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夜明け。(みにみにものがたり36)



世の中は、知らないことばかりだ。


誰かにきいても、
いくら調べても、
分からないことばかり。


いつの間にか
誰かにたずねることもしなくなり、
ただ黙り込むようになった。


くらくらする闇夜を
ぐるぐると過ごし、

ひたすら、
ひたすらに
時が過ぎるのを待っていた。



光があることを知っているのに、
それを見たくない僕がいた。
光の、
その輝きが眩しくて、
溶けて消えてしまいそうな気がして。



長い間うずくまっていたから、
身体の動かし方も忘れかけていた時、


…″何を怖がっているの?″
…″大丈夫、そっちを見て″
…″あなたが目指す方へ″

 

どこからともなく囁く声がした。




少しずつ、
顔をあげ、

少しずつ、
目を開き、

少しずつ、
光を感じて、


今、
立ち上がってもいいのかもしれない。




おしまい。


p.s.
なんとなく『明けない夜はない』の言葉がが浮かぶ、曇り空の今日。
脳内はこちらの曲が流れる。



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じゅんこ
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