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「エリアマネジメント・ケースメソッド Case1 錦二丁目エリアマネジメント株式会社・Case12 一般社団法人二子玉川エリアマネジメンツ」(葛西)

今回は、愛知県名古屋市中区(Case1:錦二丁目エリアマネジメント株式会社)と東京都世田谷区(Case12:一般社団法人二子玉川エリアマネジメンツ)のケースについて、事例執筆者よりエリアマネジメント事業から生まれるご縁とシナジーについて感じたことを書いてみました。

5/14以降は、ぜひ本に掲載の事例と合わせてお読みいただけると、より他事例でもさまざまな事業と人の関わり方が見えてくると思います。

エリアマネジメントを担う組織形態は、株式会社、一般社団法人、NPO法人、任意団体とさまざま。そしてその組織に関わる方々の関わり方もさまざまです。
各事業を遂行する上で最適な形態を選択し、人材の採用を行い、エリアマネジメントは動いていく、その立ち上げの過程に携わる機会を何度かいただきました。
そこで感じたエリアマネジメントの魅力は、「地域と人がつながる縁で生まれるシナジー」です。
出身地でもない地域と何かの“ご縁”でつながり、そこから第二の故郷のような存在が人生の中でできる。その効果として、地域にも新しい風が吹き、そこにもともと住んでいた人に刺激がもたらされ、関わることになった本人も「拠り所」を得られる。
地域そして関わる人にたくさんの良きシナジーが生まれることは、エリアマネジメントの大きな魅力だと感じています。

まず、Case1の錦二丁目エリアマネジメント株式会社について。

代表取締役社長の名畑恵さんにインタビューをさせていただきました。
名畑さんは、大学院生の頃からこの地域に関わり、ご縁があって、関係団体に就職。
そして今ではこの地域の事業を担う株式会社の代表取締役社長になられています。
お世話になっていた研究室の教授と一緒に訪れた錦二丁目。まちづくりの「ま」の字もノウハウもわからない中、地域の人に馴染みながら存在感を示す教授の背中を見て学ばれました。

・自身が会社の経営など携わることになるとは想像もしていなかった。新しい可能性を掴むことができた。
・さまざまな人と関わる中でたくさんのかけがえのない「仲間」ができた。
「代表というプレッシャーも抱える中、今はすごく充実した日々を送っている」と語る名畑さんの表情は、人と関わることの楽しさとこの大切な地域を自分の手でしっかりと支えるんだ、という責任感で活き活きとされています。
「私だけの力では何もできません」と謙虚な姿勢で地域を引っ張る姿も魅力的な名畑さんです。

続いて、Case12の一般社団法人二子玉川エリアマネジメンツについて。

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この組織の会員である東急株式会社の社員として配属され、一般社団法人二子玉川エリアマネジメンツの事務局を担われている内野洋介さんにインタビューをさせていただきました。
「配属された」というご縁で始まった二子玉川とのつながりが今では、ご自身が『住むまち』に。二子玉川に引っ越しをされたのです。
企業の配属であれば、人事異動があるかもしれません。そして、この事業から離れてしまう可能性もあります。
でも内野さんには、第二の故郷ができました。
この一人の企業担当者の方が地域に来たことで、二子玉川には、
・「こんなことをしてみたいな〜」とアイデアを投げかけ、形作ってくださる頼れる存在ができた
・商店街も一緒になってまちを盛り上げるイベントや企画が生まれた
そして、当時、配属された一人の男性は、
・第二の故郷となる自身が心安らぐ住まいを得られた
・「あんなことやってみたいな〜」を実現できる仲間ができた
二子玉川にも新しい風が吹きました。

内野さんと昼食をいただいたときの印象的なエピソードです。
クラフトビールを開発して、二子玉川を盛り上げようとしている女性オーナーが経営しているお店でランチ。
「すごくパワフルなオーナーなのでぜひ会ってほしいのですが、オーナーいるかな〜」と店内を覗く内野さん。
「いらっしゃりました!!」と明るく一声。その日はたまたま出勤されていて、ありがたいことにオーナーにご案内いただけたのです。
そこから始まったのが、オーナーからの矢継ぎ早に続く相談ごとの連打!
「そうそう、野菜のことで、、、そうそう、フットサルしよって話さ、あれからさ、、、そうそう、、、」
そのお話に楽しそうに答える内野さん。
内野さんは仕事なのかプライベートなのか?いや境界線が明確にないほどこの地域に馴染んでいる。いや、その境界線など意識することなど忘れてこの地域を楽しんでいる、と感じた瞬間でした。
内野さんがこの地域に関わるご縁がなければ、こんなに話題がどんどん溢れ出る時間は得られなかったかもしれません。

この二つの事例で共通して感じたのは、まさに、「地域と人がつながる縁で生まれるシナジー」。地域にとっても関わる人にとっても良い効果が生まれる、ここでしかできなかった体験が生まれる。
それがエリアマネジメントの大きな魅力だと改めて感じることができました。

きっかけは人それぞれ。でもそこでしか得られない人生におけるかけがえのない何かが各地域で生まれていると思います。
読んでくださる皆様はもうすでにそのシナジーをどこかの地域で感じられていますか。
または、感じ始めていますか。
それとも知り合いがシナジーを生み出されていますか。
各事例をぜひ、読んでいただきながら、人と地域のご縁が生まれている瞬間も味わっていただきたいな、と思います。
そして『自分だったらどんなシナジーをさらに生み出すか?』と考えながら、楽しく読み進めていただけると幸いです。

インタビューにご協力いただいたお二方に改めて御礼申し上げます。
そしてこれからも巻き起こるシナジーを楽しみにしています。

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(執筆:葛西優香)

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