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【日経MJ】有江ノイ的感想文2020年10月21日(水)

さて、今日も気になるトレンド、業界動向、新商品などをつまみ食い

1面は、
ビールメーカー各社トップのインタビューが掲載されていますが、どこも本当にキレ味の悪いコメントで何となくこりゃだめだっていう感じです。
関連業界の方は一応見ておいた方がよいとは思いますが、日経MJの後藤健さんのまとめが一番わかりやすい。

販売量より個性競え 市場規模、縮小止まらず
今回のインタビューで、各トップは長期的な戦略について言葉を濁した。コロナ禍という経験したことのない状況で将来の見通しについて慎重になっている。
だがビール会社に残された時間は多くない。少子高齢化に加えて、若者のアルコール離れも続いている。酒類の消費量の拡大は見込めない。
各社も手をこまぬいているわけではない。変革に向けた兆しが、インタビューから見えてきた。アサヒの塩沢社長は「稼ぐ力のない商品はやめていく」と断言。量を求めず、収益重視の姿勢を強調した。キリンの布施社長は「目先の販売の勝ち負けにこだわらない」と語り、ブランド育成を強化するという。
縮む市場のなかで、各社が販売量の多寡を競う時代は終わった。消費者は販売量トップという理由だけで商品をもはや選ばない。ビールの個性を競い合うことで市場が活性化し、新規のファン獲得にもつながる。

新製品投入と大規模キャンペーンで販売量を競う時代ではなくなったということのようですね。居酒屋等の低迷で業務用の消費が見通せなくなるとやはり定番商品で手堅くということのようです。長期育成型のブランディングでどれだけ自社のファンを増やすかということについて具体的にどのような施策を実行するのかに注目していきたいと思います。
ビール業界は大手広告代理店にとっても重要な業界、顧客なわけですから、おそらくこうした状況に適合したマーケティング理論なりモデルなりを構築することでしょう。年末に向けてのリアル、ネットでのプロモーションが従来からどのように変化するか、あるいは変化できないのか見極めたいと思います。

3面は、

ウィズコロナの富裕層ビジネス 寄付・つながり 関心高く
ニーズ即応、スピード必要

緊急事態宣言下の消費行動は富裕層も一般的な消費者と大きく変わらなかった。ラグジュアリーカードの会員の間では、「おうち時間」を楽しむための動画配信の無料視聴や、生産者支援のための割烹(かっぽう)店の食材お取り寄せといった会員向け特典に人気が集まったという。
6月、7月になると富裕層消費は復調。「関東・関西では過去最高水準の利用額となった。行動が抑制された反動で、購買意欲が増幅しているように感じる」(岩瀬氏)
カードの利用先としては飲食や国内旅行、小売店舗で増えているという。公共交通機関の利用を避け、カード特典のリムジン送迎を利用し、高級レストランの個室で会食、といった利用が見られるそうだ。
寄付関連もカード利用で顕著だった。4月は1月比で2倍弱の伸び。日本の富裕層も欧米の富裕層のように寄付への関心が高まっているといわれているが、それを裏付ける結果となった。

やはり富裕層ともなると、生産者の人たちは大丈夫だろうか?飲食店やホテルの人たちは大丈夫だろうか、貧しい人たちはより貧しくならないだろうか?と気持ちにも懐にも余裕があるようです。
もっと気持ちよくもっと気前よく消費してもらうための施策が必要なのでしょう。すべてのGoTo施策に言えることですが、結局はお金を持っている人はたくさん使ってくださいね、ということで貧乏な庶民が損しようが不公平だと言おうがそもそもどうでもよいということなのでしょう。でもこれからGoToワクチン!などといってお金をたくさん払ってくれたらワクチン打ちますよ、というような制度でも無理矢理作られて、富裕層だけが生き残るようなかたちにはなってほしくないなあ。なりそうだけれど。

4面は、

イオンモール、新常態の店作り
埼玉・上尾に12月開業 車で受け取り/飲食店は宅配も
(中略)
一方で、コロナ下でのモールの新たな姿も提案しようとする。消費者の間では新型コロナで外食を減らし、家庭で食事をする人が増えている。そのため飲食テナントでは「出前館」のネット出前サービスを使ったデリバリーや、予約サイト「EPARK」からのテークアウトに対応する。
核テナントのイオンスタイルではコロナ下で利用が増えるネットスーパーに関連し、入店せずにドライブスルーで商品を受け取れる専用レーンや専用ロッカーを設ける。
また施設内の広場を囲むように書店とペットショップ、自動車販売店を配置する。全国のイオンモールで初の試みとなる「パーク オブ テーブルス」と呼ぶ場所で来館者が新たなライフスタイルを発見できるようにする。

