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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#016:提案書の枚数は何枚か

最近、自分自身が提案書を出す側のプロポーザルが立て込んでおり、ついつい更新できずにいました……。

さて、これから何回か求める提案について述べていきます。

まず最初に提案書の分量の最適値を考えましょう。あくまで私見ですが、A3片面で3枚まで(A4なら5、6枚)が提案書の最適値と考えています。なお、あくまで提案書の話です。実績調書や担当者調書は別勘定ですが、体制図については私は提案書に含むべきだと考えています。なぜなら、プロポーザルが設計者らを選ぶものであるなら、体制は提案内容の重要な構成要素だからです。

枚数がこれより少ないプロポーザルはそうそうないと思いますが、A3で2枚以下となるとさすがに提案の内容が薄くなり、競争性も埋まるのではないでしょうか。そうなると、実積評価に傾きがちになってしまいます。

逆に提案書の枚数を増やすことがあってもいいのですが、増やすほどに規模が大きい設計事務所に有利になりやすいことは意識しましょう。枚数でいちばん困るのは、上限の定めがないことです。ときおり質疑回答で「提案書の枚数に制限なし」というプロポーザルを見かけますが、これは絶対に避けなくてはいけません。おそらく審査委員とすり合わせをしていないのだと思いますが、審査委員からすればその提案書の審査は非常につらいことです。

この審査委員の観点は、提案書枚数の適正値を考えるうえで非常に重要です。審査委員は全提案者の提案書を熟読するわけですから、たとえば提案書が仮にA3換算で10枚上限の場合、20者が参加するプロポーザルであれば、実に合計200枚に目を通すことが求められるわけです。私自身、審査委員をしてきた経験からすると、それだけの枚数となると目を通すことはできても、記憶に留めておくことは正直困難です。
特に意識したいのは、一次審査を終えて最終審査に進んだ場合です。仮に5者が最終審査に残った場合、提案書の総枚数は50枚です。しかし、1枚あたりに詰め込まれている情報量は膨大です。これを短時間で見比べながら、採否を決するのは容易なことではありません。

もちろん、審査委員の技量によっては特に苦もなくこなせるでしょう。逆に非常に苦しさを覚える審査委員もいるはずです。特にプロポーザル審査の経験が少ない方に配慮する必要があります。経験の多寡が審査委員間の技量差になることを避ける必要があると私は考えます。

実際のところ、この枚数問題には一律の絶対的な答えはないのですが、ここまで述べてきた諸点をあらためて熟慮し、提案者の努力が報われる審査環境を担保する枚数を定めていきましょう。

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