【日経MJ】有江ノイ的感想文2020年10月16日(金)
1面は
小売り コロナ再編幕開け
目覚めるホームセンター 企業乱立、転換の兆し
2020年、ホームセンター業界で再編が相次いでいる。新潟地盤のアークランドサカモトはLIXILビバを買収、DCMホールディングス(HD)は島忠の子会社化を決めた。背景には小売業界に訪れたデジタル化の波やコロナ禍があり、先行して再編が進んでいたドラッグストアや、食品スーパーの動きも加速しそうだ。多くの業態に足場を持つイオンは最近、目立った動きはないがコロナ後の一手が注目される。独自路線を貫くか、他社と手を組むか、経営者は決断を迫られる。
誌面に大きく年表形式で、ホームセンター、ドラッグストア、スーパーのM&Aを時系列で並べていますがスカスカした印象。おまけによく見ると西暦年が揃っておらず不要な画像が入っているので、本当に今、ホームセンター業界でM&Aが加速しているのかどうかまったくわかりづらい。
そして、仮にホームセンター業界のM&Aが加速しているとしてその背景をデジタル化とコロナ禍でまるっと収めるのはあまりにも短絡的というかステレオタイプというか。例えば大型の商品も多いので非接触の精算をするには大規模な投資が必要だからとか、ネット通販が成立しにくい業界だから実店舗での規模の経済が働いているからとか、もう少し仮説や推論があっても良さそうなものです。安易にDXとコロナにまとめてほしくないです。
2面は、
品田英雄のヒットの現象学) 映画「テネット」大ヒットの理由
謎解きと迫力の映像で魅了
ハリウッド映画「TENET テネット」が世界的に大ヒットしている。日本では9月18日に公開され、観客動員数は2週連続で第1位、3週目は2位になったものの、先週は再び首位に返り咲き、10月12日に興行収入20億円、観客動員124万人を突破した。米国では5週連続第1位、世界での興行収入は300億円を突破した(5日時点)。
時系列が難解とかいろいろなメディアで取り上げられていたので関心は持っていましたが、このレビューではCGではなくリアルな撮影にこだわった映像の美しさに言及しており、この点で関心から「観たい」という欲求に変わりました。こういう背中を一押しするようなレビューというのは本当にありがたいです。映画を観ないで書いているレビューが世の中には多すぎるからかもしれませんね。
5面は
キャンパーの要望、注文住宅で ユニバーサルホーム
大きめのガレージ・テント乾かす土間
(略)
多目的スポーツ車(SUV)などが入る大きめのガレージを付ける。リビングと直結し、車の荷室にキャンプ用具やバーベキューの食材をリビング側から積みやすく設計した。ガレージにはキャンプ道具を収納し、ランタンやマウンテンバイクを飾れる空間を設け、ガラス張りの間仕切りを通じてリビングから眺められるようにする。
若いうちは良いなあと思うのですが、こういう趣味を前面に押し出した家って趣味やライフスタイルが変化した時に重荷になりそうな気がします。会社みたいに一生同じ趣味という人は多いのですかね?ある日突然キャンプ道具を全部断捨離してしまって模型制作にどっぷり浸ってしまったらどうしようと思ったのですが、その時は1/1のSUVの模型でも飾ればいいか。お金があるならね。
同じく5面、
法人向け玩具サブスク トラーナ、保育園などに
定額制の玩具レンタルサービスを手掛けるトラーナ(東京・中野)は、毎月12個の玩具を届ける法人向けプランを始めた。これまで個人向けを想定してサービスを提供してきたところ、保育園など子どもが多い施設から玩具の数や配達頻度を増やしてほしいと要望があったという。
(中略)
毎月12個の玩具を交換できるプランは往復の送料込みで月額税別7500円。隔月で12個を配達するプランも同税別6000円で用意した。
これを読んでいて思ったのですが、O157が流行した時に保育園で玩具を殺菌処理する業務が現場で負荷になっているという話が有りました。おそらくコロナ禍の現在も似た状況だと思うので、玩具を殺菌・抗菌処理するようなソリューションがオプションとしてあるとより多くのチャネルが得られるように思います。今、病院や公共施設の待合室から雑誌や絵本も撤去されているところが多いですが「殺菌した絵本」の法人集配なども需要があるのではないでしょうか?フレーベル館さんあたり考えてみてはどうでしょう?
