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農耕民族史B最終‟遠隔”講義 Ver4.0

「農耕民族史B最終‟遠隔”講義」    ありがとう高橋


まえがき

A Bは暗闇の中で物に埋もれている。
B Aは物の中で暗闇に埋もれている。
A Bは部屋の中に居る。
B Aは中の部屋に居る。
A Bは部屋から出たがったが、……諦めた。
B Aは、……諦めたが部屋から出たがった。
A Bは自分に似ているAが嫌い。
B Aは自分に似ているBが嫌い。
A BはAより優れていると思いたい。
B AはBより優れていると思いたい。
A そんな自分を信用していない。
B そんな自分を信用していない。





声は生気なく、不安定であり、落ち着きが無く、
悲観的、かつ短絡的、達観し、諦めている、
ようにも聴こえる。





心配になる静寂の後
B 「あー、あー、わー、…あたしーひとのもはんー、こー、こーなじーーみで、えばー、りがたーひとーに、ないたい。そーいてるけどあかあかーあれない。だかー、いつもくあーして、あなしー。…あなしーけど、しょーないこともしてる。ほーとーの、あさしさあー、いとえてあいすー、こーだて、だえかがいう。だえかがうう。」
A 「もしもし」
B 「すいません。これもおかしいですか。でもこうやって自分の声を聴いていないとおかしくなりそうでダメです。」
A 「ご安心を、自分の声に夢中なのは自分だけではありません。」
B 「みんなおかしいんですね?」
A 「そうです。絶対的な正しさは常に正しくない。」
B 「お願いします。私を鑑定して下さい。」
A 「鑑定ですか、あなたを私が計れと言うのですね?」
B 「そうです。」
A 「さぁー予想額は」
B 「違いを見たいのです。私とあなたの違いをね、私があなたよりどれくらい優れていて、これまでの人生をどれくらいあなたより上手く処理出来たか、又はこれからの人生をどれくらいあなたより上手く処理できるか。幸福度で評価して下さいよ?そうしないと自慢になりません。」
A 「分かりました。結果を申し上げましょうか。」
B 「はい、どうぞ?」
A 「私とあなたの違いは、私があなたの事を知らないってことです。」
B 「あなたと、私の、違…いは、あたな、あなたが私、知らないの事をってと、こです?…」
A 「そうです。同じことです。」
B 「そうです。同じことです。右手で左手に触れる事でー、右手があることを確かめる。瞼を閉じる事でー、眼球があることを確かめる。身体が揺れる事でー、心臓が動いている事を確かめる。そういったことをする事でー、精神が動いている事を確かめる。」
A 「確かですか。」
B 「そうじゃありませんか」
A 「何がです?」
B 「誰だってねぇおかしくなるでしょうこんなどんな場所かも分からない場所に居たらどこに居るかも理解できませんしね誰も来ません死ね。ヒトが易々スヤスヤ眠れるのは目を閉じているからです、昼間は眼を開けているのが常識みたいな顔しますけど、夜には瞼が重くなったとか都合のいいことを抜かして眠る。許せない、瞼のせいにするんですよ?、いつもそうだ、都合のいい事ばかり望んで高慢で困ったら神頼み。瞼のせいにするんですよ」
A 「しっかり生きてください。」
B 「聴こえませーん。ごめんなさいね、私はどうも聴きたくないらしいです。」
A 「聞かないことなどできません。」
B 「すいません。これもおかしいですか。でもこうやって自分の声を聴いていないとおかしくなる。」
A 「おかしくなるのはあなたですか?」
B 「いいえ、口です。いいえ、口の中です。いいえ、口の中の暗がりに立っている私です。その私が私です、今にもおかしくなりそうになっている」
A 「あなたの現在地はそこですか。」
B 「ええ、暗く汚い淀みの中です。全く耐え難いもんですここは。」
A 「口を開けてみてください」
B 「開きませーん。ごめんなさいね。私はどうも開きたくないらしいです。(別人の振りをするように)もしもしそちらはどこに居ますか。もし明るくて清潔な都会の高層マンションなら肉の焦げた面を皿との間に隠すように、悪口をひっくり返してお世辞を言いますよ。」
A 「段々鈍ってってしまいには光らなくなったそこの電球のー下のーー、キャップを無くしたペットボトル。近所のゴミ捨て場で見つけた、古くてムズイ天文学雑誌。は、読んでないな、…こーいうのは結局、『ニンゲン・シャカイ』って名前の金持ち不細工男をだます為、お粗末脳ミソに付ける髪飾り。…逃げた洗濯ばさみ、ハンガーから落ちたパーカー…その白さとコントラストを描いているのはいずれ処理する予定の黒いゴミ山に関連する後回しの健康と溜まり続ける薄灰色の埃。見せたくない抜け毛。…がある。確か多分そうだった、そんな気がする、です。私はそこに居ると思います。気になって知恵袋の緒が切れたなら是非ヤフーへ」
B 「しっかり生きてください。」
A 「見えません。ごめんなさいね、私はどうも見たくないらしいです。」
B 「見ないことなどできません。」
A 「すいません。これもおかしいですか。でもこうやって自分の声を聴くともっと、…………おかしくなる。」
B 「あなたの現在地はそこですか。」
A 「ええ、…暗く汚い淀みの中です。全く耐え難いもんですここは。」
B 「ドアを開けてみてください」
A 「開きません。ごめんなさいね。私はどうも開きたくないらしいです。」

