短編小説 この世界は
バンッ!
激しい爆発音がなり響いた。会社にいた私は、全員は別に気にしない。もうこの世界は変わってしまった。人間には止められないような``生物‘‘が地球に、現れてから、、、
人間には体中に防弾用の防着を着せられ、オシャレなんてできっこない。
人間には仕事、仕事、仕事をやらせるばかり。もう、苦痛なんて感じない。
それは皆も同じだろう。
感情が現れない真っ黒の目。皆、同じ防弾服を着ている。
バリン!
ちょうど、私の隣のデスクに窓ガラスにあたった後に軌道をかけた球が人間にあたる。防弾服にズシリと入って、跳ね返されている。当たってしまった女性はそんなことに目をむけず、目の前のパソコンをじっと見ている。指を忙しく動かしながら。
このままでいいのだろうか?自由を許されているのは国のとても偉い人だけ。政府だ。私たちみたいな会社員は自由なんてない。
そんなの、ダメだ。
皆がカタカタとタイピングする中で私は立った。そして、近くを飛んでいた私たちにとっての``敵‘‘に向かって、さっき飛んできた球を力強く、投げた。
``敵‘‘は防弾なんてしてないから、身体に球が入り込んで溶けていく。敵わないと思っていた相手が一瞬にして私の目の前からいなくなって。しばらく呆然としてしまった。私が呆然としている間、パソコンのタイピング音は一切なかった。私は後ろを振り向いた。さっきまでパソコンに夢中だった皆は私の行動に釘付けだった。そして、
一人、二人と立ち上がり、飛び散っているガラスに手を伸ばし、``敵‘‘に投げる。投げる。
私は、私たちは防弾服を投げ捨て、オフィスを出た。
完