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【Revit】階段の作り方 -階段ファミリパラメータ編-
階段に関する組み込みパラメータを紹介します。Revitの階段はパラメータが多いため、何がどう作用するのかがわからず、苦手意識を持ってしまう人もいるかもしれません。
すべてを覚える必要はありませんが、意図したモデリングを行うために最低限の知識だけでも身に付けると業務の効率化に繋がります。
階段のパラメータ
階段はシステムファミリとして組み込みパラメータが多く用意されています。また、ファミリによっては微妙に内容が異なるので、併せて確認していきましょう。
階段のインスタンスパラメータ
![](https://assets.st-note.com/img/1727927202-Tg3qrLUxlRNnzKtdMV21kOXC.png)
[拘束]パラメータグループ
〇階段全高
●パラメータタイプ
長さ
●Revit内での表示
「基準レベルと上部レベル間の階段の高さを指定します。([上部レベル]の値が[指定]に設定されている場合は、変更のみ可能です。)」
●計算式
[階段全高] = ( [上部レベル] + [上部レベル オフセット] ) - ( [基準レベル] + [基準レベル オフセット] )
こちらはRevit内の表示のとおり、基本的には読み取り専用の自動計算パラメータです。説明には[上部レベル]の値が[指定]とありますが、Revit 2025では[なし]と表記されています。
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[寸法]パラメータグループ
今回は以下の4つを紹介します。
蹴上数
現在の蹴上数
現在の蹴上寸法
踏面/蹴上開始番号
〇蹴上数
●パラメータタイプ
整数
●Revit内での表示
「蹴上の数はレベル間の高さに基づいて計算されます。このパラメータの値を変更すると、それに合わせて[実際の蹴上げ寸法]の値が変更されます。」
●計算式
[蹴上数] = [階段全高] / [蹴上げの最大高 =最大蹴上げ寸法] ※小数切り上げ
このパラメータはデフォルトではタイプパラメータ[蹴上げの最大高 =最大蹴上げ寸法]の数値と階段全高から自動計算された値が入力されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1727957921-jcUHGrWzs0xwSea4Q6iR53q8.png?width=1200)
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〇現在の蹴上数
●パラメータタイプ
整数
●Revit内での表示
「通常、[指定の蹴上げ数]と同じ値です。(読み取り専用) この値は、階段経路の作成時に正しい蹴上げ数を追加しなかった場合、指定の蹴上数と一致しない可能性があります。」
このパラメータはユーザーが階段を実際に作成した蹴上の数です。また[指定の蹴上げ数]とは、前項の[蹴上数]のことです。そのため上記の説明は、「計算された蹴上数と実際に作成した蹴上数は必ずしも一致しない」ということ示しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1727958204-T6uA5z3v1DHYFgr9fjkQt7NX.png)
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〇現在の蹴上寸法
●パラメータタイプ
長さ
●Revit内での表示
「値は[蹴上げの最大高]階段タイプ プロパティで指定した値以下になります。(読み取り専用) この値は、[指定の蹴上げ数]の値を変更すると、必要に応じて更新されます。」
●計算式
[現在の蹴上寸法] = [階高全高] / [蹴上数]
このパラメータの値は自動で計算されます。
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〇踏面/蹴上開始番号
●パラメータタイプ
整数
●Revit内での表示
「踏み面/蹴上げ番号の注釈における開始番号を指定します。」
デフォルトでは1が入力されていますが、任意の値に変更可能です。これは踏面数の注釈を使用した際に可視化されます。
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[構造]パラメータグループ
〇かぶり厚
●パラメータタイプ
ドロップダウン リスト
●Revit内での表示
「要素の外側面からのかぶり厚の距離を指定します。ドロップダウン リストから、定義済みのかぶり厚設定を選択します。[かぶり厚設定]ダイアログ ボックスでその他の設定を定義します。」
このパラメータは階段ファミリが「プレキャスト階段」または「現場打ち階段」の場合に使用できます。鉄筋をホストする際のかぶり厚の設定が可能で、通常の構造躯体と同様の扱いとなります。
階段のタイプパラメータ
![](https://assets.st-note.com/img/1727958547-dHbvBNoVUslauXqA2ERTnMPY.png)