B 無言の時間に耐えられずまた自分の声を出す

B 「あーさつは、いっもーーきな、こーですって、きぇたけど、けどーーきすぎう、こえは、きゃーわえう。わぁしは、ぜったーーみーなに、きあわえたく、ない。きゃーわえうと、むしされちゃーし、なあえもなくなーし、どーにもすあえなーし、ぶたえう。だかー、きあわえないよーにがんばーないけど、がーばう。」
A 「もしもし」
B 「聴こえましたか」
A 「いいえ全然、聴こえました」
B 「私は決めましたよ。ここを出ます。ここを出ると道がなんとかなりそうなんでね。なに、決めては居ました。ここへ来るときにここを出る事ぐらいはね。今までどうも、何のお世話にもなれなくて済まない。」
A 「ついに出ていくのですか、出ていくとするともうこの無駄声が聞こえなくなってしまうのか。」
B 「私がここを出て行ったら、もちろん声も後を追って出ていきますよ。……名残惜しいですか?」
A 「いいえ。」
B 「出ていくために何を持っておくべきでしょうかね。」
A 「何でもよいでしょうよ。出ていくのですから、私はもう二度とここには戻りません。」
B 「その実ここには何でもあるのですよ、何でもあり過ぎて困る程です。だからもうここには居たくありませんし、だからこそ出ていくのです。物が無い所へと」
A 「見失ってしまうなら、捨てたらどうです、色々忘れたらどうですか。」
B 「身の回りを埋め尽くしているのはかつてとても必要だったものです。かつて必要であったものが今後不必要になる可能性がありますか、一度でも使ったならそれは二度目もありうるのです。ほら、ジェームズボンドも二度死ぬじゃありませんか」
A 「林檎と新聞は腐ります、知っていますか。かつて必要だったものは今必要ではないものです。反対に今必要なものは今後必要なものですだからあなたは捨てるべきです。」
B 「私が物を捨てる必要はない、私が物に捨てられるべきです。」
A 「あなたはまだ物に未練がありますね。」
B 「それは誰の意見ですか、そちらで何を考えているか何を出来るかは知りませんがね、私はね、あなたのフォルダー名を左手の小指でヒダリクリックして、恨むべき人種と覚え直せる程の仕事人間ですし、納豆入りの藁人形を箸でクリスマスツリーに打ち込む狂気だってあるんですよ。キラキラ電飾付きの」
A 「やはり物にこだわる様ですね。物に満ちた場所から物の無い場所に行く為に、また物を持つことを考えている。どういうことです」
B 「瞼を開けても閉じているように暗く、壁が近づいて来ている錯覚を覚える程狭い。全てが古く淀んでいる、このつまらない場所のせいに他ならなかった。…誰にも見えないからこそ、この場所はつまらない。この場所は、サンタクロースも鬼も訪れない。私一人しか居ない穴であり、…牢獄としては血の気も引く、欠陥牢獄です。私は牢獄ではない場所から脱獄しなくてはいけなかった。」
A 「都合のいいことを望んでいますね、しかしその通り、あなたの欠陥牢獄は私には見えない。が何のことは無い同じ…牢獄ですよどうですか、壁の上に、丸い窓が二つあるでしょう。その下に良く詰まる小さい換気扇が二つと、壁と床の合わせ目に長い隙間…。」
B 「これを偶然と呼ぶには色々が同じ過ぎた。」
