見出し画像

ミナシゴノシゴトの仕事│④役割の明確化

▶出版物の編集


話を若干戻して、僕は漫画、ゲームそれぞれの原作者を経験してきた。

小説や漫画の世界では、基本的に著作物の変更は逐一連絡が来る。

作家本人が添削する場合もあれば編集者が断りを入れてから添削する場合もある。

この辺りはもちろん作業工程による。初稿から赤入れなど、いくつかやりとりする間、はじめは丁寧だが、〆切間近はさっと編集者が手を加えて良くて事後報告などままある。

また作家のキャリアと、編集部の方針、特に編集者の方針によって幅もある。

とにかく書いてる本人の了承を得た上で作品に変更が加えられるケースが基本だった。

けれどここまでで述べた通り、ゲームシナリオは大きく違う。

前向きに言うと、ゲームはすべてが主役だ。

システムUI、グラフィック、CV、シナリオ、BGM、どれが欠けても良くないし、その調和から1つの傑作が生まれる。

当然、それぞれの分野のプロが関わっており、それぞれが主役だと思う。

対して本はテキスト(文章)あるいは漫画が主役であり、それを書く作家が主役だ。

影に関わっているすべての方へ感謝しつつ、紐解くとここに大きな違いがあり、やはり役割を明確に認識する必要がある。

▶20代の時のゲームシナリオ


以前関わったゲーム企画について話を戻す。

要約して振り返ると、そもそも「事前の話し合いが足りなかった点」が良くなかった。

この件は最終的に、僕の名前を出さないことを条件に、シナリオを買い取ってもらう形で離婚となる。仕事をした分だけ賃金を頂き、問題の企画から離れたのだ。

リリースされたその作品は、世界観やシナリオなどはほぼ丸ごと変えられていた。

僕がした仕事の名残は、ゲームのタイトルと一部キャラの名称、あと監修したキャラクターデザインだった。(結構残ったと思う。)

この作品はその後7年稼働し、惜しまれつつサービス終了を迎えていた。

ちなみにミナシゴノシゴトの場合は、ちゃんと事前に添削や監修が伴っているので安心して欲しい。お伝えしているトラブルも現在まで一切ない。

すべて、ここまでお伝えした経験が活かされ、何か起きる前に相談や確認を徹底している。

総じて、「自分が怒るような状況を作らない」というのもシゴトだと思う。

ここまで長くなったが、言いたいことの一つは、過去の手痛い経験が、ミナシゴノシゴトには存分に活かされている点だ。

▶7年続くコンテンツに


ほぼ余談だが、実はミナシゴに関わっている関係者の中にも、僕が以前関わったゲームに関わった方がいて、業界の認識では「売れた作品ですよ」と驚かれた。

実際7年続くというのは成功作として見て良いと思う。素直にうれしい気持ちと、「そっか」という他所事の気持ちが混在している。

今だったらもっと別の、大人としての立ち回りは出来たかもしれないが、多分結果は変わらなかったと思う。

あまり後悔はしない性分だし、こういう機会がないと過去のことはあまり思い出さないのもある。

この件で学んだことの一つは、「仕事上で自分が大切にしているポリシー(プライド)に関わることは率直に確認しておく」こと。

そして自分がタイトルコピーを考えたコンテンツが7年続いたことへの自信だった。

奇しくもミナシゴノシゴトがリリースした直前に、上記の作品がサービス終了を迎えていた。

だからミナシゴリリース後の目標の一つに、「ミナシゴも7年以上愛されるコンテンツに」という目標が生まれた。

当時は頑張って書いたものが勝手に変更され、いろいろとくやしい思いがあったり、人に話せない苦しみもあったが、今思うと、とても良い糧になった。

そしてこの件のお陰で、ミナシゴにおいては疑問があることは事前に聞くことが出来た。

認識の限り仕事で関わる方には最大限の敬意と謙虚さで接する自分になれた。(いや当時も頑張ってたんだけどさ)

もちろん影では「岡田のやろう」と嫌われてるかもしれないが、その辺りは「ごめんなさい」と謝り、良い仕事でお返しできるように頑張るしかない。

失敗談から入ったが、そもそもミナシゴに関わるスタッフの皆様においては、本当に手厚い環境と配慮を頂き、また様々ご迷惑やお騒がせをしている。

心から感謝しています。いつもありがとうございます。(ここが言いたかった!)

なので賢明な読者の皆様においては、重ね重ね安心してほしい。

つづく

いいなと思ったら応援しよう!