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悩み好転!『禅語の智慧』の物語 No.91
悩み事:子供たちへの公平な財産分与
悩み好転物語のタイトル:再婚夫婦と子供たちの未来設計
目次
1、あらすじ
2、禅語:「「和敬清寂」(わけいせいじゃく)」の解説
3、再婚夫婦の新しい生活
4、エンディングノートの作成を考える
5、子供たちへの思いと財産分与
6、「和敬清寂」との出会い
7、禅語の智慧を通じて問題解決
8、みんなが幸せになる結末
9、まとめ
10、ごあいさつ
11、柔海 剛山流(じゅうかいごうざんりゅう)『あるがままの俳句』
1、あらすじ
この物語は、再婚同士のシニア夫婦、孝一と恵子が、終焉を迎えるための準備としてエンディングノートを作成する過程を描いています。彼らはそれぞれ前の結婚で子供がいて、財産分与や最期の場所について悩んでいました。そんな中、寺院で禅語「和敬清寂」と出会い、その智慧を通じて互いに尊重し、心を清らかに保ちながら、最適な選択を見つけていきます。最終的に、夫婦は家族全員が幸せになる道を選び、未来への安らぎを得る物語です。
2、禅語:「「和敬清寂」(わけいせいじゃく)」の解説
「和敬清寂」(わけいせいじゃく)は、茶道の精神を表す四つの徳目を示した禅語です。「和」は調和を重んじ、周囲との平和な関係を大切にすることを意味します。「敬」は敬意を持ち、他者や物事に対して礼儀を尽くす姿勢を指します。「清」は心身を清らかに保ち、純粋で素直な態度で物事に向き合うことを示します。「寂」は静寂や落ち着き、外界の喧騒に動じない心の静けさを指します。この四つの徳を実践することで、日常生活の中でも調和と安らぎを得ることができるとされています。
3、再婚夫婦の新しい生活
晴れ渡る空の下、穏やかな風が木々を揺らす中、散歩をする夫婦がいた。夫の孝一(こういち)は、清掃員として週4日、16時間のパート勤務をしていた。年齢を重ねても体を動かすことが好きで、最近では新しい趣味としてボルダリングも始めていた。運動することで心身の健康を保ちたいという思いから、孝一は日々の生活に規律を持って過ごしていた。一方、妻の恵子(けいこ)は専業主婦でありながらも、家事に追われるだけではなく、自分自身の健康にも気を使っていた。バドミントンやマラソンを続けており、その活動的な生活は周囲からも一目置かれる存在だった。
二人は再婚同士であり、互いに前の結婚で子供がいた。孝一には前妻との間に長女の美香(みか)と長男の健(けん)がいる。恵子には、前夫との間に長女の由美(ゆみ)と次女の真由(まゆ)がいた。さらに、恵子には相続権のある妹が一人おり、亡母から受け継いだ資産の分配についても考えなければならなかった。新しい家族の中で、過去の記憶を尊重しつつ、現在の家庭を大切にする姿勢を保ちながら、二人は穏やかな日々を過ごしていた。
しかし、そんな平和な日常の中で、ふと将来のことが頭をよぎることが増えてきた。孝一は時折、夜の静けさの中で考えることがあった。「私たちがいなくなった後、子供たちはどうなるのだろうか?残されたものを巡って争いが起きないように、何か準備をしておくべきではないか?」と。恵子も同様に、老後のことや最期をどう迎えるかについて思いを巡らせるようになった。
4、エンディングノートの作成を考える
ある日の午後、恵子と孝一はリビングでコーヒーを飲みながら、自然と将来の話題に移った。「私たちもそろそろエンディングノートを作っておいた方がいいかもしれない」と孝一が切り出すと、恵子もその提案に頷いた。「そうね、子供たちに迷惑をかけたくないし、残された財産もきちんと分けたいわね。私たちがきちんと整理しておけば、子供たちも安心できるはずよ」と彼女は答えた。
孝一は、エンディングノートの作成に向けて具体的な行動を取ることを決意し、地元のコミュニティセンターで開催されるエンディングノートの書き方講習会に申し込んだ。この講習会が、今後の生活を見直し、整理するための大切な第一歩となるだろうと彼は考えていた。
