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  悩み好転!『禅語の智慧』の物語 No.12

         【恋愛】

悩み事:忙しさに埋もれる愛の声

                          2023年11月4日(土)

  目次
あらすじ
禅語「無門関(むもんかん)」の解説
題 名:分かち合う静寂の物語
1.時差を越えて
2.コミュニケーションの隙間
3. 理解を深める努力
4. 距離を超えた絆
5. 挑戦と発見
6.信頼の構築
7.予期せぬ困難
8.試練を超えて
9.共通の夢
10.新たなスタート
11. 結実する愛
12. 新婚生活をスタートしてからの仕事の向き合い方、私生活の変化
まとめ
ごあいさつ
*新コーナー*柔海 剛山(じゅうかいごうざん)の『禅語の俳句』

あらすじ
小百合とアランは時差と文化の違いを乗り越えた長距離恋愛の末に結ばれた夫婦。彼らは異国の生活に適応し、コミュニケーションを深めながら、互いの仕事とプライベートのバランスを取りながら、二つの文化を尊重し合う新婚生活をスタートさせる。

禅語「無門関(むもんかん)」の解説
禅語の「無門関」は、禅宗の公案集である「無門関」に由来します。これは「門なき門」を意味し、真理への道には本来何の障害もないことを示しています。禅では、悟りへの道はすべての人に開かれているとされ、その道は思考や言葉を超えた直接体験によってのみ達成されるとされます。したがって、「無門関」は、内省と実践を通じて自己の心の障壁を取り払い、本来の自己に到達することを助言しています。

題名:分かち合う静寂の物語

1.時差を越えて
 
小百合は、深夜の東京の空を見上げながら、まるで星の光が時差を埋める橋をかけてくれるかのように願った。アランのいるロンドンでは朝、新しい一日が始まろうとしていた。彼女はLINEで「おはよう」と送るが、即座の返信を期待することはもう学んだ。それでもデジタルの糸は二人を結びつけ、その脆(もろ)さを愛しむことを覚えていた。

2.コミュニケーションの隙間
 
二人はZoomを使って互いの日常を共有した。小百合が晩ごはんを食べる時、アランは会社のデスクでサンドイッチをかじっていた。彼らの会話はしばしば中断され、フリーズする画面にイライラしながらも、言葉にできない多くの思いを画面越しに交換していた。

3. 理解を深める努力
 
互いの文化と時間を尊重し合うことが、二人には必要だった。小百合は英語の勉強に励み、アランも日本の伝統に興味を持つようになった。彼らは、離れていても共有する何かを見つけることが大切だと知っていた。そうして、彼らは遠距離恋愛の壁を乗り越えるために、共に成長していく道を歩み始めていた。

4. 距離を超えた絆
 
長い月日が流れるうちに、小百合とアランは距離に負けず、絆を深めていった。共に過ごせる時間は貴重で、その瞬間瞬間を大切にすることで、お互いの存在がより鮮明になっていった。距離がもたらす苦しみは、二人の関係をさらに強固なものへと昇華させていた。

5. 挑戦と発見
 
彼らの恋愛は、時差という挑戦を乗り越えるための連続した発見の旅だった。小百合は、アランの国の文化や言語を学ぶことで、新しい世界の扉を開き、アランも日本の歴史や社会に興味を深めることで、二人の間の共感と理解を深めていった。

6.信頼の構築
 
時間という制約の中で、彼らは信頼という絆をしっかりと築き上げていった。お互いの生活に寄り添い、理解を示すことで、距離はただの数字にすぎないという真実を二人は学んでいった。信頼は、見えないが最も強い橋となり、二人の心を一つに結びつけていた。

7.予期せぬ困難
 
ある日、小百合は予期せぬ事態に直面した。アランの住む国での政治的緊張が高まり、通信が不安定になった。彼女は彼との連絡が取れない日々が続き、心配で夜も眠れなくなった。しかし、彼女はアランへの信頼を失わず、瞑想と坐禅を通して心を落ち着け、困難を乗り越える内なる強さを育んだ。

