【Revit】階段の作り方 -階段ファミリパラメータ編-
階段に関する組み込みパラメータを紹介します。Revitの階段はパラメータが多いため、何がどう作用するのかがわからず、苦手意識を持ってしまう人もいるかもしれません。
すべてを覚える必要はありませんが、意図したモデリングを行うために最低限の知識だけでも身に付けると業務の効率化に繋がります。
階段のパラメータ
階段はシステムファミリとして組み込みパラメータが多く用意されています。また、ファミリによっては微妙に内容が異なるので、併せて確認していきましょう。
階段のインスタンスパラメータ
[拘束]パラメータグループ
こちらはRevit内の表示のとおり、基本的には読み取り専用の自動計算パラメータです。説明には[上部レベル]の値が[指定]とありますが、Revit 2025では[なし]と表記されています。
…………………………………………………………………………………………………………………………
[寸法]パラメータグループ
今回は以下の4つを紹介します。
蹴上数
現在の蹴上数
現在の蹴上寸法
踏面/蹴上開始番号
このパラメータはデフォルトではタイプパラメータ[蹴上げの最大高 =最大蹴上げ寸法]の数値と階段全高から自動計算された値が入力されています。
…………………………………………………………………………………………………………………………
このパラメータはユーザーが階段を実際に作成した蹴上の数です。また[指定の蹴上げ数]とは、前項の[蹴上数]のことです。そのため上記の説明は、「計算された蹴上数と実際に作成した蹴上数は必ずしも一致しない」ということ示しています。
…………………………………………………………………………………………………………………………
このパラメータの値は自動で計算されます。
…………………………………………………………………………………………………………………………
デフォルトでは1が入力されていますが、任意の値に変更可能です。これは踏面数の注釈を使用した際に可視化されます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[構造]パラメータグループ
このパラメータは階段ファミリが「プレキャスト階段」または「現場打ち階段」の場合に使用できます。鉄筋をホストする際のかぶり厚の設定が可能で、通常の構造躯体と同様の扱いとなります。
階段のタイプパラメータ
[計算規則]パラメータグループ
今回は以下の4つを紹介します。
蹴上げの最大高 =最大蹴上寸法
最小踏み面奥行き
最小階段経路幅
計算規則
このパラメータは基準として予め設定をしておきます。警告は無視できますが、ルール内でモデリングを行う際には便利なパラメータです。
…………………………………………………………………………………………………………………………
前項と同様、基準として事前に設定しておくパラメータです。基本的にはこの値のサイズで階段の踏み面がモデリングされます。
………………………………………………………………………………………………………………………
こちらは前項とほぼ同じ意味合いのパラメータです。モデリングのデフォルトサイズになる点も同様です。
…………………………………………………………………………………………………………………………
日本国内においても、”勾配が22/21以下であり、けあげの寸法の2倍と踏面の寸法の和が550㎜以上650㎜以下であり、かつ、踏面の寸法が195㎜以上であること。”という基準に沿って階段の設計を行う場合は、この計算規則を使用します。
550 ≦T + 2R ≦ 650 (T = 踏み面寸法、R = 蹴上げ寸法)に当てはめて基準を設けておくことができます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[構成]パラメータグループ
今回は以下の3つを紹介します。
階段経路のタイプ
踊り場のタイプ
機能
階段に用いる階段経路を指定することができます。階段経路自体は別のシステムファミリとなっており、あらかじめタイプの複製などを行っておくことで選択肢として用意しておきます。この階段経路ファミリのパラメータは別の記事にてご紹介します。
…………………………………………………………………………………………………………………………
階段経路のときと同様に、階段に使用する踊り場のタイプを指定します。タイプ複製も同様に可能です。
…………………………………………………………………………………………………………………………
1つのパラメータとして集計したり、フィルタに使用することができ、屋外階段などの区別をする際に使用します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[桁]パラメータグループ
今回は以下の6つを紹介します。
右/左側の桁
右/左側の桁のタイプ
右/左側面オフセット
中桁
中桁のタイプ
中桁の数
桁の有無、種類を指定します。側桁または中桁を指定した場合は次の項目でタイプを指定します。
…………………………………………………………………………………………………………………………
階段経路や踊り場のときと同様で、桁もシステムファミリとして用意されています。側桁、中桁それぞれでタイプを作っておくことができるので、ここではそれを指定します。
…………………………………………………………………………………………………………………………
このパラメータは[右/左側の桁]が[(開いた)中桁]のときに変更することができます。
…………………………………………………………………………………………………………………………
両側の側桁に対し、階段中央に設ける桁を使用するかどうかを選択することができます。
…………………………………………………………………………………………………………………………
先ほどの[右/左側の桁のタイプ]と同様に中桁のタイプを指定することが可能です。
…………………………………………………………………………………………………………………………
1以上の数値を指定します。間隔の寸法は以下の計算となります。
間隔寸法 = 階段経路幅 / (中桁の数 + 1 )
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[グラフィックス]パラメータグループ
階段経路や踊り場、桁のときと同様のパラメータです。注釈記号としての切断マークもシステムファミリとして用意されており、細かな設定が可能となっています。
まとめ
今回はパラメータの紹介と各パラメータの解説をしました。数は多いものの、意味を理解してしまえばそこまで難しくないのではないでしょうか。尚、関連するシステムファミリのパラメータについては別の記事で紹介します。
また、階段の作り方の概要は以下からお読みいただけます。
各種コンテンツの紹介
ArentではBIMやRevitに関する様々な情報を配信しています。BIMを活用し、圧倒的な業務効率化を実現する方法やRevitのTipsなど、日々の業務のお困りごとを解決するヒントとしてお役立てください。
BIM×自動化で圧倒的な業務効率化を生み出す
Revit Tips & Tricks
BIM先進国に学ぶ、導入から活用までのBIM推進史
Arentについて
Arentは強みの建設業界へのドメイン知識や技術力を活かし、BIMと自動化技術の融合によるDXを推進しています。BIMを活用したDXや業務効率化に関するご相談は以下よりお問い合わせください。
著者について
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?