生殺与奪の権
なんて物騒なタイトルなんだ。と自分で書いておいて少しうきうきしてしまった。別に人の命をどうこうしようというのではない。いや、ある意味ではそうであるのだが、今回はキャラクターの話である。
私はコスプレイヤーで、活動のメインは創作だ。「創作」というのは自分で考えたオリジナルの世界観やキャラクターの事を指す。いわゆる「一次創作」だ。私は自分が表現したいことをイラストや漫画に描く代わりにコスプレをする事が多い。人によっては獣っぽかったり、妖怪だったり、神様だったり、いろいろあるわけだが私は圧倒的に純粋な人間が多い。これは私が今まで触れてきた作品に人外のキャラクターが少ない(ファンタジーやSFを殆ど読んでいない)のが理由として挙げられるのだが、本題とはずれてしまうのでまたの機会に。
本題。自分が生み(産み)出したキャラクターは私が親でキャラクターが子供だ。そして、彼らの生殺与奪の権は私が握っている。(もちろん現実世界で親が子を害することはあってはならない)
特定のイベントのために創ったキャラクターはそのイベントでしか出さないことがある。私はキャラクターにきちんと名前をつけるタイプで、更にその名前にも理由がある。イベントの趣向や、イベントのメインキャラクターの方との関係から連想したり、設定した出身地を加味した言語の名前をつけることもある。画数や風水も参考にする。そして彼らの性格も設定も、私の世界の中のものだ。他の創作レイヤーさんのキャラクター達と交流する時に、お相手との接点などを考えて設定を増やすことはあるが、根本は私のものだ。
だからこそ私は「うちの子」を殺すことがある。純粋に私の年齢や体格的にできなくなることもあるが、大体はそのイベントのためだけに創ったキャラクターを消し去ることが多い。別に「こいつはもう殺したのでやりません」と大っぴらにするわけではないので周りの人からすれば「そういえば昔やってたあのキャラ見ないな」と思うぐらいだろう(そもそも一度きりのこともあるので記憶に残っているかも怪しい)
私が「うちの子」を殺すことがあることを踏まえて許可しているのが「二次創作」だ。「イラスト/小説をかきたい」「あのキャラの彼女キャラを作りたいんですが」「うちの子とBLにしたい」「そのキャラがこういう発言をしたら滾る」「殺されたい」「殺したい」全部OKです。
なぜかというと、二次創作はあくまで二次創作だからだ。私の中の、一次創作の彼らと、誰かの二次創作の中の彼らは一見すると同じ人物だが、生きている世界線が違う。パラレルワールドであり、互いに干渉しない。私の中の彼らは「公式」なので誰がなんと言おうと揺らがない。だから勝手に二次創作してもらって構わないのだ。ただしうちの子がどこに嫁いで何をしているかは知りたいので出来上がったものは見せてほしいし、親が私である旨を記載してくれればいいと思っている。
最近、原作者と脚本家の問題をいろいろなところで耳にする。話がややこしくなるのでこの問題についてはここで書かないが、私も一応原作者である。だからあえて言うのだが、うちの子、二次創作しませんか?