8.試練を超えて
 
通信が復旧したとき、二人は試練を乗り越えた喜びを分かち合った。アランは小百合の落ち着いた対応に感謝し、小百合はアランの困難な状況における努力を讃えた。この経験を経て、彼らの絆は以前にも増して強まり、距離を超えた深い理解へとつながった。

9.共通の夢
 
時間が経つにつれ、二人は共通の夢を抱くようになった。それは一緒に住むこと、そして彼らの愛を具現化する場所を作ることだった。彼らは互いの国を訪れ、文化や生活様式の違いを学びながら、どこに住むか、どのような生活を送るかを計画し始めた。

10.新たなスタート
 
二人はついに一緒に暮らす場所を決め、新しい生活を始める準備を整えた。小百合は日本を離れ、アランのいる国へと移り住んだ。最初は新しい環境と言語の壁に戸惑いながらも、アランの支えと自身の適応力で次第に新しいコミュニティに溶け込んでいった。

11.結実する愛
 
新しい生活の中で、小百合とアランはお互いの存在の大切さを再認識し、さらに強い絆で結ばれた。そしてついに、二人は家族や友人に囲まれて結婚式を挙げた。それは単なる儀式以上のものであり、長い距離を超えて育まれた愛の結晶だった。二人の愛が結実した瞬間、すべての困難が報われたのである。

12.新婚生活をスタートしてからの仕事の向き合い方、私生活の変化
 
小百合とアランの新婚生活は、多忙な仕事と私生活のバランスを取りながら展開しました。
 アランは起業家としてのキャリアを地道に築き上げ、小百合は新しい国の文化と言語に慣れるためにパートタイムで地元の図書館で働き始めました。
 仕事の面では、アランはフレキシブルなスケジュールを活用して、小百合との時間を大切にするよう心がけました。彼は重要な会議やプロジェクトの際には、小百合に前もって情報を共有し、二人で時間を調整することで、仕事とプライベートの両立を図りました。
 私生活では、新しい環境に順応しながらも、二人は日本とアランの出身国の両方の文化を尊重し合うことで家庭の中に調和をもたらしました。
 日本の伝統的な料理や習慣を取り入れつつ、アランも自国の文化を共有することで、相互の文化理解を深め、新婚生活に豊かな多様性を加えていきました。

まとめ
 
小百合とアランは時差という障壁を乗り越え、コミュニケーションのギャップを埋めるために奮闘しました。彼らの挑戦は、愛の力が物理的な距離を超えることができるということを証明しています。結婚という新たな章を迎え、二人はそれぞれの文化を尊重しつつ、一緒に生活を築き上げていくことを学んでいきます。遠距離恋愛がもたらした課題は彼らを強くし、最終的には絆を深める礎となりました。

ごあいさつ
 
小百合とアランの心の旅はまだ続きます。時差という小さな隙間を埋め、お互いの心を深く理解することの大切さを共に学びましょう。彼らのように、愛を育むための一歩を踏み出す勇気を持ちたいものです。

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

*新コーナー*
柔海 剛山(じゅうかいごうざん)の『禅語の俳句』
禅語のお題:「 無門関(むもんかん)」

「心静 無門関へと 月が導く」

 この俳句「心静 無門関へと 月が導く」は、内なる静けさと外的な導きを対比しています。
 ここでの「心静」とは、心が静かであり、動じない状態を表しており、禅の実践における無の境地を暗示しています。
 「無門関」とは、禅の教えで言うところの障害や門がない状態、すなわち悟りの境地への道を意味しています。
 月は、しばしば啓発や悟りの象徴として用いられ、ここでは内面の平穏が外的な導き、つまり悟りへの道を照らしている様子を描いています。
 全体として、この俳句は心の平和が自ずと悟りへの道を開くことを、静かでありながらも強いイメージで表現しています。

ご一読いただき、誠にありがとうございました。 
                          2023年11月4日(土) 
                             柔海 剛山 拝

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