ああ虚しき全国ツアー… part1

9月某日、宙組全国ツアーのチケットが当選した。
親から当選を聞いた瞬間、「え!?全国…」と、ついに全国にまで自分たちの醜態を晒し、自分たちがいかに無実で純粋な、愛と絆で結ばれた集団であるかをアピールするのかと、唖然とするしかなかった。  その反面、ありのままの宙組や加害者の姿やファンの生態。 それを生で見るのはある意味貴重だと、ほんの少しワクワクしていた。 でも、全国ツアーに対して負の感情を抱いていたのは嘘じゃない。
さて、負の感情を持った観客が紛れこんでいることは露知らず。会場の宙組ファンはみんな平気な顔で笑っていて、楽しそうだった。  完全に浮いていた私は、まだ開場さえしていないのに、観劇を尻込みして、ファンの醜態に呆れ返った。 例の上級生の罪が完全に浄化されたわけじゃないのに…   劇団が曖昧に事件にけりを付けただけなのに。   
なぜ、パワハラを行った張本人を笑って迎えられるのだろう。  感覚が世間のものではなくなっている。
と、ファンに違和感を抱きながら、瞬く間に開場し、そしてついに幕が開いた。 続く

いいなと思ったら応援しよう!