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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#021:一次提案で求めるもの-多様な職能への要求を明記すべきか

前回、チーム体制について述べましたが、情報設計、コミュニケーション、防災・減災、専門アドバイザーといった従来はあまり見られなかった職能を含むことを要項に含めるべきでしょうか。

基本的には求める職能は要項に明記すべきと思いますが、重要な前提条件があります。それはその職能が求められてしかるべきプロポーザルであるということです。つまり、そのプロポーザルで求める設計者チームの業務が、そうした新たな職能の必要性を実感させるものである必要があります。たとえば、以前実施した「佐川町新文化拠点(仮称)整備基本設計業務プロポーザル」では、以下のように明示的に情報環境の設計を求めました。

佐川町新文化拠点(仮称)整備基本設計業務プロポーザル実施要項より

この記述を受け、人員・協力事務所等配置計画には「情報、ICT関連の技術職員」の記述欄を設けています。

様式第8号「人員・協力事務所等配置計画(2)」より

これはあくまで一例ですが、本来はどの職種職能にも、なぜその方を必要とするのかを明示すべきでしょう。そのうえで適切に比較・検討し、評価を行うべきと考えます。

他方、こうした要求事項が明確でないのなら、チーム体制の多様性を安易に求めるべきではないでしょう。前回の記事で述べたチームの組成理由の大前提になることです。上に引いたのは情報設計の職能例ですが、防災・減災やコミュニケーション、サービス計画や管理運営計画の職能についても同様に求める役割が明確であることが必要です。これから実施するプロポーザルで選ばれるチームに含まれる必要があるメンバーを具体的に想像してみましょう。どういう職能のメンバーと仕事をすることが望ましいでしょうか。どういう職能のメンバーと仕事がしたいでしょうか。

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