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出荷停止から2年、即完売を実現した事業継承成功のヒミツ

実は買おうか悩んだことがあったのですよnasne(ナスネ)。
でもテレビ録画している映画なども観てないくらいなのに、そんな色々観る時間なんてないよなーということで購入を諦めたことを思い出しました。
それにしても、一度出荷停止(製造終了)していたのですね、知らなかったな。
しかも、再販売すると即完売状態になっているなんてですね。

2年前に製造終了した製品がアナウンスするたびに24時間で完売

nasneはSIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)のネットワークレコーダーで2019年に出荷停止されました。
ちなみにSIEが出荷停止(製造中止)した理由は次の通り
●同じような機能の商品が他にある
●一部の部品が調達できなくなった

古い製品をリメイクするより、新しい商品の開発・販売に経営資源を集中するという判断だったのでしょうね。
ソニーグループも経営が厳しい時期がありましたから。

それにしてもnasneってユーザーから愛されていた商品だったのですね。
製品販売継続の要望が強くあり、ネットワーク製品の開発を行うバッファローが2021年に継承して製造販売することになったのですから。

とはいえ出荷停止から販売開始まで2年期間が開いているし、普通に考えて細々とロングテールでボチボチ売れていく感じかな・・と思うところですが、実際は即完売。
アマゾンで発売のアナウンスするたびに24時間で完売、しかも9回連続で即日完売。
すごいですよね。

ファンの期待に応える2つのポイント

「別会社からの販売」「2年間のブランク」がありながら即完売。
そのヒミツは「ファンサービス」にありました。

ファンサービスといってもファンを集めたイベントをしたわけでも、記念品を付けたけでもありません。
ただ「ファンの期待に応える」ことを行っただけ。

以下のようにファンに好まれている仕様を残しつつ今の機会としての改良を加え、事業継承の理解を図ったのです。

1)「変えないもの」と「変えるもの」をファン目線で分ける
【変えないもの】
●外観(同じケースデザイン)
●使用方法
【変えるもの】
●期間部品など中身は新規開発(調達できる部品との兼ね合いも含めて)
●録画できるハードディスク容量の増加
●スマホで視聴する時の画質の向上

2)告知の期間と内容を丁寧に伝える
【告知期間】再発売の半年前から告知を実施
【告知内容】SIEからバッファローにnasneが「そのまま継承」されること
※バッファローが配信したnasne再販売についてのプレスリリースにはSIEから製品継承について説明する文章も添えられていました

SIEからバッファローにメーカーは変わるけど「nasneは変わらない」ことをファンにきちんと伝えたことが“さらに愛されるポイント”になったのですね。

製品も会社も事業継承にはファン(顧客)視点が大切

会社を事業継承する場合も同じですね。
ファン(これまでの顧客)を大切に考え「変えるもの」と「変えないもの」をしっかり分けてアナウンスして行くことが大切です。

さらにもう1点、再販売のnasneが売れたヒミツをご紹介。
それはマーケティンの4Pの一つ「プライシング=価格決定」。

Nasneの再販売に当たってバッファローは価格決定にAIを活用し最適価格に決定。
この数千円金額を下げても販売数は変わらないというAIの予測で判断したそうです。
これも即日完売のポイントなのかもしれませんね。

<まとめ>
事業継承の成功にはファンサービスの視点が重要
●商品で「変えないもの」と「変えるもの」をファン目線で分ける
●告知の期間と内容を丁寧に
(補足)マーケティングに最新技術(AIなど)を活用しよう

【出典】日経トレンディ2021年8月号<ヒットの黄金律>バッファローnasne NS-N100

↓↓ 上記内容を1枚企画書にまとめてみた ↓↓

1枚企画書_nasne


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有馬典寿<arima-planning>
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