[計算規則]パラメータグループ
今回は以下の4つを紹介します。
蹴上げの最大高 =最大蹴上寸法
最小踏み面奥行き
最小階段経路幅
計算規則
〇蹴上げの最大高 =最大蹴上寸法
●パラメータタイプ
長さ
●Revit内での表示
「階段経路を作成するときに使用する蹴上げの高さの上限値です。 プロジェクト要件および建築基準法に合わせて、「蹴上げの最大高」を設定します。 階段のインスタンス プロパティが変更されて、この最大値を超えた場合には警告が表示されます。」
このパラメータは基準として予め設定をしておきます。警告は無視できますが、ルール内でモデリングを行う際には便利なパラメータです。
![](https://assets.st-note.com/img/1727958656-oyswVtj4MkPH6fgREhSpLx2W.png)
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〇最小踏み面奥行き
●パラメータタイプ
長さ
●Revit内での表示
「階段経路を作成するときに使用する踏み面の奥行きの最小値です。 プロジェクト要件および建築基準法に合わせて、[最小踏み面奥行き]を設定します。 階段のインスタンス プロパティが変更されて、この最小値を下回った場合には警告が表示されます。」
前項と同様、基準として事前に設定しておくパラメータです。基本的にはこの値のサイズで階段の踏み面がモデリングされます。
![](https://assets.st-note.com/img/1727958740-RIS4vuPbmUOZYBAQVXzD6fqw.png)
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〇最小踏み面奥行き
●パラメータタイプ
長さ
●Revit内での表示
「階段経路の既定の幅です。プロジェクト要件および建築基準法に合わせて、[最小階段経路幅]を設定します。 階段のインスタンス プロパティが変更されて、この最小値を下回った場合には警告が表示されます。」
こちらは前項とほぼ同じ意味合いのパラメータです。モデリングのデフォルトサイズになる点も同様です。
![](https://assets.st-note.com/img/1727958801-g2dqA9OIGyhx86uCeSWHnrJf.png)
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〇計算規則
●パラメータタイプ
ボタン
●Revit内での表示
「階段経路の勾配を定義するには、計算規則を適用します。 階段の計算規則により階段経路の概算式が導かれ、階段経路が作成されるのと同時に勾配が定義されます。」
日本国内においても、”勾配が22/21以下であり、けあげの寸法の2倍と踏面の寸法の和が550㎜以上650㎜以下であり、かつ、踏面の寸法が195㎜以上であること。”という基準に沿って階段の設計を行う場合は、この計算規則を使用します。
550 ≦T + 2R ≦ 650 (T = 踏み面寸法、R = 蹴上げ寸法)に当てはめて基準を設けておくことができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1727958901-tmyIwackJNY3elGh8SXnBjCZ.png)
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[構成]パラメータグループ
今回は以下の3つを紹介します。
階段経路のタイプ
踊り場のタイプ
機能
〇階段経路のタイプ
●パラメータタイプ
文字
●Revit内での表示
「階段経路の生成に使用される階段経路ファミリ タイプです。 モデル内で定義された階段経路タイプを選択するか、新しい階段経路タイプを作成します。」
階段に用いる階段経路を指定することができます。階段経路自体は別のシステムファミリとなっており、あらかじめタイプの複製などを行っておくことで選択肢として用意しておきます。この階段経路ファミリのパラメータは別の記事にてご紹介します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727959109-hKk5vg4MRP1VEBYla8sSALDp.png)
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〇踊り場のタイプ
●パラメータタイプ
文字
●Revit内での表示
「階段経路の間に踊り場を作成する場合に使用するファミリ タイプです。 モデル内で定義された踊り場タイプを選択するか、新しい踊り場タイプを作成します。」
階段経路のときと同様に、階段に使用する踊り場のタイプを指定します。タイプ複製も同様に可能です。
![](https://assets.st-note.com/img/1727959209-HAVGNMk8hBgR3jaX2Une7mrz.png)
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〇機能
