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緑に包まれる江之浦測候所

小田原と熱海の間の相模湾に面する江之浦測候所にやってきた。山の斜面にあったミカン畑だった広大な敷地に建てられた複合アート施設。杉本博司氏が構想から竣工まで20年の歳月を費やしたとのこと。各施設は、ギャラリー棟、石舞台、光学硝子舞台、茶室、庭園、門、待合などから構成されている。自然のなかで建築群とアートを楽しむことができる。

パステルカラーの根府川駅。駅から無料のシャトルバスで江之浦測候所に向かう。

13時15分のバスに乗ったが、10分足らずに着いた。駐車場から江之浦測候所まで少し離れているため、ちょこっと山登り。

トーテムポール

江之浦測候所の前にはカフェもある。海を眺めながら冷たいドリンクを楽しむのも一興。

到着したのは13:30の2,3分前。少し待ってから入館できた。

まさかの御用の下にインターホン。

トイレから出たらすぐに見える形式。鮮明な緑が眩しい。

なんといっても素材と建築が馴染む。その場にいて落ち着くのだ。

ゴツゴツとした壁が目を引いた。石と木の組み合わせが非常に興味深く、木の部分に触れてみると、ボロボロと崩れてきて驚いた。(壁に触れてはいけない書いていたためお許しを。)

この黒い部分が木材である。
まるで、木が過去の記憶を静かに眠らせているかのような感覚を覚えた。

青々とした風景の中に突如出現する褐色の建物。

急に廁。中が気になってのぞいてみたところ普通のトイレだった。ちょっとぼっとんトイレを期待していた。

不思議な凹み。最初はトイレか墓に見えた。

光学ガラス舞台

自然の景観と建築が調和した場所で、特にこの光学ガラス舞台は、建物から突き出した形で設計されており、目の前に広がる海と一体化するかのような錯覚を生み出す。舞台自体は錆びた金属でできており、自然の風化と建築の融合を象徴しているように見える。

立ち入り禁止区域の前に、かわいらしい道標のように小さな石がちょこん。こういう意味を持ったかわいさって良い。

この画像は上の舞台の下に位置する。舞台の隣には階段があり、それを降りていくとこのような空間が突如出現する。金属の重々しい雰囲気に包まれているためか、暗闇から見える自然が神々しく見える。

真っ暗な中にわずかな光が差し込む、神秘的な空間を捉えた瞬間。漆黒の中にある別世界のような印象を受ける。

自然を感じさせる庭園の景色が窓越しに見える。足元に窓が開いているためか、木や石が配置された自然の表情がより際立つ。

この建物は、周囲の緑豊かな山々と青い海が広がる絶景に位置しており、建物自体が景観の一部として設計されているのが特徴です。特に、建物の直線的でシンプルなデザインが、自然の曲線的な美しさと対照を成し、全体として静けさと調和を感じさせる空間を作り出している。

ポケモンのパルキアに見えてきた。ガバッと口を開けている動物みたい。

竹林に向かう途中に遭遇した家屋の内部。建物は木材を主体としたシンプルな構造で、天井には大きな窓があり、自然光が差し込んでいる。

様々な化石の標本が展示されている。素朴で原始的な雰囲気を持つこれらの標本は、この施設の性格を端的に示していると言えるだろう。

壁には「落石注意」などと書かれた赤い看板が掲げられており、この場所が自然と共存する生活を想像させる。この建物には、自然の中に溶け込むような雰囲気を持っており、どこか懐かしさを感じさせる空間となっている。

屋根部分の梁には竹の竿が掛けられており、そこにいくつかの籠が吊るされている。これらの籠は、おそらく農作業のために使われていたものだろうか。

天井に掛けられたランタンが、昔ながらの日本の農村の生活感を感じさせる。

炎天下でハイキングをしていたため、正直なところ、景色をゆっくり楽しむ余裕はなかった。しかし、撮影した写真を見ると、その日の雰囲気が鮮やかに蘇る。

視覚的な体験が印象深い。夏の暑さが非常に感じられる一日だったため、長時間滞在は体力的に中々厳しかった。

訪れる人々は日本の伝統的な生活様式や自然との調和を感じることができる。

空の青、木々の緑、そして櫓の赤、その微妙な色合いが印象的。

窓からは、緑に覆われた丘陵地帯と海が一望できる。ガラス張りの空間から望む景色は、急に日常を感じる。ちょっと丘になっていて、傾斜に連なる家々がジブリ感満載。
ゆったりとした時間の中で、自然の景色を堪能できる場所だ。

大きな屋内スペースには、木目の美しいテーブルが設置されている。

風格ある石壁には、「青天を衝け」と大きく書かれている。これは2021年に放送されたNHK大河ドラマのタイトルである。自然素材の使用と、ガラス張りの開放感が融合した空間設計が印象的。

杉本博司氏の作品が点在している。

絵画と緑豊かな自然。自然そのものを感じさせる、まさに建築と自然が一体となった空間だと感じる。

机の上には江之浦測候所に関する雑誌や書籍が置かれている。休憩の合間に眺めることができる。

「敷地内に実った蜜柑は地元農家の方々のものですので、もぎ取らないでください。」←至る所にみかんがあったため、もぎ取ろうか真剣に考えていた。もぎ取らなくてよかった。

江之浦測候所からの帰り、根府川駅。夕暮れの柔らかな光が、青い空と海を茜色に染め、どこか懐かしいような、穏やかな気持ちにさせてくれた。

当日のランチ。ネギトロたっぷり、ご飯との相性◎ 
ご飯の上に海鮮が綺麗に盛り付けられており、色合いが食欲が掻き立てられる。こういう海鮮丼で大事なのが器。青色の模様が入った白い丼ぶりが使われており、紅色の海鮮たちと対照的だ。

ほとんど室内かな〜と考えていたが、思ったより室外が多かった江之浦測候所。季節によって表情も変わるだろう。今度はぜひ涼しい時に訪れたい。
静かな時間の流れを感じながら、自然と一体となったこの空間で、日常の喧騒から離れたひとときを過ごしてみてはいかがだろうか。

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