ありがとう高橋

新たな捉え方を模索することが目標です。完全な基盤は存在しなくなっています。 演劇、美術…

ありがとう高橋

新たな捉え方を模索することが目標です。完全な基盤は存在しなくなっています。 演劇、美術、都市とヒト

マガジン

  • 対演劇

    演劇に関係するものをまとめています。

  • アトナンカのもの

    アトナンカなのかありがとう高橋なのか私なのか分かりませんが、今までのテキストとそれを作ることに関しての記事をまとめています。

記事一覧

どうしてわたしの学祭の感想はメディウム観に依拠しがちなんだ

 大学を卒業してから二年経ち、再訪すればどうしても先輩面してしまう状況になってきた。ただ先輩面が叩き割れる余地として特定(サークル)の場(展示)でのみ文章(感想…

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【期間限定公開】Re:ポスト・風景論

2024/6/28-30 i wanna be you 10:00~17:00 Exhibition&Shop Re:ポスト・風景論 エキシビジョン&ショップ この度はここまで来ていただきありがとうございます…

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まだ見ぬ輪郭派の核心は様式化ではなく、輪郭とそれ以外のコントラストが重要になる。輪郭派は印刷やシルクスクリーン、液晶画面といった無数の色(グラデーション)を不得意とするメディアに適応し、複製増殖する。

2023年

24年を迎えてから始める2023年の振り返りです。 今年のリリースに限らず個人的なムーブメントを含めております。 2023の音 cero 「 e o 」 RHYMESTAR 「Open The Windo…

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はちみつ「動物倉庫」

はちみつ第二回公演「動物倉庫」2023.12.7-10. MURIWUI 原案 大江健三郎 作・演出 高山遥 出演 磯部香月 岡田隆成 三浦拓真 (あいうえお順) 演出助手 宮崎柊太 …

去年NOPE見てたな

※2022年の9月26日にただ個人的に書いていたテキストをそのまま掲載 「NOPE」 2022年、アメリカ、UNIVERSAL、131分、脚本監督Jordan Peele、配給東宝東和「ゲットアウト」…

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展示がおわったよー

これ用の原稿を二か月近くこねていたが全てが終わってしまった。展示のキャプションに書くつもりで始まっておきながら、結局どうにも納得がいかず出すべきタイミングの最後…

とけだしている

もうすぐ6月になる。6月というと今年の半分が過ぎた的な文脈で重宝される月でもある。時は流れていてそろそろ何かの郷愁や感傷が沸き起こっても良い季節。人生はちょっと…

桜の木を切る

 カーテンから漏れた夕方の光の中で部屋の明かりをつけた途端、涼乃さんが「自治会出なくてもよかったかも」と言った。都心から少し離れた住宅街に引っ越してきて初めて自…

【初心者カルチャーログ】ディズニーシー

はじめに先日、ディズニーシーに行ってきた。今回はそのレポートをする。だが、安定したエンジョイ系の記事ではないのを念押ししたい。許されない語り口になっている可能性…

22年の11月に大学を出たら何が目下の課題となるかについて「観客やフィールド」と言ったが、その通り過ぎて困ってきた。

稽古場アレルギーについて 一部の演劇のマッチョさに対して引く

 私が演劇に触れだしたのは高校から。ただ約7年ほどの間に演劇の稽古場が嫌になってしまいました。“稽古場アレルギー”と呼んでいる嫌さについて共感が得られるかどうか…

20年代の変異と今後への緊張

2010年代の空気は2020年には変化してしまう  当然の変化ではある、クロコップがKOCで遊戯王に影響を受けたコントをしたり、真空ジェシカがハンターハンターの「…

2022

ちなみに2022年に一番多く読まれた記事は2021年の振り返りだった。 なんでだよ。また出来事を振り返る。 2022年の音 tofubeats 「REFLECTION」 このアルバムは良かった。…

