見出し画像

執筆後記:「白黒つけないベニガオザル」発売!

みなさま、ご無沙汰致しております、豊田です。
なんと前回のタイサル!第44話の更新は9ヶ月前だそうです。
そしてその44話の内容は「2年ぶりのタイ調査…」、つまり今からもう1年も前の話を書いているわけであります。
いかに長らく更新が停滞していたのかがよく分かりますね、申し訳ありませんでした。
沈黙していたnoteですが、その間にも毎月そこそこの数のアクセスが記録されていました。チラチラ様子を見に来てくださっていた皆さん、ありがとうございます!

今回は、停滞気味だったタイサル!の雰囲気を一新させつつの番外編的な投稿です。


ベニガオザルの本が発売されましたよ!

このnoteをご覧いただいている皆様はすでにもうご承知かと思いますが、ベニガオザルの本がついに発売されました。

この本は、タイサル!第30話で「研究者としての遺書」として書こうと言っていたものでした。

本にも少し書きましたが、本シリーズの編集をされている西江さん(Twitter:@hitonarunishie)から執筆の依頼を頂いたのは2021年10月、まだ海外渡航規制が厳しかったときでした。翌年度から学振PDに採択が決定していたものの、本格的な調査再開の目処は立てられず、終わりなきパソコン作業の毎日。
そんなこんなで時間ばかりが経っていく間に、過去に取ったデータとの連続性が途絶えてしまって、多くの研究テーマでイチからの出直し状態に…。
おまけに霊長研まで”解体”されるという話で、サル屋としての精神的支柱を失い絶望的な気持ちになっていたので、真剣に転職を試みていた時期でもありました。

そんなタイミングでの執筆依頼だったので、もういっそのこと、この本に今までやったことを全部洗いざらい書いて、すっきり研究から足を洗うか…という気持ちになっていました。「研究者としての遺書のつもりで書く」というのは、そういう意味でした。

結果として、いざ出来上がってみたら「こんな遺書じゃ死にきれねぇ!」ってことになっているんですが、今回はこの本の執筆後記ということで、アレコレ備忘録的な記事にしようと思います。


執筆依頼から初稿完成まで

いざ本を書くことになったら、最初にざっと構成の概要を決めます。
どんな章立てで、各章にどんな内容をどういう順番で書いていくか…
構成概要が固まれば、あとはひたすら骨組みに沿って書き続ける作業が始まります。

編集者さんとのやり取りを見返すと、12月に入った時点で1章:8950字、2章:16207字、3章:32109字を書き終え、第4章の執筆に移行していたみたいです。ここまではスルスル書きまくっていました。これはnoteを更新し続けていたことが大きかったと思います。意味不明な文章であったとしても、毎週6000字近い文章を書き続けていたおかげで、考えていることを文章に変換する作業が格段に早くなっていました。

加えて、もともとnoteは「将来書籍化されたらいいな」を希望に更新していたものでもありました。というのもあって、タイサル!シリーズとして調査地生活を書いた記事の他に、「いつか本を出すことになったら書きたいこと」の下書き記事のストック場所としても機能していました。こうした未公開記事がまとまった量あったことも、出だしが好調だった一因でした。

難関は4章でした。ここは私の博士研究のメインパート。故にそれなりにこだわりも強く、ついつい情報が細かくなりがちでした。内容はどんどん複雑化していき、読者にわかりにくい文章が増えていきました。それをいかに噛み砕いてわかりやすく変換しつつ、誤解されないように、事実と齟齬が生じないように表現するかは相当苦戦しました。

もう一つ厄介だったのは、この4章で触れている研究成果を書いた論文が、執筆開始当時はまだ査読中だったということです。この論文がアクセプトされないと本文の内容も確定できませんし、リジェクトなんか食らった日にはこの章自体を世に出せなくなる恐れがありました。本の原稿を書きつつ、論文のリバイズも進めつつ、という、ある種”綱渡り”のような状態でした。

1月になると、1章:9223字、2章:17841字、3章:32780字と徐々に加筆しつつ、4章:18983字、5章:6477字、6章:3056字で合計:88360字まで書き進めていたようです。4章が行き詰まっていたために5章と6章の執筆を始めて現実逃避を図っていた模様です。この時点で6章はまだ書き始めたばかりだったみたいです。

そんな中、2月になってようやく2年ぶりのタイ渡航が実現します。この時はまだホテルで隔離されるというAQスキームなる措置や、ThailandPassという入国前の事前申請制度があった時です(懐かしい…)
タイの水際対策は徹底していて、本当にホテルの部屋に文字通り”隔離”されていました。この間も原稿書きをせっせと進めていたようです。懸案だった論文は隔離期間中に受理され、ひとりで寂しくお祝いしていたみたいです。

