見出し画像

悩み好転!『禅語の智慧』の物語No.101  

2024年10月4日(金)

悩み事:自分らしい進路を見つけたい

物語のタイトル:随処作主で歩む私の道


目次
1、あらすじ
2、禅語:「随処作主(ずいしょさくしゅ)」の解説
3、美咲の悩み
4、友人や家族の影響
5、禅寺での出会い
6、「随処作主(ずいしょさくしゅ)」との出会い
7、美咲の成長と決断
8、美咲が得た幸福と未来
9、まとめ
10、柔海 剛山(じゅうかいごうざん)の『禅語の俳句』
11、ごあいさつ

1、あらすじ
美咲は就職活動を控え、周りの声に影響され、自分の進むべき道を見失っていました。友人や家族の期待に応えたい気持ちがある一方で、本当に自分がやりたいことが分からなくなり、迷い込んでしまいます。そんな中、彼女は禅寺で「随処作主(ずいしょさくしゅ)」という禅の教えに出会い、周囲に流されずに自分の意志で進むことの大切さに気づきます。最終的に美咲は自分の選んだ道を信じ、自らの力で未来を切り開いていきます。

2、禅語:「随処作主(ずいしょさくしゅ)」の解説
「随処作主(ずいしょさくしゅ)」は、禅の教えで「どんな場所にいても自分がその場の主人公である」という意味です。どのような環境や状況にあっても、他人や周囲に流されず、自分の意志を持って主体的に行動することの大切さを説いています。自分自身がその場で最善を尽くし、選んだ道を信じることで、結果に対して後悔しない生き方を実現できるとしています。この教えは、困難な状況や迷いの中にある時こそ、心を強く持ち、自分の選択に自信を持って進むことを求めています。

3、美咲の悩み
美咲は、20歳の女子大学生で、就職活動が目前に迫り、進路について大きな悩みを抱えていました。大学生活を送る中で、友人や家族が様々な意見を持ち寄り、それが彼女の選択肢に影響を与え始めたのです。「就職は安定が大事だから、大手企業を目指すべきだ」「将来のことを考えて公務員が安心だよ」と、周りの声が響き渡る中、美咲は次第に自分が本当に何をしたいのか、分からなくなっていました。
「私の人生なのに、なんだか他人の声ばかり聞いている気がする…」そう感じる日々が続き、美咲の心は重くなっていきます。

4、友人や家族の影響
友人たちも同じように就職活動に取り組んでいましたが、誰もが自分の道を見つけているわけではありませんでした。しかし、彼女たちは一見すると自信に満ち溢れ、決断力を持っているように見え、美咲はますます不安を抱えました。
家族からも「あなたのためを思って言っているのよ」と助言されるたびに、美咲は感謝しつつも、その言葉が自分の心を縛るように感じました。彼女は自分の将来を他人に委ねたくない一方で、自分自身の決断力に自信が持てず、迷いの中に立ちすくんでいたのです。

5、禅寺での出会い
ある日、美咲は友人から誘われ、近所の禅寺を訪れることになりました。そこでは定期的に行われている坐禅の会が開かれており、美咲は「心を落ち着ける機会になるかもしれない」と期待を込めて参加を決意しました。
静寂の中で行われる坐禅体験は、普段の忙しい日常から離れる貴重な時間となり、深く自分自身を見つめ直すことができる瞬間でした。坐禅の後、住職が説法を始め、その中で「随処作主(ずいしょさくしゅ)」という言葉を紹介しました。

6、「随処作主(ずいしょさくしゅ)」との出会い
住職は「随処作主(ずいしょさくしゅ)」という禅語について次のように語りました。
「随処作主(ずいしょさくしゅ)とは、どんな場所にいても、どんな状況にあっても、自分がその場の主であるという意味です。環境や他人の言葉に左右されず、自分の意志で生きることが大切です。自分の選んだ道が最善であり、他者に流されることなく、自分の中に答えを見つけてください。」
美咲はその言葉に深く共感し、心に響きました。今まで周囲の意見に流され、自分の意志がどこにあるのか分からなくなっていた彼女にとって、この「随処作主(ずいしょさくしゅ)」という言葉は、まさに今の自分に必要な智慧であると感じたのです。

7、美咲の成長と決断
美咲は、住職の言葉を胸に、再び自分の進路について考え始めました。周囲の意見は大切にしつつも、自分の中で何が一番大切なのかを見極めることを心がけました。
彼女は、自分が本当に情熱を持って取り組みたいと思う分野は、子どもたちの教育に関わる仕事だと気づきました。しかし、それは友人や家族が期待していた「安定した大手企業」や「公務員」とは違う道でした。けれども、彼女は「随処作主(ずいしょさくしゅ)」の言葉を思い出し、自分の意志を信じ、周囲に流されることなく、自ら選んだ道を進む決心をしました。
彼女は、教育系の非営利団体でのインターンシップを探し、そこから得られる経験を積みながら、自分の夢に向かって努力を重ねていくことを選びました。