A 「ここに入った時に部屋の間取りは見たが、結果として使いやすくはない。そちらもワンルーム。そうでしょ」
B 「ええ、でも私は、私はここを出ていく事に決めたので関係がない。今更、間取りなんかは次の住人の為の遺伝情報です。」
A 「どこから出ていく予定ですか。」
B 「ドア」
A 「無いでしょう。」
B 「ハッチ」
A 「無いでしょう。」
B 「どこかの穴」
A 「分かりますからね?、このアナグラは、入ってきたはずの入り口も、今や信じられない存在だ。右手が触れる壁が救いであって、壁が無ければ自分という存在が居る事すら信じられない。…あなたの声も耳の奥から聴こえますよ。…みなさんも耳から、ノイズを含んだ信号が流し込まれる、っていう謎の時間ですよ、今。」
B 「穴から出ます宣言をします。……壁に、穴を掘りますからね。」
A 「いつから。」
B 「いつから、にしましょうか。今日はもう遅い気もしますが」
A 「明日、なんてのはどうでしょうか。日を改めて…ということで。こういう大計画は慎重にした方が良いですよ。鳩にエサを期待されているオバサンも言ってました。…とにかく向こうはここを出る事に関して重大な決断を下したわけです。私もそれを祝う事に決めました。」
B 「壁に穴を開けるなんて馬鹿げていました。それがどれほど非常識で、大家さんを怒らせる計画だったか、最初から気付いては居ました。しかし、ここを出る事をあの、全く同じ部屋であることを明らかにしておきながら、この部屋を出る事を諦めている気色の悪い、あの隣人に宣言してしまった。手前、もう計画の中止など言い出せるはずがありません。………造花に水をあげるオジサンも言っていました。」
A 「壁に穴ですか。まさに、入れ墨で足湯、ですねぇ」
缶を開けるA
B 「ちょっと何を言ってるか分からなかった。」
A 「(飲み物を飲む)ただ、あなたがこの部屋を出て行ってくれるなら、私もそのようにしようと思っていました。」
B 「そのように、とはどのように?」
A 「出ようかと。」
缶を開けるB
A 「結局のところ、誰もが穴を欲していたんですよ。ただ、穴というものは小さくても開けるのが大変だ。小さくても開いてしまえば、…破ってしまえばもう緩むだけなんです。これで私は幸せに近くなるな…いや、ありがとう。あー、あなたには白くて愛想のよい顔をしたスターバックスのプリペイドカードをあげたい。私はセイレーンの歌声に集められて死んだ船員が咎められない、と信じていた。そうであるからこそわたしはあなたの穴を通る。誠実な風にただ、ただあなたを信じたテイを取る。」
B 「恐ろしい話をしていますね。穴が開いてしまえば戻らない、傷物だっていうのが真実なんでしょう?それに夢を抱いて、トンネルを抜けると雪国だとかなんとか思ってきた。しかし流れ出るのみで戻らなかった、たった一つの綻びの為に全てをやり直すことは出来ない。パッチワークはパッチワークだ。………私は気が気ではなかった。今までこのアナグラを出る事など論外であったこの人、が態度を変えた。誰かの人生の責任を背負いたくないスタバのカードは欲しくない。」
A 「やめますか。穴は。それなら良かった。明日掘る気でいたわけですからねぇ」
B 「そうですね。」