テキスト2022.04.12

 ◆「この展示」の物語観  私は物語をあらゆるところに発生するものと捉えたい。映画やアニメ、演じる事の関わらぬ場所でも、画面と観客、話し手と聞き手といった構図が…

セーブポイント

説明じみたことをしないために説明書を製品より先にリリースするようなことをしておこうかと思う。制作をする人間として、道が見えない不可能感の時期は必ず訪れる。スラン…

どうしてわたしの学祭の感想はメディウム観に依拠しがちなんだ

どうしてわたしの学祭の感想はメディウム観に依拠しがちなんだ

 大学を卒業してから二年経ち、再訪すればどうしても先輩面してしまう状況になってきた。ただ先輩面が叩き割れる余地として特定(サークル)の場(展示)でのみ文章(感想)を残すようにしてきた。

「できるだけ全ての展示作に書きたいとは思っているが書けていないからもう叩き割れている」

 感想文化はクリエイティブ時代に残された批評の子孫だ。いいねやリツイートという定量化された指標が用意されている中で、(文字

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【期間限定公開】Re:ポスト・風景論

【期間限定公開】Re:ポスト・風景論

2024/6/28-30
i wanna be you
10:00~17:00

Exhibition&Shop
Re:ポスト・風景論

エキシビジョン&ショップ
この度はここまで来ていただきありがとうございます。初夏近いころ、都心が遠い、川近い所で、ささやかなイベントとして「Re:ポスト・風景論」を行うことにします。しました。多摩川も見ていって下さい。本イベントはテキスト・作品・販売で出来ており

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まだ見ぬ輪郭派の核心は様式化ではなく、輪郭とそれ以外のコントラストが重要になる。輪郭派は印刷やシルクスクリーン、液晶画面といった無数の色(グラデーション)を不得意とするメディアに適応し、複製増殖する。

2023年

2023年

24年を迎えてから始める2023年の振り返りです。
今年のリリースに限らず個人的なムーブメントを含めております。

2023の音

cero 「 e o 」
RHYMESTAR 「Open The Window」
MONO NO AWARE 「風の向きが変わって」
tofubeats 「自由」
ラランドの声溜めラジオ

2023のテレビ・配信番組

ララチューン
トゲトゲTV
有吉弘行の脱法TV

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はちみつ「動物倉庫」

はちみつ第二回公演「動物倉庫」2023.12.7-10. MURIWUI
原案 大江健三郎
作・演出 高山遥
出演 磯部香月 岡田隆成 三浦拓真 (あいうえお順)
演出助手 宮崎柊太
照明 篠崎大樹
音響 薮田顕都
制作 大野創
当日運営 大村琴音
宣伝美術 飯塚琴音

※観劇日2023.12.8
どうにも大江健三郎の『動物倉庫』を読まぬうちには、はちみつの上演について書けないと思ってしまうのは、

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去年NOPE見てたな

去年NOPE見てたな

※2022年の9月26日にただ個人的に書いていたテキストをそのまま掲載

「NOPE」
2022年、アメリカ、UNIVERSAL、131分、脚本監督Jordan Peele、配給東宝東和「ゲットアウト」で大きな衝撃をもたらしたジョーダンピールの監督作「NOPE」は、やや散漫だが意欲作だった。

 ロサンゼルスの山あいで撮影馬の牧場を営むヘイウッド家の長男OJとその妹エメラルドは、父オーティスの不可

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展示がおわったよー

展示がおわったよー

これ用の原稿を二か月近くこねていたが全てが終わってしまった。展示のキャプションに書くつもりで始まっておきながら、結局どうにも納得がいかず出すべきタイミングの最後になった。展示の全てが完了している。作品と文章の関係はまだ全然落ち着き処が分からないままで、ステートメント(展示に際して)を書くより難しい。実際は、キャプションのところに作品自体の説明を書くに留めたが日常と少しの非日常という展示タイトル(で

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とけだしている

とけだしている

もうすぐ6月になる。6月というと今年の半分が過ぎた的な文脈で重宝される月でもある。時は流れていてそろそろ何かの郷愁や感傷が沸き起こっても良い季節。人生はちょっとよくわからない。何も遠くの予測ができない状態はずっと変わらないが、何か大きな変化は大抵2週間で起こってしまう。

