超絶倫人ベラボーマン
この漫画について
今回投稿するのは、バンダイナムコ運営のかつて存在したアメコミサイト「ShiftyLook(シフティルック)」にて掲載されたありが作画のベラボーマン漫画です。
現在、ベラボーマンはハムスターさんからアーケードアーカイブスが配信されています(switch、PS4)
ShiftyLookのこと
元々、ShiftyLookでは往年のナムコゲームの漫画が多く連載され海外版ベラボーマンである「BRAVOMAN(ブラボーマン)」(脚本 Matt Moylanさん作画 Dax Gordineさん)が連載されており、アニメ化もされています。(現在は残念ですが公式からは配信終了…)
私は「風のクロノア」の漫画を連載していました(脚本 Jim Zubさん)。ShiftyLookは当時休眠していたナムコゲームのIPを活用、新しい息吹を入れるプロジェクトだったと理解しています。
スタイルとしては毎日アメコミ1P更新で、曜日ごとにいろんなタイトルの漫画が更新されていました。一回の更新が1Pだったのは当時の通信状況的に一回に十数枚のカラー漫画(アメコミなので基本的にフルカラー)を読み込むのがヘビーだったのか、毎日一回でもアクセスしてもらって何かしら更新を楽しんでもらう為だったか、或いは当時の携帯で読む場合の通信のことを考えていたのかもしれませんが、プロジェクトが閉じた今となっては確認できません。
私にしても時間がだいぶ経ってしまったので、思い込みや記憶違いもあるかもしれないです。
ありが版ベラボーマン漫画誕生秘話「ベラボー参上!」
そんなShiftyLookはプロモの一環でたまに海外イベントに出展していて私もライブドローイングなどで駆り出されていたのですが、そんな折にスタッフの皆さんと顔を合わた時に
「自分もベラボーマンが描きたい描きたい描きたい~!」
と騒いでいたら担当の方がこの漫画を描く機会をくれました。
そしてついに実現したこのベラボーマンの漫画の脚本はBRAVOMANと同じくMatt Moylanさんが担当されています。
Mattさんには「自分は原作となったアーケード版ベラボーマンが描きたい…ナカムラとミョウジマの二人の話が描きたい!」と伝え(BRAVOMANはPCエンジン版の移植なのでブラックベラボーの正体が違う…アメコミ版は更に違ってたかも)
「アーケード原作のベラボーマンにはこういう設定があります!」と当時の書籍からスキャンしたベラボーマンの怪人図鑑を送ったり、ブラックベラボーが何者でどんなセリフを言ってるか(4コマ漫画に出てたりサウンドドラマでちょびっと出番があったり)とか、いろいろお伝えしてそれを見事に応えてもらった構成になっており、描いてて嬉しかったです。
今、書きながらひとつ思い出したのが作中におでんの屋台が出てくるのですが、ニシさんが「コロッケそば」とか言ってますね…
たぶん、私のほうでアーケード版ベラボーマンについてMattさんに「こういう隠しメッセージがゲーム中に沢山あります!」とか送ってたような…気がします。
思い出したらなんとなく申し訳ない気になってきました…ありがとうMattさん…
このベラボーマン集合絵もShiftyLook用に描きました。
「サイト用にベラボーマンの絵をなんか一枚ください」
くらいの温度感での依頼だったと思うのですが、毎日ゲーセンに通って遊んでいた当時を思い出しながら、ここぞとばかりにベラボーマンに対するいろんな想いをぶち込んでいます。
ベラボーマン企画者である中潟憲雄さんに絵を渡せたこと
そしてそこから数年後にこの絵は超絶倫人ベラボーマン という素晴らしい企画を立ち上げ、今でも口ずさみたくなる名曲を作曲された中潟憲雄さんにお会いできたときにお渡ししたのですが、なんというか数年越しの熱烈なラブレターを渡すような気恥ずかしさがありつつ、とても喜んでいただけたのでこの絵を渡すことができて良かった~~~って思いました。
そして先日、ベラボーマン移植版であるアーケードアーカイブス公式生放送も配信されたのですが ↓
ハムスター公式アーケードアーカイバー超絶倫人ベラボーマンスペシャル
この配信では中潟さんと杉浦俊朗さん(海底面グラフィック、源平プロ制作のベラボーマン漫画、特筆としてはなんとロックマン5のボスキャラ公募でチャージマンが採用されてたり)がゲスト出演されており、はじめて聞く開発当時の裏話が遠慮なく飛び出すとんでもない特番でした。
※ありがも恥ずかしながらお祝いムービーを送らせていただきました!
自分のPN「ありがひとし」の由来
上記集合絵が掲載されたShiftyLookのインタビューページでも応えてるのですが、私のペンネーム「ありがひとし」の「ひとし」は、ベラボーマン主人公である「中村等」からいただいています。
元々は人からありがとうと感謝されても恥ずかしくない仕事をしていきたいと思いこの名を名乗ることにしたのですが、初期ペンネームが「有賀等」なのは漢字までまんまだったわけで…字面が重いので後に開きました。
(現在は全部ひらがなです)
ナカムラのかっこよさ 家族と仕事と正義の為に戦う男
コミカルな面が注目されるベラボーマンですが(実際、それがこのゲームの売りのひとつ)、愉快でコミカルな戦いであっても、父親でありサラリーマンをしながら正義の味方ベラボーマンとして戦う中村のことを私は凄いかっこいいと思っています。彼が守っているものは、重くて尊い。
これは「かっこよさってなんだろう」という問に対して自分の中にある答えの一つで、中潟さんにお会いした時にベラボーマンの面白さの中にあるかっこよさについていろいろと思うところを伝えたところ、中潟さんからは「そう言ってくれるのはありがくんくらいだよ」とおっしゃられました。
きっと同じように中村(ベラボーマン)を面白いだけじゃなくてかっこいい部分もある、と思っているファンは沢山いると思います。
ちょっと抜けてるような印象のお父さんだけど、決めるところは決める。最高じゃないですか。
ナムカプのベラボーマンはセリフも仕事のできる大人っぽくかっこよく解釈されていて好きな方も多いと思います。設定的に仕事をしながら悪と戦う妻子持ちサラリーマンってのが人間臭く、それでいてかっこいいのだと私は思っています!
元ネタに気づく「そういうことだったのか!」
年齢が上がり見分も広がり、中村等の名は当時のナムコ社長の中村雅哉さんから苗字をいただいたものであったり、等はスーダラ節の植木等さんからかな…とだいぶわかるようになりました。
昭和でサラリーマンで植木等、は気づいたときにベラボーマンが昭和30年代をモチーフにしたサラリーマンヒーローであることから「そういうことかー!」とすごい納得したのですが、実際のところどうなんでしょうね…次に中潟さんに訊ける機会があったら訊いてみたいです。
おしまい
今回はこんなところで。
いかがでしたでしょうか?
次回また、お会いできたら嬉しいです。
お付き合いありがとうございました!
次は何を書こうかしら…