B 無言の時間に耐えかねて声を出す

B 「しぜーをたいせつにしよう、しぜーあ、しげんです。いおちの、きょだいなせーくうが、こーほし、を、をつつみこーでます。あしおと、あしもとの、あいさんあ、だーごおしさんたち、も、わあし…たいと、かーらなーーのちがーります。いのちーを、かーたーに、うあってよー、は、ずがありあせん。じうんが、さえてぁなことあ、してはいけません。いぜんは、はーであり、ともなおです。」
A 「もしもし」
B 「もしもし」
A 「ああどうも、昨日夢を見ましてね。」
B 「どんな。」
A 「あなたと話をする夢ですよ、」
B 「どんな。」
A 「あなたが壁に穴を開けるとか、物の無い所へ出ていく宣言とか。」
B 「その夢は私も見ましたね」
A 「あれ、どうでした?あまり心地よい夢とは言いたくないのですが。」
B 「心地よくは無いでしょう。夢は時に残酷。な天使のテーゼです。意味の分からないものが夢ですよ、その訳の分からなさこそ夢の楽しみです。そもそも基本的な体験には理由がない。雪崩に何の意義があります?」 
A 「もしもし」
B 「もしもし」
A 「私の嘘を聴かないでください昨日夢なんか見ていませんでしたよ。あんまり暗くて瞼を閉じた記憶が無いので、眠ったと勘違いをしたのでした。不完全な夢は完全な現実に酷似していると羊が耳元でトーキング。わたしのアナグラには婚期を逃した大人の寂しさを背負う胴の長い茶色で短毛の犬みたいな羊が居たのだった。羊を飼ったことのないわたしとしてはこの羊が大体犬の姿であることに安堵している。」
B 「私は見ましたよ。」
A 「どんな。」
B 「あなたが壁に穴を開けるとか、物の無い所へ出ていく宣言とか。」
A 「それはついさっきあなたが壁に穴を開けようとした、現実の記憶でしょう。」
B 「あなたが穴を掘る記憶ですからね?
都合のいいことを望んでいますね、しかしその通り、あなたの欠陥牢獄は私には見えない。が何のことは無い同じ…牢獄ですよどうですか、壁の上に、丸い窓が二つあるでしょう。その下に良く詰まる小さい換気扇が二つと、壁と床の合わせ目に長い隙間…。」
A 「これを偶然と呼ぶには色々が同じ過ぎた。」
B 「ここに入った時に部屋の間取りは見たが、結果として使いやすくはない。そちらもワンルーム。そうでしょ」
A 「ええ、でも私は、私はここを出ていく事に決めたので関係がない、ですね今更、間取りなんかは次の住人の為の遺伝情報です。」
B 「どこから出ていく予定ですか。無いでしょう。」
A 「ドア、ハッチ、どこかの穴」
B 「分かりますからね?、このアナグラは、入ってきたはずの入り口も、今や信じられない存在だ。右手が触れる壁が救いであって、壁が無ければ自分という存在が居る事すら信じられない。…あなたの声も耳の奥から聴こえますよ。…みなさんも耳から、ノイズを含んだ信号が流し込まれる、っていう謎の時間ですよ、今。」
A 「穴から出ます宣言をします。……壁に、穴を掘りますからね。いつから、にしましょうか。今日はもう遅い気もしますが」
B 「明日、なんてのはどうでしょうか。日を改めて…ということで。こういう大計画は慎重にした方が良いですよ。鳩にエサを期待されているオバサンも言ってました。…とにかく向こうはここを出る事に関して重大な決断を下したわけです。私もそれを祝う事に決めました。」
A 「壁に穴を開けるなんて馬鹿げていました。それがどれほど非常識で、大家さんを怒らせる計画だったか、最初から気付いては居ました。しかし、ここを出る事をあの、全く同じ部屋であることを明らかにしておきながら、この部屋を出る事を諦めている気色の悪い、あの隣人に宣言してしまった。手前、もう計画の中止など言い出せるはずがありません。………造花に水をあげるオジサンも言っていました。」
B 「ただ、あなたがこの部屋を出て行ってくれるなら、私もそのようにしようと思っていました。」
A 「そのように、とはどのように?」
B 「出ようかと。」
A 「本当に何を言っているか分からなかった。」
B 「結局のところ、誰もが穴を欲していたんですよ。ただ、穴というものは小さくても開けるのが大変だ。小さくても開いてしまえば、…破ってしまえばもう緩むだけなんです。これで私は幸せに近くなるな…いや、ありがとう。あー、あなたには白くて愛想のよい顔をしたスターバックスのプリペイドカードをあげたい。私はセイレーンの歌声に集められて死んだ船員が咎められない、と信じていた。そうであるからこそわたしはあなたの穴を通る。誠実な風にただ、ただあなたを信じたテイを取る。」
A 「恐ろしい話をしていますね。穴が開いてしまえば戻らない、傷物だっていうのが真実なんでしょう?それに夢を抱いて、トンネルを抜けると雪国だとかなんとか思ってきた。しかし流れ出るのみで戻らなかった、たった一つの綻びの為に全てをやり直すことは出来ない。パッチワークはパッチワークだ。………私は気が気ではなかった。今までこのアナグラを出る事など論外であったこの人、が態度を変えた。誰かの人生の責任を背負いたくないスタバのカードは欲しくない。」
B 「やめますか。穴は。それなら良かった。明日掘る気でいたわけですからねぇ」
A 「そうですね。ん?」
B 「どうしました。」
A 「いいえ、ただ、何かデジャブを感じて、感じて私は指先を一生懸命に止めてしまう。この物に満ちた暗闇の中や外から沢山の耳がこちらを見ている。一人につき二つ。瞼の無い眼だ。その時ゴッホが剣を振り回した。いやゴーギャンかもしれない、口の端に白い泡が押し寄せている。婚期を逃した大人の寂しさを背負う胴の長い茶色で短毛の犬みたいな羊が狭いジョン・ケージの中で泣いた。もう終わりだ、ゴッホとゴーギャンは喧嘩をした、ゴッホの黄色ィ絵からゴーギャンが出ていく。いや、ゴーギャンの部屋からゴッホが出ていく……ああ、…ノイズを含んだ信号が吸い込まれてしまう謎の時間ですよ今は。」

