人魚が恋をした。 夢うつつ、泡沫の恋。 人魚と人間の寿命はあまりにも違うのだと誰もしらなかった。 死んだあと、人間は骨になる。 死んだあと、人魚は宝石になる。 人魚は魂に恋をする。 幾らでも待つ。 人間が輪廻を廻って戻るまで。 例えその身が宝石になろうとも。
しゃくしゃくと身の内が虚になる音を聞きながら命儚しと笑うお前を憎からず思っていたと、最期に今生への枷をつけてみたがダメだった。 愛だ恋だなんて感情はない。 隣り合うのが、背中合わせが当たり前。 その位置にいなければ息苦しい程の相手。 さらば朋よ。 次も他人でありたい。