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ブラジルチドメグサ防除の取り組み(久留米市)

皆様、お久しぶりです。
以前投稿した ブラジルチドメグサ防除作業 のその後の進展について今回は報告したいと思います。

久留米市 高良川 の事例

2019年、私たちは1年間を通して高良川でのブラジルチドメグサ防除作業を行いました。 活動の詳細は以前 こちらの記事 に記しました。

前回の記事以降も見回りを続け、今年に入っても僅かに残るブラジルチドメグサを発見、駆除しました。
昨年11月に除去した後、再生し始めた段階のブラジルチドメグサはこのように小さく他のチドメグサによく似ています。しかし、掘り出してみるとこのように地中には大きな走茎が伸びています。
こういった小さな葉を目印に、除去していきます。

……いや、まぁ、前回の記事で根絶できたのではないかと書いたのですが、冬場のブラジルチドメグサは成長が遅い。なかなか、こういう目印になる芽も出てこないのでやたら時間を要することになりました(汗)

言い訳はこのくらいにして、このような小さな芽も春頃を最後に、これらの小さな断片も見つからなくなりました。

そして6月も終わる今日この頃、ついに最終チェックを行いました。

というのも、ブラジルチドメグサの成長は爆発的なので、この時期に見落とすということはまずないからです。

1月に除去した小森野川。高良川とは違い、一回目の除去の後に継続的な防除が出来ませんでした。

その結果、5月の時点で川面が覆われ、川を塞ぎつつあります。この繁殖力こそが、ブラジルチドメグサの特定外来生物である所以です。
最大では1日20cmも伸びることがあるとか。昨年高良川で防除していた時も、何も無かったはずの場所に2週間で1-2m四方の群落が登場していたりと、非常に厄介な能力です。
とはいえ、これは取り逃しがあるかどうかの確認が容易であるともいえます。
なんせ、取り逃してたらすぐにこんなことになりますから……(汗)

さて、高良川の方ですが、昨年1月の時点で水面の半分を埋めようとしていた場所は、今は穏やかな川になっていました。

こちらは最も巨大な群落があった場所。何度も何度も通い、ようやく除去したのですが、ここも再生の兆しはありません。

最上流。この川の一番上流の群落があった場所。友人と真冬に除去した場所です。
今ではすっかり元通りになっています。

そしてここが最後にブラジルチドメグサを見た場所。このコンクリートの隙間に入り込んでいました。
今ではブラジルチドメグサの代わりにサワガニが。ここも再生していません。

川を通して見回りしてみましたが、どこにも再生の兆しはありませんでした。

この時期になってしても復活していないというのは、本当に嬉しいことです。
あのどうしようも無いほどの再生力と爆発的な繁殖力を誇るブラジルチドメグサを根絶できたのかもしれない。その事は、きっと大きな意味を持つことでしょう。

そして丁寧な防除が確実に成果を上げたことを示せたのではないかと思います。

行政との連帯

今年初め、これらの活動はSNSやメディアを通じて広がりを見せました。問題が注目されたことで、久留米市にも動きが見られました。

3月11日、奇しくも私の誕生日に大規模な除去作業に乗り出してくれました。なんというサプライズプレゼント(笑)

重機を使い、取り除いていきます。
私たちがやったら10人いても1週間かかりそうな量を、瞬く間に除去。本当に凄い。やはり文明の利器というのは凄いです。

こういった「完全に蔓延った場所」は人海戦術ではどうしようもありません。逆に重機などでは、丁寧に全て除去するというのは難しいでしょう。

行政と協同し、重機などを用いて繁茂した場所を一挙に除去し、残りを人の手で丁寧に摘み取る。これが確実に被害を減らしていく方法ではないかと思います。

安武の水路で重機が活躍する傍ら、私達も除去作業を行いました。こう見ると囁かなものですね(汗)

とはいえ、この小さい活動が1年かけて大きくなったのも事実。イタチごっことよく表現される外来種対策、私たちの活動も無駄ではなかったのだと思いたい。
ブラジルチドメグサを見習いながら、あの不屈の再生力の如く、強かに広げていきたいものです。

今後の課題

まだ市内にはこのような場所も沢山あります。
というかここ、排水機場にもろに詰まっているけど大丈夫なのか……?昨今の大雨で氾濫しないか心配です。

注目され始め、ようやく動き出したとはいえ、まだまだ問題は山積みです。ぜひ久留米市さん、そして外来生物が侵入してしまった地域の皆さん、早期防除に取り組むことをオススメします。
問題が問題になってしまった後では、かかる予算も、労力も、何もかも増えまくってしまいますからね(汗)

そうなる前に対応することが大切です。

その為にも、我ら くるめ外来種ネットワーク も出来る限り努め、日々精進したいと思います。

読んでいただきありがとうございました。

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