しかし、話し合いを進めるうちに、二人は次第に悩み始めた。どこで最期を迎えるべきか、それぞれの子供たちにどうやって公平に財産を分けるべきか――これらの課題に直面することで、二人の心には不安が広がっていった。特に、孝一が抱える財産の問題は複雑だった。また、恵子は妹との関係も考慮しなければならず、彼女にどう説明するかも悩みの種となっていた。
5、子供たちへの思いと財産分与
孝一は、前妻との間に築いた家を、長女美香と長男健の遺産分も含めて売却し、その資金で現在の家を購入した。しかし、財産分与を考える際には、過去の清算も踏まえつつ、今後どのように子供たちに残していくべきかが課題となっていた。孝一は、美香と健への責任を強く感じていた。過去の家を売却したことで、二人にとってどのような影響があるのか、そして現在の家をどのように公平に分けるべきか、孝一の心は複雑だった。
一方、恵子もまた、亡母から受け継いだ「名義預金」と、それに伴う妹との関係が頭を悩ませていた。名義預金は母親が恵子に託したものであり、その額は決して多くはなかったが、母親との思い出が詰まっていたため、どのように扱うべきか迷っていた。また、妹と公平に分けることも大切だと考えつつ、自分の娘たち、由美と真由への配慮も忘れたくなかった。
二人は、それぞれの過去を尊重しながらも、現在の家族とのつながりを大切にしようと努力していた。しかし、どのようにしてすべての子供たちに公平で納得のいく形で財産を分配できるか、二人の悩みは深まっていった。
6、「和敬清寂」との出会い
そんな中、ある日、友人の紹介で二人は近所の寺院を訪れることになった。その寺院は美しい庭園で知られており、四季折々の花々が咲き誇る中、静かで穏やかな時間が流れていた。二人は庭を散策し、心を落ち着けていた。
ふと、寺院内の茶室の前を通りかかると、「和敬清寂」と書かれた掛け軸が目に入った。文字の力強さと、その背後にある深い意味に、二人は思わず立ち止まった。
「和敬清寂…?」孝一が静かに声に出すと、その瞬間、寺院の住職が近づいてきた。「この言葉は、互いに和を持ち、敬い合い、心を清らかに保ち、寂静の境地を求めるという意味です。茶の湯の精神を表す言葉ですが、日常生活にも通じる深い意味があります」と住職は説明した。
孝一と恵子は、その言葉の深さに感銘を受けた。「和敬清寂」という禅語には、二人が抱えていた不安や悩みに対する答えが隠されているように感じたのだ。互いに尊重し合い、清らかな心で物事に向き合うことが、二人の課題に対する解決の糸口となるのではないか、と二人は感じ始めた。
7、禅語の智慧を通じて問題解決
「和敬清寂」の言葉を胸に、二人は再び真剣に話し合いを始めた。まずはお互いの希望を素直に打ち明けることから始めた。孝一は、「子供たちに不安を残したくないから、静かな場所で最後を迎えたい。自然に囲まれた場所がいいと思う」と語り、恵子も「私もその考えには賛成よ。やはり自然の中で静かに過ごしたいわね」と応じた。
また、財産分与についても、二人は過去の思い出や感情に縛られることなく、公平で納得のいく方法を考えることにした。「和敬清寂」の精神を忘れず、冷静に、そして互いを敬いながら話し合いを続けた結果、二人は最終的にすべての子供たちに対して公平な分配を行う方針を固めた。
孝一は、前妻との間で築いた家の売却益を元にした現在の財産を、どのようにして美香と健に対して配慮するかを慎重に考えた。また、恵子も亡母から受け継いだ名義預金を、妹とどのように分けるべきか、由美と真由への配慮も忘れずに具体的な計画を立てた。
恵子は妹に対しても「和敬清寂」の精神を持って接し、財産分与に関する話し合いを進めることを決意した。「お互いに和を保ちながら、敬意を持って話し合えば、きっとお互いに納得できる形が見つかるはず」と恵子は自信を持ち、妹との対話に臨んだ。
