エリアマネジメント・ケースメソッドCase7 株式会社ジェイ・スピリット ~自由が丘ブランドに込められた精神を受け継ぐ~
「エリアマネジメント・ケースメソッド 官民連携による地域経営の教科書」のCasa7に掲載されている、自由が丘のまちづくり会社ジェイ・スピリットのケースをご紹介します。
(写真1:東急東横線自由が丘駅前の風景)
みなさんは自由が丘と聞くと何を連想しますか?見た目にも美しいスイーツ?おしゃれな内装の雑貨店?それとも緑豊かな街並みでしょうか。
(写真2:自由が丘を紹介する風景として良く使われる、九品仏川緑道沿いのまちなみ)
自由が丘はそのようなイメージを抱かせるブランド力を持ったまちとして知られており、住みたいまちランキングでも常に上位をキープしています。
でもそんなおしゃれで洗練されたイメージを持つ自由が丘の「自由が丘らしさ」を保ち、育むために絶え間ない努力をしている人たちがいること、
そして「自由が丘」という地名に込められた想い。
私は今回のインタビューでそんな自由が丘の知られざる部分を垣間見ることができました。
インタビューに応じていただいたのは、自由が丘のまちづくり会社で事務を務める中山さん。
中山さんは、「地域に根差した仕事に就きたい」と考えてほぼ新卒の状態で自由が丘商店街振興組合に就職し、
20年以上自由が丘のまちづくりの現場を支えてきました。
私が中山さんへのインタビューを通じて特に印象に残ったことが2つあります。
1つ目は、「自由が丘」という地名に込められた先人たちの想いを今の自由が丘を支える中山さんたちもとても大切にしていること。
自由が丘の地名の由来は書籍にも記載しているのでぜひご確認ください。
中山さんがインタビューのなかで自由が丘のまちづくりの特徴を「自由が丘という名前のもとに一つになれる反面、皆が納得しない限りまちを変えるのが困難」と語ったのは、このような「自由が丘」という地名への想いを地域の皆が共有しているためです。
(写真3:昭和5-6年の学園通り)
2つ目は、自由が丘のまちづくりはとても長期の視点で考えられていること。
私はインタビューを行う前、自由が丘というまち自体も、そのまちを支える商店街振興組合やジェイ・スピリットといった組織も既に成熟段階にあるものと思っていました。
しかし中山氏へのインタビューで得られた回答は「自由が丘のまちはまだ成熟期を迎えていない。今がやっと成長期という段階ではないか」というものでした。
この2つを理解すれば、書籍中で中山氏が語る「セオリーどおりに変えられるまちは結局ほかと同じようなまちにしかならない。
個性を持っているまちほど変わるのには時間がかかる。
自由が丘を変えていくにはじっくりと構え、議論を積み重ねていくしかない。」という言葉に深く頷くことができるはずです。
都市のブランド力とは何か、どうすればブランド力のある都市になれるのかと悩む自治体やエリアマネジメント組織は多いと思いますが、自由が丘のケースメソッドはそういったお悩みへの示唆が得られるのではないでしょうか。
なお、自由が丘では2020年9月に、全国で初めて株式会社(ジェイ・スピリット)が地域のグランドデザインを策定しました。
書籍とともに「自由が丘駅周辺地区グランドデザイン」(http://www.jiyugaoka-spirit.com/group03/382)もぜひご覧ください。
5月14日(金)発刊予定 (予約受付中)
エリアマネジメント・ケースメソッド:官民連携による地域経営の教科書
https://amzn.to/3g7igpM
(文章:松下佳広)
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