爆烈乱闘篇 その2「操作と仕様を考える」SFCらんま1/2開発の思い出
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操作やルールを考える
できるだけ楽しく、いい感じで遊んでもらいたい。
でもただ簡単なだけじゃなくゲームとして楽しいものにしたいし、原作同様にキャラが向かい合った時のワクワク感や緊張感、ゲームとして遊んだ時に間合いや駆け引きも楽しめるようにしたい。
以下に記す指針や操作系はプログラマーの克さんと絵描きの私、ふたりの話し合いで詰めていったもの。
■キャラ選定
前作の町内激闘篇ではストーリーモードで使用できるキャラが乱馬(男)と、らんま(女)のみだったが今作はストーリーでも登場キャラ全てを操作できるようにする。キャラゲーとしても前作よりもパワーアップした感を
各キャラの選定理由は個別紹介の時に改めてキャラ毎に記します。
面子を変えて画面の新しさを出したいという狙いと、前作も絶販ではなく引き続き販売されていたので九能一家は町内激闘を遊ぶうまみということで今回はお休み。
■ボタン配置
前作はパンチとキックだったが、今作においてパンチとキックの意味は?上から繰り出す攻撃と下から繰り出す攻撃の差?
キャラによっては武器が主体になるのでパンチボタン&キックボタンと決め込んで作っていくと違和感があるかもしれない(右京の巨大ヘラとかムースの暗器攻撃とか…五寸釘やキングは能動的にキックするのか?パンスト太郎変身後は?)
打ち合わせしながら決まったのは隙が無く小威力の「小攻撃」と、隙があるけど大威力「大攻撃」のふたつに絞る。
これなら武器使いのキャラの攻撃ボタンとしてもしっくりくるはず。
それと初心者だけじゃなく上級者も楽しんで遊んでもらいたいのでキーコンフィグ(※)で任意の複数ボタンに大と小を好きなように割り振れるように。
この大小ボタンふたつの組み合わせで必殺技も出るようにする。
町内でもあった「必殺技ボタン」(ボタン一発で必殺技が出る)は無くなるが、必殺技の操作は初心者でも出しやすく覚えれるよう単純に。
・ボタン連打ワザ…ガチャプレイしてる人でも出しやすい
・ボタン同時押しワザ…ふたつ同時に押すことで通常より強ワザっぽく感じさせる
・ボタン溜めワザ…長押しから解放、R-TYPEの波動砲などのイメージ。小も大もそれぞれ個別に溜めれる
この操作を全キャラ共通にして、覚えれば全キャラ遊べるようになるだろうという狙い。
※キーコンフィグはこのゲームの操作を考えていく上で非常に大きい要素で、デフォルトは前作を踏襲してジャンプやガードもそれぞれ基本ボタン内に割り振られているが、ある程度格闘ゲームを遊び慣れてる人向けにキーコンで十字キーにストⅡに近い操作も(ジャンプを上、ガードをうしろ等)任意でカスタマイズ設定できるように。
副産物として大小攻撃もキーコンで設定できるので、複数個所に大、小の攻撃を配置することもできるようになり、上級者向け操作として攻撃しながらタメることが可能になった。
・投げ…双方の間合いが近くなった時のアクション。小攻撃と大攻撃があるので、それぞれのボタンに対応して小投げと大投げを用意する。
原作を考えると投げられても乱馬達は空中で態勢を整えてそのまま着地しそうなので、投げられた際にボタン連打で着地ができるように。
小投げは威力が低いが飛距離が短く連打着地のタイミングがシビア。大投げは威力が高いが飛距離があるので着地しやすくなる。
あと扱うボタンを増やさず動作を増やすアイデアとして
・方向キー入力ワザ…入力時にリーチを伸ばす
・2段ジャンプ…町内激闘篇にもあった女らんまとシャンプー専用動作。らんまは格闘ゲームでありつつキャラクターアクションゲームなので、爽快感のあるこの操作は残したかった。
■ガード
ガードは上下にせず、一種類だけに。
前作の町内激闘でも採用している上下ガードはアーバンチャンピオン(1984年)やイーアルカンフー(1985年)の時代から戦略や攻略に関わった遊びでした。
でもメサイヤでストⅡを遊んでる人たちを後ろで見てて、初心者がコツを掴む前に上級者から上下やめくりでガード方向を揺さぶられまくって負け続けて面白さがわかる前に嫌になって辞めてく人が結構いるのが引っ掛かっていて、ゲームとしての面白さがわかる前に辞められるのがなんとも残念に思っていました。
操作方法もよくわかってない初心者を上級者がボコすというのはゲームに限らずそこら中にあることですが、このゲーム(新作らんま格闘)を遊ぶ人にはガードというものを「相手から飛んでくる攻撃をかわす遊び」として、もう少し気軽な操作を意識してもらいたかったんです。
今作は気軽に防御できるけどガードをしたままでは勝てないということを遊んでるうちに分かるようにガード態勢のままだと通常攻撃であってもじわじわと体力が削れていくようにしています。ガードしつつ相手の隙を見極めて積極的に反撃のタイミングを狙ってほしかった。
あとストⅡにおける春麗やガイルの投げハメがどうも観ていてしんどかったので(メサイヤの上級者がこれまた初心者~中級者に対して投げハメを積極的に狙ってくんですよね…)爆烈はガード中や双方同時打ちの時の反動を大きめにして、なるべく間合いの仕切りなおしがおきるように考えていたと思います。
そんな感じでゲーム仕様を詰めつつそこからこぼれる案が出てくるわけですが(上でも書いてますがガード回りはどうするか相当話し合った上での没が多いです)、次回は没になり実装されなかった案を紹介します。
その3につづく。
▼爆烈を作ってた頃のランチタイムのお供▼
▼メサイヤ時代のお仕事▼
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