賢さが底上げされる
アダム・スミスの道徳感情論。
たいていの人は富や地位の幻想に囚われて「財産への道」を歩む。
それによって社会全体の富は増大し、より多くの人の間に生活必需品が分配される。
その構図は今も同じだが、当時との違いは生活必需品の供給が飽和していること。
これ以上、物理的な繁栄は期待できない。
「富や地位」によって得られる感嘆や尊敬にも限界がある。
ではどうやって他者の同感を得るか?
「徳への道」を歩むことで「英知や徳」を身につける以外、選択肢はない。
弱さによる繁栄が飽和したことで、人類の賢明さは底上げされていく。
若い世代が消費しなくなったのも賢明さが増したからだ。