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ポルシェが「売らない」取り組みで新顧客層を開拓

欧州連合(EU)の欧州委員会が2021年7月14日
2035年にハイブリッド車を含めたガソリン車の新車販売を禁止する案を発表

ポルシェという超有名なスポーツカーのメーカーといえども将来を見据えて自ら変化していかなければならない時代が来たことを象徴する出来事でした

時代に合わせ潜在的な顧客獲得を図る

ハイブランドであるポルシェにとってこれまでのユーザー層は“いつかはポルシェ”と既に購入を心に決めた人々でした

店舗のセールスパーソンは「来店」「試乗」「商品説明」から「見積」「契約」「登録」「納車」「アフターフォロー」まで販売にかかわるすべてのプロセスを担当
まさにハイブランド“ポルシェ”の「販売のプロ」

とはいえ最近ではポルシェにもミドルクラスSUVや
プラグインハイブリッド車の導入など近年ラインナップが急速に拡大
そこに追加されたのが量産EV車「タイカン」でした

このミドルクラスやEV車のターゲットとなる顧客は
“いつかはポルシェ”ではなく“ポルシェもいいかも”という今までのコアな層とは違っています

そこで新たなターゲット向けに開発された店舗がPorsche NOW(ポルシェ ナウ)
ポルシェのドイツ本社がコンセプトを主導し世界中で展開する期間限定のポップアップストアです

Porsche NOWで来店のハードルを下げ
Porsche Proで専門的な知識を伝える

2019年末から世界展開を開始したPorsche NOWの日本第1号店がPorsche NOW Tokyo(ポルシェ ナウ トウキョウ)

ウッドフロアやナチュラルカラーの接客カウンターなどこれまでのポルシェショールームとは異なる空間デザインで誰でも気軽に立ち寄りやすい雰囲気となっており来店のハードルが下がっています

そして接客するスタッフはPorsche Pro(ポルシェ プロ)、クルマを売らず「説明」することに専念するスタッフです

Porsche NOWの展示の中心となっている車種が「タイカン」、ポルシェ初の量産EV(電気自動車)なのですがタイカンはこれまでとは違った全く新規の電動パワーユニットを備えメカニズムも機能も異なるため
「説明」するにはより高度な専門的知識が要求されます

そこで高い技術知識を持ったスタッフが集められPorsche Proという「商品説明」に特化し販売目標を持たない役割が新設されたわけです

既存顧客の信頼を毀損させずに          新たな顧客開発を狙う取り組み

今回ご紹介したPorsche NOWですが期間限定のポップアップストアのため営業が2021年8月末までの予定だそうです

ポップアップ期間が終わった後、各スタッフは元の店舗、部署に戻るわけですが私としては今回のチャレンジがポルシェの経営にとってどのような影響をもたらすのか興味津々です

既存顧客の信頼を毀損させずに新たな顧客開発を狙うテストマーケティングの事例として参考になりそうです

<まとめ>
既存顧客を離れさせずに新規顧客開発に取り組む手法
●ポップアップストア(限定)
●Porsche NOW(親しみやすさ)
●Porsche Pro(情報力

【出典】ポルシェが「車を売らない説明のプロ」を育てる訳
(東洋経済オンライン)https://toyokeizai.net/articles/-/435909

↓↓ 上記内容を1枚企画書にまとめてみた ↓↓

ポルシェ「売らない」取組


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有馬典寿<arima-planning>
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