Withコロナのイオンの打ち手が見えてきました。
なるほどスマホで商品を買ってドライブスルーで商品を受け取るという仕組みは、ネットスーパーに特化したバックヤードから分岐する形での展開は可能ですよね。滞留させないようにするために何レーンくらい作るのでしょう。施設内広場を囲む形でのモールは「密」にならないような工夫なのでしょうが、雪国の北海道とかではどうするのかな?吹きさらしにならないような「半屋外」的な設計にするのでしょうか?とても気になります。
いろいろ気になりますが小売り流通での一つのモデルを示したという点で評価したいです。何しろ前例のない中での打ち手なのですから。
「とりあえず行ってから考えよう」という需要を見込んだこの新店舗。一つリクエストしたいのは店舗の混み具合をスマホでチェックできるようにして欲しいな。クルマを駐車してからげっ混んでいる!ドライブスルーにしておけば良かったなんてがっかり感が強すぎるもの。

5面は新製品

(注目の一品) シャインの「除菌BOX JOYKING(ジョイキング)」
除菌できるおもちゃ箱
子どもが毎日のようにさわって遊ぶおもちゃの衛生状態が心配、という保護者の声に応えた。一辺が30センチの立方体の箱(材質はポリ塩化ビニール)で、おもちゃをたっぷり収納できる容量。遊び終わったおもちゃを箱の中に入れ、蓋を閉めて蓋の中央部に除菌ユニットをセットする。
あとはユニットのボタンを押すだけで、紫外線(UV)とオゾンによるダブル除菌が始まる。60分経過すると除菌が完了し、緑色のライトが消灯。手間いらずでいつでも清潔な状態のおもちゃで遊ぶことができる。税別6980円。国内の玩具店のほか、ECサイトでも販売中。

おおっこれは、先日、玩具のサブスクリプションという記事に関連してあったらよいなと思った「玩具の殺菌ソリューション」!
こういうのがサブスクリプションのオプションとしてレンタルであればよいなと思ったんですよね。これ記事にも書いてありますが、スマホ、エコバッグ、ぬいぐるみの除菌にも良いということなので、需要は多いのではないでしょうか?特にスマホや出先でのマスク殺菌などの用途におしゃれな小型のポータブルなデザインのものがあれば女子に爆売れしそうに思います。

7面は

ファストリ、郊外店舗を大型化 既存店250店を順次刷新へ
ファーストリテイリングは、地方・郊外店の大型化を進める。ユニクロの国内既存店のうち全体のおよそ3分の1にあたる約250店を対象に、スクラップ・アンド・ビルドを順次進める方針だ。現在の標準店の面積は約830平方メートルが基準だが、5割以上広い大型店(約1300平方メートル以上)への切り替えを進める。品ぞろえを拡充して、各店舗の情報発信力を強化する狙いがある。
(中略)
コロナ下で電子商取引(EC)が拡大し、実店舗はその役割を問われている。柳井正会長は「郊外を含めて、もっと立地創造できる」と語り、大型店を含めた国内店舗網の刷新に意欲を示す。

ユニクロも打ち手が見えてきました。
店舗を大型化することにより、品揃えを充実させてリアルからネットへの送客、購買動機を高めるという狙いもあるでしょうし、通路を幅広くすることにより「密」を気にせずゆったり買い物を楽しめるような意図もありそうです。リアル(店舗)とネット、双方での顧客の満足度を高める戦略がどのように展開されるか注目です。

八海醸造、化粧品ブランド立ち上げ
【新潟】八海醸造(新潟県南魚沼市)は醸造技術を活用した化粧品ブランドを立ち上げた。第1弾としてコメの栄養素と天然の雪解け水で作った3種類のフェースマスクを発売する。麹(こうじ)や酒かすエキスなどを配合し、保湿力に優れるという。ブランド名は「reint(れいんと)」。魚沼の方言で「ゆっくり」「自然に」という意味を持つ。コメ、麹、発酵をテーマにした3種類のフェースマスクを、公式オンラインショップや東京などにあるアンテナ店「千年こうじや」で扱う。価格は1枚税別250円から1000円まで。

オーガニックコスメが注目されていますから需要はありそうです。ブランド名もぱっと見のしゃれた印象と地元の方言というミックスが絶妙ですね。
酒造メーカーに限らず、飲料や乳業メーカーもブランド力やパートナー次第ではこういう商品開発は可能だと思います。苦しい時だからこそ3年後、5年後の市場を見据えてリソースを投入して欲しいです。

※引用文は、日経MJ2020年10月21日誌面からのものです。

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