)の収拾や、宗派・宗教の融和(エキュメニズム)に努めたヨハネ23世が、遺言として作成したもの。ローマカソリック教会の回勅としては初めて、カソリック教徒だけではなく、「すべての善意の人々」に宛てて書かれています。
■感想
・キリスト教の表現が散見されるとはいえ、キリスト教の本というよりは、世界平和を熱心に希求する「節度ある常識人」からのメッセージという印象を受けます。
・この本が書かれる直前におきたキューバ危機で、アメリカとソ連の一触即発の危機に、仲介役を務めた教皇だからこそ書けたのだろうな、というような、現場のための宗教を分かりやすく語っています。
・教条的に見える点や、(いまとなっては昔の)最新の科学技術について語っているなど、すこしだけ違和感を感じる部分もあるものの、全体的には腑に落ちる説がほとんどで、読んで良かったと思いました。
→(脱線にはなりますが)日本の古来伝統の神仏混交は、Radical ecumenism と言えるように思いました。こう言えば、日本以外の文化的背景をもつ人にも理解されやすいのかな、と。
■出版社HP
http://www.cbcj.catholic.jp/publish/peter/pacem/pacem.html