A 無言の時間に耐えかねて言葉を放つ

A 「ああ、わ、私、人の模範、こう、こう同じ意味で言えば、有難い人になりたい。そう言っているけど中々成れない。だから、いつも悔しくて悲しい。…悲しいけど、しょうがない事も知っている。本当の、優しさは、認めて愛する、事だって、誰かが言う。誰かが言う。挨拶は、いつも大きな、声でするって、決めたけど、けど大きすぎる、声は、嫌われる。私は、絶対皆に、嫌われたく、無い。嫌われると、無視されちゃうし、名前も無くなるし、何処にも座れないし、ぶたれる。だから、嫌われない様に頑張れないけど、頑張る。自然を大切にしよう、自然は、資源です。命の、巨大なサイクルが、この星を、を、を包み込んでいます。足音、足元の、蟻さんや、ダンゴムシさん達、も、私…達と、変わらない命が在ります。命を、簡単に、奪ってよい、はずがありません。自分が、されて嫌な事は、してはいけません。自然は、母であり、友なのです。」
B 「もしもし」
A 「すいません。これもおかしいですか。でもこうやって自分の声を聴いていないとおかしくなりそうでダメです。」
B 「ご安心を、自分の声に夢中なのは自分だけではありません。」
A 「みんなおかしいんですね?」
B 「そうです。絶対的な正しさは常に正しくない。」
A 「お願いします。私を鑑定して下さい。」
B 「鑑定ですか、あなたを私が計れと言うのですね?」
A 「そうです。」
B 「さぁー予想額は」
A 「そうです。違いを見たいのです。私とあなたの違いをね、私があなたよりどれくらい優れていて、これまでの人生をどれくらいあなたより上手く処理出来たか、又はこれからの人生をどれくらいあなたより上手く処理できるか。幸福度で評価して下さいよ?そうしないと自慢になりません。」
B 「分かりました。結果を申し上げましょうか。」
A 「はい、どうぞ?」
B 「私とあなたの違いは、私があなたの事を知らないってことでした。」
A 「もう言わないままお願いします。」
B 「もしもし」
A 「はい、私は、あなたのことを案外結局知っていたし、私かあなたがどれくらい…より多く寝ていないか。とか、私かあなたがどれくらい…より弱いか。そんなことは!同でも良くって実は。本当に?気にしていた本気で気にしていた、ことはもっと外にあるべきです。はい」
B 「私たちはここを出ていこうとしたり、壁に穴を開けようとしたりした。自分にしか見えない、存在しても居ない事を、くだくだ言葉で表現しようとしたりもした。そして自分の声や誰かの声を頼りにしようとした。そして結果的にすべての事をあっさりと諦めて、振り出しに戻った。」
A 「私たちが、私たちのアナグラから出る事が出来るかどうか、ではない、アナグラから出てはいけない。私たちは閉じ込められていない。もし、このアナグラを出てしまう時。右手が壁を失う。壁が右手を失う。私やあなた達が、私やあなた達を、失うことになります。、失うことを恐れて!いつか失うものを今失う必要はない!」
B 「そうです同じことです。右手で左手に触れる事で、右手があることを確かめる。瞼を閉じる事で、眼球があることを確かめる。身体が揺れる事で、心臓が動いている事を確かめる。そういったことをする事で、精神が動いている事を確かめる。」
B 「確かですか。」

心配な静寂の後、結末
どちらか。
A 結末・・・最初に戻って読む。
そしてここまで読み進める。
もし怖い場合は、好きなだけ結末Aを選び続ける。

B 結末・・・別の言葉を発語する
目を閉じて息を止める沈黙。
深層に意識が沈んでいけないことを意識する。
堪えた空気を求めて肺が動く
息を吐く
また息を吸う
息を吐く
そして何か声を発する。
細く、止めない、アナグラに響く声、




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