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注目される”変”なデザイン<「引っかかり」のバランスが重要>

確かにね、気になっていました、変わったロゴだなと。
「変なホテル」や「アイフル」のロゴマークがそうだし、 アイフルなんてCMも変だからね。
その表現には「変=引っかかり」がベースになっていたのですね。

変なホテル、アイフル、本家西尾八ッ橋のロゴが“変”な理由
日経クロストレンド:売れるグラフィック

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00991/00007/

論理的に説明できる引っかかりのあるデザイン効果?

そんな変なデザインを追求しているのがデザイン会社GRAPHの北川一成さん。
人間は本能的に「変なもの」に反応するので、そこに「引っかかり」を設けることで人々の注意を強く引き付けるデザインに仕上げているようです。

しかも「論理的に説明できる=クライアントを説得できる」内容で。

記事では具体的な事例と解説がありましたが、論理的というには説明が足りないような気がしたので、恐縮ですが私なりに認知心理学の視点から「心理的な引っかかり」を検討してみました。

認知心理学的な引っかかり

学者ではないのでしっかりとした分析ではありませんが、認知心理学的に以下の4点が考えられると思います。

注意喚起の効果

思ってもみない形や色は、人間の注意を強く惹きつけます。
私たちの視覚は、身を守る意味で変化や新奇性に敏感に反応するよう進化したので、奇抜なデザインはひと目で注目を集めます。

認知的不協和の誘発

人間は、自分の期待と異なる事に出くわすと不安な心理状態になります。
北川さんのデザインは、私たちの日常的な想定から外れた要素が多いので、見た人にある意味不安にさせます。
この不協和を解消しようとする過程で、ロゴが示すブランドについて新しい認識が生まれます。

フレーミング効果の利用

文脈によって同じ要素でも受け取り方が変わるのがフレーミング効果。
異質な要素を組み合わせることで新しい解釈のフレームが示され、違和感と共に新鮮な体験が演出されます。

ユーモアの活用

やっぱり楽しいが一番、ユーモアには人々の心理的ガードを下げさせる効果があります。
北川さんの作品には、ユーモアと皮肉が見事に散りばめられており、それが違和感を和らげつつ、新しいブランド認知へつながる役割を果たしています。

注意喚起、認知的不協和の誘発、フレーミング効果、ユーモアの活用など、人間の基本的な心理メカニズムを理解することで、デザインのパワーが発揮されていることが、北川さんの作品大きな魅力ですね。

「引っかかり」にはバランスが重要

しかし、引っかかりにばかり特化したのでは、かえって生活者を戸惑わせたり、拒否反応を起こさせてしまいます。

ただ奇抜なだけの形や色は、生活者の受け入れ範囲を超えてしまい、気持ち悪い形としてしか認識されなくなります。

ユーモアやパロディについても使いすぎると、制作の意図が伝わらず、ただの冗談になってしましいます。

デザインの「引っかかり」は、生活者の心理に適度に刺激を与えることが重要。 強すぎると拒否反応を招いてしまいます。
バランスを見極めることが重要なのですね。

とはいえ、バランスと言われても、ターゲットとなる生活者の特性や嗜好、文化的背景などを十分に理解する必要がありますので、そう簡単なものではありません。
そこで必要なのがデザイナーの経験と技量。

経験の浅いデザイナーだと独創性を追求するあまり実用性を軽視してしまいがち。
一方、実用性ばかりを重視すると、画期的な新しさを生み出すことができません。

デザインだけでなくモノづくりについての「経験」と「新しい視点」のバランスは、まさに「温故知新」。
自身の経験を活かしつつ、常に新しい可能性に挑戦し続けるという、まさに「温故知新」の姿勢がとても重要になります。

いやー良かった「温故知新」!
私のようなシニアにも、まだまだ活躍の場が残されていて嬉しい限りです。

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