独裁者だった父が残した桜 春爛漫です。
もう15年くらい前でしょうか。
当時社長だった父が、突然会社の周囲をぐるりと取り囲むように100本桜を植えることに決めて、知り合いの造園業者に依頼。
なんでも突然決めて、明日には完成させたい!というわがままな希望を押し通すような生き方をしていた父なので、桜もあっという間に植え付けられました。
社員は父のこの性格を揶揄して
社長は
"今日結婚したら、明日子供が欲しい" 人だ、
なんて言われておりました。
頑固で見栄っ張りで、変なところに強いコンプレックスがありました。
強い自分に憧れていたのか、市役所で怒鳴り散らしたり、警察を呼びつけたり、取引先に急に強い態度をとったりと、理解に苦しむこともしばしば。
会社は完全に自分の所有物だという考え方でしたから、特に社内では、白いものも黒と言わせるほど、まさに独裁者的に振る舞っていました。
この後紆余曲折あり、私が会社を引き継ぐことになる訳ですが、
実は引き継ぎ直後に、会社の経営状況がかなり悪化していることに気付くことになります。
そこからは、明日の資金繰りに奔走する毎日が続くので、桜を愛でる余裕もなくなっていたのですが
今年は本当に久しぶりに、ゆっくり一人でお花見を楽しんでいます。
父がなぜこんな山奥に会社を建てたのか?
今でも理由は定かではありません。
運送会社のトラック運転手の方がドキドキしながら登ってくるという山道の一番奥です。
でも、この立地だから土地も広くて自由に桜を植えられたのでしょう。
車30台くらい停めたって、ゆっくりお花見できるスペースもあります。
できれば社員や地域の皆様や、縁やゆかりのある方々と一緒に桜を楽しみたい🌸
そんな欲も出てきました。
来年コロナも落ち着いていれば、何かみんなで楽しめる企画を考えたいなぁ。
あまり嬉しい置き土産をしてくれなかった父ですが、桜は数少ない父の宝の一つです。
せっかくなら、たくさんの人と共有できたらいいなぁ、と思う今日この頃です。