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地域の挑戦者インタビュー vo.1 長野 紘貴さん

本企画は、NPOエリア・イノベーションの関係者、応援者をはじめ、実践型インターンシップ、兼業等を通じて、一歩踏み出し、挑戦される経営者、社会人や学生の方々のインタビューをお伝えします。

今回お話を伺ったのは、NPOエリア・イノベーションでファシリテーター兼webデザイナーを務める長野紘貴さん。IT企業でフロンドエンドエンジニアの仕事をしながら、岡山の専門学校の非常勤講師としての仕事や社会課題解決に向けた活動も行っています。

社会課題解決に向けて動き出したきっかけや、現在取り組まれていること、更に今後挑戦したいことまでお話していただきました。
(インタビューアー/インターン生 高木 天音)

長野 紘貴さん  1992年岡山県生まれ。関西国際大学の心理学科卒業。その後、ファシリテーターとして仕事を始める。2014-2017年は、複業の働き方を実践し、NPOや企業などで働く。2018年から、デザイン・HP制作などにも取り組む。現在は個人事業主、専門学校の非常勤講師、東京のIT企業などで仕事をしている。

バイクの事故による「もっとちゃんと生きたい」という想いが挑戦の源泉


〇社会課題に興味をもったきっかけをお聞かせください。

きっかけは社会起業家の方のお話を聞いたことです。
大学一年生の時にバイクの事故に遭いました。大学で犯罪心理学を学んでいたということもあり、元々、社会課題に関心がありました。しかし、事故がきっかけで、時間の有限さに気付きました。「(時間を大切に)もっとちゃんと生きたい」という気持ちになり、より社会課題解決への想いが強くなりました。

その後イベントで、社会をよりよくするために起業された方のお話を聞き、様々な社会課題の中でもまずは自分が生まれ育った岡山の課題を解決したいという気持ちになりました。NPOエリア・イノベーションと関わることになったきっかけもこの頃です。岡山のイベントに参加する中で藤井さん(NPOエリア・イノベーション代表)と出会い、地域の課題を解決していく仕事の在り方を学びました。

〇その後、具体的にどのような行動を起こしましたか?

ファシリテートに関心があって、岡山の未来を考える場である「対話の場」を作りました。その課題に直面する関係者が集まって話し合うことで、新しい関係性が生まれると感じています。また、それぞれが持っているアイデアを結合することで課題解決に近づきます。

エリア・イノベーションの活動としては「インターンシップフェア」のファシリテートをしました。「インターンシップフェア」は、大学生向けに岡山の実践型インターンシップに参加するきっかけを作るイベントです。

ファシリテーターには、自分の過去の体験から憧れの気持ちがありました。参加したイベントでファシリテーターが話しやすい場を作っているのを見て、「こういう話しやすい場作りによって課題解決のヒントが生まれるんだな」と肌で感じました。

大学生とともに、インターンシップフェアの準備をする長野さん(2015年)

社会課題の解決にはITなどの技術的なものが必要

〇ITに関わり始めたのはいつ頃ですか?また、その理由をお聞かせください。

25歳くらいからです。
  ITに関わり始めたのは、社会課題を解決に近づけるには、ITの力が必要だと思ったからです。「対話の場」などのワークショップをする中で、ITで良いアイデアを実現させていく可能性を感じました。しかし、それらの担い手がおらず、実現することが出来ませんでした。この現状を見て、「それなら自分がやる」という気持ちになりました。また、課題解決ができなくとも、プログラミングを学べば、「ITでどこまで解決できるか」が自分で分かると思いました。

そこから30歳になるまで個人でエンジニアとしての仕事やwebデザインの仕事を続けました。30歳になってから、現在勤めている企業に入社し、チームで行うようになりました。チームで取り組むようになったことで、より速く・より高いクオリティで仕事ができます。

〇現在は、IT企業でのお仕事と並行して社会課題解決に向けた活動をされているとのことですが、具体的にどのような活動をされていますか?

「SDGsネットワーク岡山」のSNOWという若者部会に携わさせていただいています。また、その中で岡山ESD推進協議会と一緒に若者の話し合いの場を作っています。
  「今、課題に取り組む必要がある」という想いと、自分の持っている力を活かせるならば、せっかくなら活かしたいという想いで取り組んでいます。

目指しているのは、社会課題を意識せずに解決できる未来

〇今後は、どのようなことに挑戦したいですか?今後の目標があればお聞かせください。

伴走者としても、プレイヤーとしても、取り組みたいと思っています。
伴走者としては、自分の能力やスキルが使えるならば提供します。もし誰かが挑戦する時に、スキルなど何かが足りていなければ、ファシリテーターとかwebデザインとか自分ができることを補完し、頑張る人を支えたいという気持ちがあります。

プレイヤーとしては、作りたい未来を追求したいです。今の社会課題を次の世代に引き継がせたくないという想いがあります。

〇長野さんの目指す未来とはどのような未来でしょうか?

ITなどの技術的なものを駆使して、「社会課題を意識せずに解決できる未来」を目指しています。例えば、ごみを自動で収集するお掃除ロボットがいれば、「ポイ捨て」が悪だとみなされなくなり、そもそも「ポイ捨て」という概念がなくなります。

少し語弊がありますが、社会課題には取り組みたい人が取り組めばよいと思っています。誰もが社会課題を理解して、意識的に取り組む必要はありません。今の生活を変えることはストレスになると思うからです。だから、私は技術的なものを用いて、意識しなくても課題を解決できるような方法を模索しています。「『社会課題』という概念を無くしたい」という想いです。

「『社会課題』という概念を無くしたい」と語る長野さん

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