先の事は全然分からないけど、あと十年は生きていたいのは10年やったら何かまた変わっていると誰かが言うからだろうか。それが何かの

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桜の木を切る

桜の木を切る

 カーテンから漏れた夕方の光の中で部屋の明かりをつけた途端、涼乃さんが「自治会出なくてもよかったかも」と言った。都心から少し離れた住宅街に引っ越してきて初めて自治会に出てみたのがついさっきの事である。 「そんなに期待も無かったけど…………ね。」と返してはみたが確かに自治会はつまらなかったし、変だった。

数分前

 自治会長が「桜の木の枝が張り出していて困っているんです。」という話を始めたのは「土

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【初心者カルチャーログ】ディズニーシー

【初心者カルチャーログ】ディズニーシー

はじめに先日、ディズニーシーに行ってきた。今回はそのレポートをする。だが、安定したエンジョイ系の記事ではないのを念押ししたい。許されない語り口になっている可能性もある。しかし、慣れてしまっては取り戻せない感覚を記録する、旅人の見聞録的な位置としてこれを書く。でも多分大丈夫だと信じたい。楽しかったわけだから。

ーディズニーシー行きに誘ってくれた各位に感謝。ー

入国

ディズニーリゾートラインから

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22年の11月に大学を出たら何が目下の課題となるかについて「観客やフィールド」と言ったが、その通り過ぎて困ってきた。

稽古場アレルギーについて 一部の演劇のマッチョさに対して引く

稽古場アレルギーについて 一部の演劇のマッチョさに対して引く

 私が演劇に触れだしたのは高校から。ただ約7年ほどの間に演劇の稽古場が嫌になってしまいました。“稽古場アレルギー”と呼んでいる嫌さについて共感が得られるかどうか分からないですが、遺しておきたいと思います。

 稽古場アレルギーは大学の2年の頃に自覚し、名付けた、精神的な不快感のことであり、それの言い換えを目論むのが本文です。稽古場アレルギーの諸感覚を箇条書きにしておきます。

・稽古場から出ると、

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20年代の変異と今後への緊張

20年代の変異と今後への緊張

2010年代の空気は2020年には変化してしまう

 当然の変化ではある、クロコップがKOCで遊戯王に影響を受けたコントをしたり、真空ジェシカがハンターハンターの「俺でなきゃ見逃しちゃうね」を言ったりした。こういったことが案外大きな変化として響いた。
ネットやTwitterに触れていることが空気として共有されるのが20年代なんだなと。でも実はこれ以上に「来た」事がある。

 私の父はTwitter

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2022

2022

ちなみに2022年に一番多く読まれた記事は2021年の振り返りだった。
なんでだよ。また出来事を振り返る。

2022年の音
tofubeats 「REFLECTION」
このアルバムは良かった。

サカナクション 「アダプト」
溜めてた新曲がふきだした

Xiangyu 「きき」
いい。

Radiohead 「Kid A」

D.A.N. 「NO MOON」

Dos monos 「Dos S

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テキスト2022.04.12

 ◆「この展示」の物語観
 私は物語をあらゆるところに発生するものと捉えたい。映画やアニメ、演じる事の関わらぬ場所でも、画面と観客、話し手と聞き手といった構図が形成された、普段とは区切られた感覚に存在すると。普段とは区切られた感覚は、人の在り方の違いにある。その感覚を受け取ろうとする、観客の態度を取り始めた私たちに物語の受容が始まる。私たちは物語の受容を目的にしていく。私たちは物語に集中する。その

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セーブポイント

説明じみたことをしないために説明書を製品より先にリリースするようなことをしておこうかと思う。制作をする人間として、道が見えない不可能感の時期は必ず訪れる。スランプと言うのかもしれないが、もっと単純に言えば「私が作るべき作品などない」という状態に近い。何かを作ることはできてもそれを作ることに何の必然性も鋭さも感じない。演劇の上演や絵を描くことはかなり虚無の領域になっている。作った作品を「消費」すると

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