8、美咲が得た幸福と未来
美咲が「随処作主(ずいしょさくしゅ)」の智慧を実践することで、彼女の心は一つの確信に満たされました。彼女は、周囲に振り回されることなく、自分自身の意志で選び取った道を歩んでいるという実感を持つことができたのです。
結果として、彼女は新しいインターンシップ先で充実した日々を送り、さらに自分が本当に大切にしたいと思うものに向き合う力を身につけました。家族や友人も、最初は美咲の選択に驚きましたが、彼女が誇りを持って進んでいる姿を見て、次第に応援してくれるようになりました。
最終的に、美咲は自分自身の選択を尊重することで、他人にも自分の意志を大切にする姿勢を伝え、周囲との関係もより良いものに変わっていきました。彼女が「随処作主(ずいしょさくしゅ)」という言葉に出会い、主体的に行動することで、彼女自身も、そして彼女を支える人々も、共に幸せな未来を描くことができたのです。

美咲のように、私たちも日常生活の中で多くの選択に直面します。他者の期待や意見は時に重荷になることがありますが、「随処作主(ずいしょさくしゅ)」の智慧を持てば、自分の意志を信じ、周囲に流されることなく行動することができます。
どんな状況でも、あなた自身がその場の主人公です。自分の選んだ道を信じ、力強く進んでいきましょう。

9、まとめ
美咲は「随処作主(ずいしょさくしゅ)」の教えに出会い、周囲に流されず自分の意志で進むことの大切さに気づきました。彼女は自分の選んだ道を信じ、主体的に行動することで、迷いから解放され、自分らしい未来を切り開いていきます。この物語は、どんな状況でも自分を信じて行動することで、幸福に近づくことができるという大切なメッセージを伝えています。皆さんも自分の心を大切にして進んでいってくださいね。

10、柔海 剛山(じゅうかいごうざん)の『禅語の俳句』
      禅語の「随処作主(ずいしょさくしゅ)」に関する俳句
          心据え 迷わぬ道に 花が咲く

「心据え 迷わぬ道に 花が咲く」の俳句の解説
「心据え 迷わぬ道に 花が咲く」は、心を落ち着けて自分の意志を持って進むことで、自然と道が開ける様子を描いた俳句です。内面の静けさと、外の世界での結果が見事に調和しています。自分を信じて行動すれば、成果は後からついてくるという深い教えを伝えています。

心据え:心を落ち着けて、物事に動じない状態を指します。迷いや不安があっても、冷静な心を保つことで自分の意志が明確になります。これは、禅の教えに通じる心の在り方であり、環境や周囲に左右されない強さを表しています。

迷わぬ道に:揺るがない心で自分の進むべき道を見定めることを意味します。他人の意見や環境に流されず、主体的に選択することで迷いがなくなります。確信を持って進むことで、その道が自然と自分に開かれていくというイメージを持たせています。

花が咲く:心を据え、自らの意志で進む道の先に待つ結果を象徴しています。努力や決断の結果として、目には見えない未来が豊かに開花することを表現しています。心を落ち着けて行動すれば、自然と良い結果が生まれるという禅の教えを美しく示しています。

11、ごあいさつ
この度は物語をお読みいただき、誠にありがとうございました。美咲の経験を通じて、皆さまも何か感じ取っていただけましたら幸いです。日々の中で迷いや不安が生じた時、ぜひ「随処作主(ずいしょさくしゅ)」の教えを思い出してみてください。どんな時も、ご自身の意志を大切に、心静かに進んでいただければと思います。皆さまの未来が、優しく花咲くものでありますように。

【追記】
当サイトは個人的な見解や意見に基づいたものでは一切ありません。
多様な文献や資料、そしてインターネット上の情報源を参考にして、可能な限り柔軟かつ包括的な観点から、情報を物語化して提供することを目的としています。

『柔海 剛山流(じゅうかいごうざんりゅう)あるがままの俳句』とは
『柔海剛山流 あるがままの俳句』は、「あるがまま」という表現を核に持ち、曹洞宗の開祖である道元禅師が提唱した生き方の哲学からインスピレーションを受けています。この哲学は、物事をそのままの姿、自然な状態で受け入れ、現実を直視することの重要性を強調しています。この禅の教えに基づき、私の自由律俳句では自然体でありのままの感覚や感情を詩に昇華させるために「あるがままの俳句」という名前を採用しています。

伝統的な俳句は文字数や季語などの厳密なルールによって特徴づけられますが、現代ではこれらのルールに拘束されない形式の俳句も存在します。この形式は「自由律俳句」と呼ばれ、従来の5-7-5の音節制限や季語の必須性を除外した形式です。

いいなと思ったら応援しよう!