地域の挑戦者インタビュー Vo.10 原田 安奈さん
今回お話を伺ったのは、瀬戸内海の笠岡諸島・六島で約3週間の実践型インターンシップに取り組んだ、大学3年生の原田安奈さん。高校生の時まで、六島と同じ笠岡諸島にある白石島にお住まいでした。現在は、沖縄でスポーツ健康学を学んでいます。
六島インターンシップに参加したきっかけや、インターンで印象に残ったことや大変だったこと、将来やりたいことまでお話いただきました。
「自分ももっと白石(原田さんの出身地)のために何かできるのではないか」という想い
〇大学ではどのようなことを学んでいますか。
教職を取るための勉強とゼミ活動に取り組んでいます。
スポーツが元々好きで、体育教師を目指してスポーツ健康学科を選択しました。
ゼミは、地域実践型のゼミに所属しています。論文執筆など座学がメインのゼミではなく、実際に地域に赴くなど実践的に学ぶことがメインのゼミであり、直近では「自転車を活用して地域を活性化する」という活動に取り組みました。「地域を自転車で回りながら地域の特産物を集めて、それを使った料理を作って食べる」という活動で自分たちでも面白がって取り組むことが出来ました。
〇六島インターンに参加したきっかけをお聞かせください。
ゼミで活性化に取り組んだ地域の過疎の状況が、自分の出身である白石島と似ていたからです。何か特別なものがあるわけではないし、栄えているわけではないという、白石と似た地域の活性化に取り組み、「自分ももっと白石のために何かできるのではないか」と考えるようになりました。ゼミに参加する前も、「離れてみると、島良かったな」、「島帰りたいな」と何となくは思っていましたが、これといった大きな想いはありませんでした。
その後、島で活動されている人に、自分が何かできることがないか相談しました。そこで六島のインターンシップを紹介して頂きました。六島は、過疎化という状況の中でもかなり多くの活動をしています。その六島でインターンを行い、過疎化が進んでいる白石で将来活かしたいという想いで参加を決めました。
〇六島インターンではどのような活動に取り組まれましたか。
メインでは、六島の教科書づくりに取り組みました。『六島の教科書』とは、六島に移住を検討している人に対して「六島はこういう所です」を伝えるものです。病院のことや学校のことなど、移住する人が必要な情報を全てまとめた教科書であり、移住するうえで不安なことを取り除くことを目的に作りました。
また、あまり関われませんでしたが、島民の特徴をまとめた図鑑である「島民図鑑」の作成にも携わりました。
六島では新しく学ぶことばかり 立ちはだかる困難には「積極性」で乗り越えた
〇今回のインターンで印象に残っていることと、学んだことをお聞かせください。
印象に残っていることは、島民の方の人柄の良さです。島民の方と触れ合っていくうちに、優しさや温かさをたくさん感じることができました。困ったことがあれば何でもしてくださったし、困ったことがなくても、「ご飯は食べているの?」と野菜を持ってきてくださるなど気にかけてくださいました。とにかく優しかったです。
学んだことについては、参加するまで知らなかったことが多く、新しく学ぶことばかりでした。特に、自治会の仕組みやまちづくり協議会の存在など、島の運営については関わったことがなく、知りませんでした。また、島民の暮らしの仕方も白石と全然違いました。白石では釣りをしたことがないのに、六島で釣りをしているお母さん方を見て驚きました。「自分も高校まで六島と同じ笠岡諸島に住んでいたのに、白石島と六島では違うことばかりだな」と感じました。
〇今回のインターンで大変だったことをお聞かせください。
人間関係の難しさを学びました。長年島に住んでいるということもあり、島民の方の中でも仲良い人とそうでない人がいます。その中に自分が入って活動をするのが大変でした。
また、最初は島民の方の生活に溶け込めているかの不安もありました。島民の方の会話に入る時にタイミングを見極めることも難しかったです。
しかし、自分に興味を持ってもらうことが大切だと思っていたので、島の様々な行事や島民の方との会話に、自分からどんどん積極的に関わっていきました。話す時も固く話すのではなく、できるだけフランクに話すことを心がけていました。
白石と似た地域を回って、将来は白石で活かす
〇これからやりたいことや目標をお聞かせください。
いずれ白石に戻り、活性化に取り組みます。しかし、何も無しに白石に戻っても仕方がないと思っています。したがって、白石に似た地域をもっと回って、どのような活動をしているのか学んで経験して、白石に持ち帰って活かします。今回、六島で学んでことも活かしたいと思っています。