6面は、
医師がクイズで医療知識学ぶ
メドピアは対戦型クイズ形式で医師が医療知識をアップデートできるスマートフォン向けアプリの配信を開始した。基礎医学や診療に役立つ情報などを早押しクイズで出題する。コンピューターと対戦して遊べ、今後はほかの医師と対戦できるようにする。利用料は無料。製薬会社などと連携し、販促の支援ツールとして提案していく。
これはお医者さんたちがスマホに向かって熱く戦う姿を考えると面白いというか無邪気というか。でもこういうので基礎医学の部分をアップデートしておくと、飛行機の中で「どなたかお医者様はいらっしゃいますか?」とアナウンスがあった時にすくっと立つ人が増えるかもしれませんね。期待したいです。
9面は、
デジタルデータを生前整理 日本PCサービス
消去や譲渡、事前に仕分け
パソコン修理大手の日本PCサービスは年内にも、パソコンに残された各種データを生前に整理する事業を始める。主力のパソコン保守サービスの利用者は過半が50代以上で、60代以上も3割を超える。シニア層の顧客が多いことから、パソコン内データの生前整理サービスにも一定の需要が見込めると判断した。
昔、お宝などといって集めた画像やら動画がテラバイト級になっている人は多いのだろうなあと思います。月額数百円程度でシンプルにさくっとローカルのデータを全削除してくれるようなサービスがあるといいですね。間違って消去したしまった時には1年間以内だったら復元可能にするというようなオプションがあったら契約する人は多いと思います。
12面は
キリン、新鮮ビールはペットボトルで
新サーバー実験 入れ替え短縮、取り付けも楽に
キリンビールは全国6県の飲食店で、金属製の樽(たる)の代わりにペットボトルを取り付けるドリンクサーバーの実証実験を11月16日に始める。サーバーに樽より軽い3リットル入りのペットボトルを直接入れることで、持ち運びや洗浄の負担が軽減するという。実験を通じて飲食店や訪問客の反応を検証し、2021年の全国展開を目指す。
本文を読むと、このコロナ禍の影響で飲食店の来店客数が減ったりして、7~10リットルの樽では鮮度が落ちてしまうので、3リットルのペットボトルにして鮮度の劣化を抑えようという目論見のようです。飲料メーカーもこの状況がかなり長期化すると考えているのでしょう。ただ樽は酒販店が回収していましたが、ペットボトルはそのまま捨てられるとのこと。もちろんペットボトルのリサイクル率が高いことを踏まえたもので、従来の洗浄に要した水資源のことを考え合わせると環境負荷は高くないのかもしれませんが、脱プラ化に動いている昨今、実際に試験導入されるといろいろな声が上がるのではないでしょうか?
13面は
ポッキー売上高 世界一 昨年620億円、ギネスに認定
江崎グリコは主力商品の「ポッキー」が2019年に世界で最も売れた「チョコレートコーティングされたビスケットブランド」としてギネス世界記録に認定されたと発表した。同社によれば、世界の推定売上高は5億8990万ドル(約620億円)。
何だかいろいろなギネスの発表が多すぎて、へー、そーなんだ、というような感想で終わってしまうところがちょっと悲しい。「チョココーティングされていないところがあり手が汚れないので」というような、売れている理由とか買う心理についてもランキングなどとともに分析があると記事として面白いのだけれど。
※引用文は、日経MJ2020年10月16日誌面からのものです。
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