二人は、「和敬清寂」の教えを通じて、物事をシンプルに捉え、心を穏やかに保つことの重要性を再確認した。そして、それぞれの子供たちへの配慮を忘れずに、今後の生活をより平和で調和の取れたものにするための準備が整ったのだった。
8、みんなが幸せになる結末
最終的に、孝一と恵子はエンディングノートを完成させた。それは単なる書類ではなく、家族への思いやりが詰まった「心の贈り物」となった。子供たちも、二人の真摯な姿勢に感謝し、それぞれが新たな一歩を踏み出すことができた。
孝一と恵子は、「和敬清寂」の精神を取り入れることで、互いの絆を深め、不安や悩みを解消することができた。そして、彼らの思いやりと智慧は、家族全員に幸せをもたらしたのだった。美香、健、由美、真由もまた、それぞれの人生において前向きな変化を迎え、家族の絆をより強固なものにしていった。
恵子の妹も、話し合いの結果に納得し、姉妹の絆を再確認することができた。こうして、二人の家族は新たな平和と調和の中で未来に向かって進んでいくことができたのでした。
9、まとめ
この物語は、再婚同士の夫婦が、終焉の準備としてエンディングノートの作成に取り組む過程を描いています。彼らは、それぞれの子供たちに公平な財産分与を考え、どこで最期を迎えるかという悩みを抱えますが、寺院で出会った禅語「和敬清寂」の智慧を通じて、互いを尊重し、心を清らかに保つことの大切さに気づきます。最終的に、夫婦は平和な心で問題を解決し、家族全員が幸せな未来を見据えることができるようになります。この物語は、禅の智慧が日常の悩みを解決する力を持つことを示しています。
10、ごあいさつ
この度は物語をお読みいただき、誠にありがとうございます。この物語が、皆様の心に少しでも温かさや気づきを与えることができたなら幸いです。これからも、禅の智慧を通じて日常の悩みや課題に向き合うヒントをお届けしたいと思っております。どうぞ引き続きご愛読くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
11、柔海 剛山流(じゅうかいごうざんりゅう)
『あるがままの俳句』(自由律俳句)
清らかに 心洗うや 静寂の朝
「清らかに 心洗うや 静寂の朝」の俳句の解説
「清らかに 心洗うや 静寂の朝」は、静かな朝の時間に心が清められる瞬間を詠んでいます。自然と一体となる静寂の中で、心の澱が洗い流される様子が、美しく表現された一句です。
清らかに:汚れのない純粋な状態を表し、心が澄み渡るような情景を描いています。静寂の中で自然と一体となり、心が清められていく様子が感じられる。
心洗うや:静寂の朝の中で心が浄化される瞬間を示しています。日々の喧騒から離れ、心が澄み切ることで、新たな気づきや内なる平安を得る様子が描かれています。
静寂の朝:自然の静けさが漂う朝の時間を描写しています。騒がしい日常とは対照的に、静寂に包まれた朝は、心が落ち着き、自己と向き合う貴重な時間を象徴しています。
【追記】
当サイトは個人的な見解や意見に基づいたものでは一切ありません。
多様な文献や資料、そしてインターネット上の情報源を参考にして、可能な限り柔軟かつ包括的な観点から、情報を物語化して提供することを目的としています。
柔海 剛山流(じゅうかいごうざんりゅう)『あるがままの俳句』とは
『柔海剛山流 あるがままの俳句』は、「あるがまま」という表現を核に持ち、曹洞宗の開祖である道元禅師が提唱した生き方の哲学からインスピレーションを受けています。この哲学は、物事をそのままの姿、自然な状態で受け入れ、現実を直視することの重要性を強調しています。この禅の教えに基づき、私の自由律俳句では自然体でありのままの感覚や感情を詩に昇華させるために「あるがままの俳句」という名前を採用しています。
伝統的な俳句は文字数や季語などの厳密なルールによって特徴づけられますが、現代ではこれらのルールに拘束されない形式の俳句も存在します。この形式は「自由律俳句」と呼ばれ、従来の5-7-5の音節制限や季語の必須性を除外した形式です。
2024年8月22日(木)
柔海剛山 拝