アウトプットとは何か
この記事は Everyone Outputer Advent Calendar 20日目の記事です。
昨日は@ヨコヤマリョウ(ステロイド)さんでした。
はじめに
エンジニアのアウトプットというと何を思い浮かべますか?
登壇・対話・Podcastなど言葉によって伝えるもの、Qiita・ブログ・書籍など文字によって伝えるもの、方法は様々ですよね。しかし、思いつくのはそれだけですか?
例えば、業務での成果。あなたが作り出したシステムやサービスが他者に使われるということは、素晴らしいアウトプットですよね。
例えば、同僚との会話。あなたのちょっとした知見を同僚に伝える事もまたアウトプットです。
日常的な消費だって(金銭的な)アウトプットといえますし、極論を言えば人は呼吸をするので二酸化炭素をアウトプットしてますよね。
もう少し真面目な表現でいうと、あなたが体験した事は全てインプットで、インプットがあればアウトプットがあるという視点で考えてみたら、私たちにとってたくさんの事がアウトプットと呼べないでしょうか。
私は、アウトプットとは意識と無意識の境にあるものだと考えています。無意識的に行なっている日常的なアウトプットにもし意識を向ける事ができたら、より良いものになっていくと思いませんか?
もしアウトプットという言葉そのものに高いハードルを感じているのであれば、今自分が日常的にしている事の中には何かしらのアウトプットがあり、それを強く意識する事でその質が高まっていくと考えてみてください。
(2019/3/13追記)
本記事をもとにDevelopers Summit 2019でLTをしてきました。
よろしければ以下もあわせてご覧ください。
選択的注意
ひとまずインプットの話に移ります。
あなたはこれまでに「選択的注意」という言葉を聞いた事がありますか?
選択的注意とは、たくさんの情報が飛び交うような状況において、自身にとって重要な情報のみを選択して注意を向けるような認知機能を指します。代表的な現象として「カクテルパーティー効果」があり、私たちは特に意識をしなくても音楽や多くの話し声があるパーティ会場のような騒がしい場所で特定の人の声を聞き分けて会話できます。
このように、私たちは普段から無意識のうちに外部から得られる情報を取捨選択し、周辺の環境・自身の感覚・経験などの様々な情報を処理して知覚・認知しています。外界からの刺激(外界の事物や事象、あるいはそれらの変化)を感覚情報として受け取り、それに対して意味づけする事で知覚し、それを元に解釈を進めることで認知し、その結果を学習する、これがインプットだと言えるでしょう。
また学習は、特定の状況や刺激に対してどのように考え、反応(行動)するべきかという対応関係の習得を指します。
これを私たちの普段の行動に置き換えると、課題に対して意味づけし、解決策を考え、解釈するというプロセスであるといえ、私たちは常にインプットされる内容を選択しているといえるかと思います。
私たちの脳は無意識下においても五官から受け取った情報にフィルターをかけ、必要な情報を優先的に選択しています。
例えば有名な実験にハーバード大学の白いシャツを着ている人を数える実験があります。
動画をみる被験者に「白いシャツを着ている人を数えてください」といって動画を見せた場合、ほとんどの被験者は画面に移っていた黒い物体に気づくことができませんでした。
このように、知らず知らずに私たちは自分自身でフィルターを作り出していますが、この選択をもし常に意識すれば、私たちの未来は大きく変わると思いませんか?
アウトプットとは何か
ここまでで、私たちはどんな状況においても無意識的に取捨選択をしている事をお伝えしましたが、ようやくアウトプットの話に移ります。
インプットの結果は常にアウトプットです。
私たちはインプットの結果として、脳という記憶領域へのアウトプットを行なっています。学習やインプットと言葉は、つまりは自分自身へのアウトプットに他ならないのです。
それでは、アウトプットを行う先は脳内だけですか?
本当に脳内だけでいいですか?
残念ながら私たちの記憶領域は万能ではありませんので、全てを記憶しきれませんし、多くの記憶は時間とともに消え去ってしまいます。
そうであれば、それを外部記憶に残していくという事は必然であり、外へのアウトプットは「自分のために」行うものになります。
また、学習の5段階レベルという考え方もあります。
私たちが学習した内容で最も高度に記憶された状態は「無意識的有能に意識的有能」と呼ばれ、無意識的に行っていることを意識して人に教えることができる状態です。
つまり、アウトプットによって誰かに伝える事ができるという状態は、学習の高次元な段階まで到達しているといえます。
例えばあなたが学習結果をブログに綴るとして、知識を届けたい「誰か」を「未来のあなた自身」と考えれば、少しハードルが下がりませんか?
まとめ
今日お伝えしたかったのは、みんな日常的にアウトプットをしていて、少し意識してみればそれに気づけるし、ハードルって本当は高くないことがわかるよっていう話でした。
まずは1日、あなたの身の回りに起こるすべての体験を通じて、インプットやアウトプットを意識してみてください。
きっと普段とは違う視点によって、新たな発見があると思います。
最後に
明日のアドベントカレンダーは@hekitterさんです。
どんな内容が届けられるか今から楽しみですね。
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