傷ついている夜

傷ついている。夜。

デリカシーなんてなくて図々しくて、何も知らないのに、ただ自分の狭い視野で見えるわずかな範囲の情報だけで、他人を決めつけて、判定して、干渉して。

それら全部をやることによって、自分では自分をいいものみたいに思って、気持ちよくなってる。

いつもそんなヤツにメチャクチャにされるんだ。そんな気がしている。自分も。自分が大事に思う人たちも。そんなヤツにメチャクチャにされてばかりじゃないか、って気持ち。

傷ついてしまっている時、(そんなヤツにメチャクチャにされたくないよ)って、思うのすら許されてないような気がしてくる。

「オオ夕ニ選手なら、そんなのと同じ土俵に立たない。自分がどんなことに苛立つのかを教えてくれた相手に感謝して、自分の成長につなげるんだよ」

そういう言葉が多すぎるから。そう考えるのが正しくて、できない自分は価値のない弱者だと思う。件の野球選手には申し訳ない。ことあるごとにこういう例え話の代表にされるというのも本来は傷つくものではなかろうか。

傷ついてしまっている時、こんな目に遭うのは、日頃から立派な考え方をできていない自分への、これは罰なのだろうと思えてくる。

傷つけられたと思う時、そんな目に遭う場所から離れたい。だけど離れずに居続けるべき理由がやっぱりある。そんな理由なんてない、今すぐ離れろ、って、お手軽なSNSの投稿が簡単に言うけど、現実は、ワケが違う。

あの人、普段はいい人なのに、今日は「じぶん彼女いるのに他の人から言い寄られて〜それで彼女が怒っちゃってwこのネックレスしとけってうるさいんですよwもはや首輪っすよw」とか言い出したな〜とか。

日頃ならキショ!で終えられる程度のことなんだけど、傷ついてるモードの私にとっては、それ聞かされてた時間の虚しさといったらなかった。

人類史上に残る悲劇に見舞われたぐらいの悲しさで思い出して、本当にボロボロ泣いてる。なんだよもう、本当にいい加減にしてよ、どいつもこいつも。

ぐちゃぐちゃ汚いこの心の内がどこかから漏れていないだろうか。こんなものを漏らしたら他を害するのではないだろうか。心配そうに寄り添ってくれる猫に本当に申し訳ない。自分の汚さはこの無垢な生き物を侵食してしまう気がする。自分が吐いた息の比率が高くなるのが怖いから、ずっと窓開けてる。いなくなりたい

終わりがないように思える。夜。悲しい。

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