●パラメータタイプ
ドロップダウン リスト
●Revit内での表示
「要素が内部と外部のどちらであるかを指定します。この値は、集計や、書き出し時にモデルを単純化するためのフィルタ作成時に使用されます。」
1つのパラメータとして集計したり、フィルタに使用することができ、屋外階段などの区別をする際に使用します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727959330-rkyHC2Q3DJzqTpVwMhuciaR6.png?width=1200)
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[桁]パラメータグループ
今回は以下の6つを紹介します。
右/左側の桁
右/左側の桁のタイプ
右/左側面オフセット
中桁
中桁のタイプ
中桁の数
〇右/左側の桁
●パラメータタイプ
ドロップダウン リスト
●Revit内での表示
「階段右/左側の桁を作成する場合は[(閉じた)側桁](2)または[(開いた)中桁(3)を指定します。作成しない場合は[なし](1)を指定します。 側桁では、踏み面と蹴上げが覆われます。中桁では、踏み面と蹴上げが露出します。」
桁の有無、種類を指定します。側桁または中桁を指定した場合は次の項目でタイプを指定します。
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〇右/左側の桁のタイプ
●パラメータタイプ
文字
●説明
「階段で使用する右/左側の桁のタイプを設定します。」
階段経路や踊り場のときと同様で、桁もシステムファミリとして用意されています。側桁、中桁それぞれでタイプを作っておくことができるので、ここではそれを指定します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727959489-kO7EyVRlzgTLC2M4rZhfPAuF.png)
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〇右/左側面オフセット
●パラメータタイプ
長さ
●Revit内での表示
「階段経路のエッジから水平方向に右/左側の桁をオフセットする値を指定します。」
このパラメータは[右/左側の桁]が[(開いた)中桁]のときに変更することができます。
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〇中桁
●パラメータタイプ
はい/いいえ
●Revit内での表示
「中間点の桁を階段で使用するかどうかを示します。」
両側の側桁に対し、階段中央に設ける桁を使用するかどうかを選択することができます。
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〇中桁のタイプ
●パラメータタイプ
文字
Revit内での表示
「階段で使用する中間点の桁のタイプを設定します。
先ほどの[右/左側の桁のタイプ]と同様に中桁のタイプを指定することが可能です。
![](https://assets.st-note.com/img/1727959676-Tz0qnuR1JZXxYgcH5DStLrAd.png)
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〇中桁の数
●パラメータタイプ
整数
●Revit内での表示
「階段で使用する中間点の桁の数を設定します。」
1以上の数値を指定します。間隔の寸法は以下の計算となります。
間隔寸法 = 階段経路幅 / (中桁の数 + 1 )
![](https://assets.st-note.com/img/1727959764-nMrhuyxC6oeqjFkPIJD0wb3U.png?width=1200)
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[グラフィックス]パラメータグループ
〇切断マークのタイプ
●パラメータタイプ
文字
●Revit内での表示
「階段がビューの切断面より先まで延びていることを示すために使用する切断マークです。 モデル内で定義された切断マーク タイプを選択するか、新しい切断マーク タイプを作成します。」
階段経路や踊り場、桁のときと同様のパラメータです。注釈記号としての切断マークもシステムファミリとして用意されており、細かな設定が可能となっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1727959844-EF9jXlJetw6Zu5LUay0WqA2N.png?width=1200)
まとめ
今回はパラメータの紹介と各パラメータの解説をしました。数は多いものの、意味を理解してしまえばそこまで難しくないのではないでしょうか。尚、関連するシステムファミリのパラメータについては別の記事で紹介します。
また、階段の作り方の概要は以下からお読みいただけます。
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