【日経MJ】有江ノイ的感想文2020年11月11日(水)
さて、今日も気になるトレンド、業界動向、新商品などをつまみ食い!
1面は、
「仕事着」は もう買わない
私服と兼用、気軽に/枚数減り、高め1着 買うなら「近場・ネット」
(中略)
通勤・勤務時のコーディネートも変わった。これまでは取引先と会うことも多く、黒か紺のジャケットにパンツ、パンプスというスタイルだった。しかし、コロナ後はカーディガンで出勤するなどカジュアル化。「プライベートで出かける時と同じになった。
人材情報管理サービスカオナビの「カオナビHRテクノロジー総研」調査によると、8月時点で23.2%の人が「リモートワーク」(出社との併用含む)をしている。通勤電車も以前ほど混んではいない。
通勤が減れば、オフィス着として必要となる枚数も減り、購入頻度も下がる。服のスタイルが変われば、買うブランド、買い場所も変わる。
(中略)
服のトレンドにも変化が。東京都渋谷区の企業に勤める風間玲さん(28)は「トレンド色の強いブランドだと来年以降は着られないかもしれないので、定番アイテムを買うようになった」。以前は輸入もののほか、「スナイデル」「ZARA」「ユニクロ」「フレイアイディー」などのブランドを買っていた。しかし現在は輸入ものと「ユニクロ」「ジーユー」だ。
「カジュアル化」と「定番化」が進んでいるようですね。確かによほど重要な客先でのプレゼンとか商談でもない限りは、ゆったりとした着心地の服の方が動きやすくてよいのではないかと思います。カーディガンのような柔らかなラインの服の方が親しみが合ってよい場面も多いのではないでしょうか?もともとスーツの起源は軍服や戦闘服だったりするわけで、襟や袖口などにその名残りが残っています。そういう意味では、顧客のタイプにもよるかもしれませんが威圧的に、あるいは防御的に見えてしまうかもしれません。ハレの場がなくてストレスや不完全燃焼も多いこの頃ですが、フランクな関係を作れそうなカジュアル・ファッションを楽しむ場としてみてはいかがでしょうか。
5面は、
イオン、セール期間2倍 「ブラックフライデー」10日間来店客の「密」回避狙い ライブコマース初実施
イオングループは米国発祥の大型セール「ブラックフライデー」を20~29日に開く。来店客の「密」を防ぐため期間を昨年の倍にするほか、イオンモールではセールに先駆ける形でネットでの生配信「ライブコマース」も初めて実施する。新型コロナウイルス下で混雑を避けながら消費意欲を喚起する。
イオンのブラックフライデーは今年で5年目。イオンモールは全国の140施設で実施する。セールに先行して11~13日にオンラインでも楽しめるライブコマースに取り組む。イオンモール幕張新都心(千葉市)の約30の専門店スタッフが参加し、各店舗が決まった日時に約30分間の映像を配信する。消費者はイオンモールのウェブサイトから配信を見て、気に入った商品をサイト上から購入できる。
今年はライブコマース元年ですね。プロモーションからクロージングまでサイトの導線がスムーズに購買に導くことができれば、結果を期待することができるのではないでしょうか?全体として思うような結果が出なかったとしても、成功・失敗の要因を分析できるのがWebマーケティングの強みです。成果に注目したいと思います。
6面は、
第38回サービス業調査 スポーツ施設、異業種連携に活路
(中略)
コナミスポーツは不動産大手のヒューリックやリソー教育と提携し、スポーツクラブや学習塾など子供の習い事などを1カ所に集めた施設の開業を進めている。習い事を掛け持ちする子供が増える中、保護者の送迎の手間を省く。
在宅勤務であっても通常の勤務であっても子供の習い事というのは結構制約条件になります。毎日送迎する都度、自分の体も鍛えることができるワンストップ化はありがたいと思う人は多いのではないでしょうか?保育園に併設とかでも良いですよね。高齢者のデイサービスの送迎のついでにフィットネスというのも有りだと思います。体力要りますからね、介護は。ユーザー目線で考える「ジョブ(しなければならないこと)のワン・ストップ化」の動きに注目しましょう。
アダストリア、「素敵な60代」演出
女性新ブランド「ウタオ」 着心地とファッション性両立
アダストリアが今秋に発売した60代女性向けの服の売れ行きが好調だ。仕入れた分をどれだけ売ったかを表す消化率が1週間で8割を超えた商品もあるという。若い女性向けの服はサイズが合わず、中高年向けは地味に見えて気に入らない。そんな同世代の女性の悩みを追求する。
今の60歳と言えば1960年生まれの「新人類」。20歳ぐらいの時にはコピーライター全盛の「おいしい生活」のまっただ中でハウスマヌカンがもてはやされた時代。甲田益也子に憧れながらan・anをめくっていた世代。とてもシニア・ファッションにまっすぐ手を伸ばす世代ではありません。そこのところを多分、うまく衝いているのでしょうね、この「ウタオ」。後でどういうテイストなのか見てみたいと思います。
15面は、
コープさっぽろ、宅配アプリを店舗でも活用 販促強化、チラシ閲覧・ポイント付与
コープさっぽろ(札幌市)は宅配の注文などができるアプリ「トドックアプリ」を刷新し、店舗での買い物にも利用できるようにした。アプリ登録者限定のキャンペーンなどで販促を強化する。今後は各組合員の購買行動に応じた機動的な販促策も投入し、販売の拡大や効率化を目指す。
組合員がアプリに登録すると、利用店舗のチラシを閲覧できるほか、店舗での買い物時にポイントを獲得できる。従来のアプリは宅配の注文などが主な機能だったが、刷新後は宅配と店舗の両方で利用できるようになった。
(中略)
アプリでの販促策を導入することで、各組合員の買い物の傾向に応じたキャンペーンを提供できるようになり、販促の効率化が期待できる。従来も組合員の情報に基づき、クーポンを送付するターゲットマーケティングを実施していたが、郵送では時間やコストがかかり、細かいターゲット分類や頻繁な販促はできなかった。
もともとコープさっぽろは宅配事業が利益を生んでおりネットスーパー的なマーケティングでは先駆者であり膨大なノウハウを蓄積してきたわけですが、そのノウハウ、商品分析力がリアルの店舗の方に活かされようとしている意味で注目です。普通の流通とは逆の進化をしているわけですから。
このアプリが浸透することで、ネットとリアルに分断されていた顧客データが統合されるわけですから、ターゲットマーケティングもより効率的に正確なものになることでしょう。また、電子チラシの閲覧データが実際の購買にどのような影響を与えているかも測定できるので、チラシやサイトのインターフェースの改善にも繋がっていく可能性があります。
今後の進展を詳しくチェックしていきたいと思います。
※引用文は、日経MJ2020年11月11日誌面掲載の記事からです
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