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昔から「芸能人の顔と名前全然一致せんな」と思っていた。ドラマを見ていて「この人いいなぁ」と思った俳優さんが、別のドラマにも出ているのに気づかず、その役のことも「この人いいなぁ」と思っていた。
中学の時に困ったのは事あるごとに聞かれる「嵐の中で誰が好き?」という質問だった。非常に申し訳ないのだが、私は当時そもそも嵐が何人組で誰がいるのかも知らなかったレベルだった。唯一知っていたのが何故か松潤だったので何の感情もなく「松潤です」と答えていた。ごめんなさい。(今考えるともし嵐にハマっていたら松潤の事が好きだっただろうから謎の嗅覚はあったのかもしれない)
今でも巷を賑わせている芸能人の顔はだいたい覚えていないし、名前の字面は知っている程度の人が多い。それは身近な人でもそうだ。
正直に言うと、イベントやお店で声をかけてくださった時に誰かわからずに会話をしていることがある。コスプレや仮装をしていることが多いのだから多少は仕方がないのかもしれないが、壊滅的に人の顔が覚えられない。ついでに言うと名前も覚えられない。声の判別がついていないこともあり、「この人とあの人、声が似ているな」と思うともうどっちがどっちか分からなくなる。
「以前〇〇でお会いした✕✕です。△△の装いでいました」と丁寧に挨拶をしてくださる方がいる。そう言われた時に一番にでてくるのがTwitterの名前の表記とアイコンだ。私は重度のツイ廃なので「あの赤い猫のアイコンの方だ。先週あのイベントに行ったって言ってたな。〇〇が好きって言ってて……」と連鎖的に思い出す。その思い出し方もTwitterの画面が頭に浮かぶので私は視覚優位なのだろう。
視覚優位の癖に本人の特徴の一部しか思い出せない。「眼鏡をかけていた」「髪が長くて一つくくりにしていた」「こういうアクセサリーをつけていた」「そういえばタレ目で唇が薄い」「こういう笑い方をする」思い出せるのは特徴的な部分だけで、それがないとその人だと特定するのに全く自信がない。
「人に興味がないから覚えられないのでは」と言われたことがある。そんな事はないとは思うのだが、一応真剣に相手のことを覚えようと「眼鏡をかけているから外したときはおそらくこんな感じで……。ちょっとつり目で眉は細いのね。目尻にほくろ。身長は私と同じぐらい。」と覚えていったのだが、次に会ったときはメイクも装いも全く違って全然わからなかった。もうだめだ。私には人を覚える才能がないのだ。
以前は知っている人に対しても「あ!お疲れ様です!有澤おからです!!」とこちらから名乗ることによって”そういうジョーク”になり相手も「お疲れ様です!!〇〇です!!笑」と名乗ってくれる作戦を取っていた。しかし最近はありがたいことに「わ〜おからさんですよね!いつもTwitter拝見してますー!」とお声がけくださる方が多く、作戦倒れになる。お願いします、名乗ってください。そしてできればTwitterプロフィール画面を印籠のごとくかざしてください。私の中であなたの顔はTwitterのアイコンです。