ようやく草稿初版を書き終えたのが4月半ば。
このとき私は「やっと一仕事終えたか…」と思っていたのですが、今から振り返るととんでもない。一仕事終わったどころか、そこからが”スタート”だったのです。


編集作業の始まり

原稿を書き終えてホッとするのもつかの間。
担当編集者さんが原稿を通しで読んでくださり、早速編集作業が始まります。
まず最初に、構成変更の提案がありました。
当初6章構成だったものを5章構成に、また3章・4章で触れる内容の順番も変更が提案されました。

また、編集の過程で「ここがわかりにくいので補足説明を」「ここをもっと掘り下げて欲しい」「ここに至った経緯があるとわかりやすい」など、様々なコメントがつきました。それらに沿って本文を加筆していったので、字数はどんどん増えていきました。

この本の目安字数は11万字。ところが加筆修正を進めた結果、6月半ばの修正版完成時には4章までで11万字に達してしまうという事態に。最終的に最後まで修正し終えた段階で、今度は4万字以上を削除しなければならないという状態になって、旧5章の内容をバッサリ削ったりしました。


本シリーズでは3名の編集者からそれぞれ原稿に対するコメントを受け取ります。ひとつの原稿に対して、コメントの付いた原稿ファイルが3つ。それぞれのコメントを見ながら修正、これを何往復も繰り返す作業はなかなかに大変でした。自分が今開いているWordファイルが修正原稿なのか、編集者からのコメント版なのかがわからなくなってパニックになったりしました。おまけに11万字近い原稿に何百というコメントと編集履歴を残したファイルを4つも開いてあちこちいじっているわけなので、Wordが途中でフリーズしたり落ちたりするというトラブルにも見舞われました。

今から考えると、原稿をGoogle Docsで共有して複数人でリアルタイムに原稿の加筆修正が追える方法とか取ればよかったな、とちょっと反省しています。


脳みその限界

7月、大きな修正を終えて修正第2版が完成する頃には、私の脳みそは完全に死んでいました。この頃になってくると、本文の大幅な加筆修正と言うより、書いた本文の再構成、誤字脱字の確認、表記ゆれの統一などといった作業が中心になってきます。

毎日自分が書いた原稿をひたすら読み続け、修正し続ける日々が続いていました。そのせいで、完全にゲシュタルト崩壊状態。自分の原稿を読んでいるのに、まったく理解できなくなるという状態に陥りました。
日本語で書かれている文章なのに、意味が理解できない…
前後のつながりを把握できない…
頭の中に「この話を書いたはず」という記憶だけは残っているのですが、それが修正版の中でどこに移動されたのか、あるいは削除されたのか、全く認識できなくない…

パソコンを前に、ボーッと原稿を眺めながら、頭がポワポワしていました。

以前、どなただったか忘れてしまったのですが「作家は”原稿の手離れの良さ”が大事。書き終えたらあとは編集者におまかせするほうが良い」という話をYouTubeか何かで聞いたのを思い出していました。たしかにそれも一理ありますが、やはりこういう原稿仕事は「毎日やり続ける」は結構危険で、定期的にクールダウンさせないといけないという学びを得ました。論文執筆でも同じですね。

そんな脳みそシャットダウン状態の私だったのですが、無事に校正を乗り切ることができたのは、まさに編集者の皆さんのお助けのおかげでした。


新・動物記編集チームのパワー

出版社の永野さんは、さすがプロの編集者さん。私の混乱した文章を整理し、話の流れがスムーズになるように再構成してくださり、読者目線で情報が不足している点や理解が難しい点を指摘してくださいました。また、各章や節の見出しや本書のタイトルに至るまで、案を捻出いただいたのも永野さんでした。私が考えるタイトルや見出しは学術論文調でお硬いものばかりでした。永野さんのお力添えがなければ、私の本は「お硬い専門書」オーラを放つとっつきにくい本になっていたことでしょう…(ちなみに、本書のタイトル決定までは結構議論を重ね、様々に紆余曲折がありました)

シリーズ編集者の西江さんは、驚くべき文章精査能力の持ち主です。頭がおかしくなってダウンしている著者の私を尻目に、修正版があがっていく毎に本文を隈なく精読いただき、誤字脱字・表記ゆれ・不規則表現など、あらゆるミスを検出してくださいました。また、用語の定義や用法に非常に厳格で、徹底して正確な文章表現を追求してくださいました。

例えば、「子ども」と「コドモ」では、意味が大きく異なります。「子ども」は母親から見た場合の自分の子ども、というように血縁関係を想定した表現です。一方で「コドモ」は、個体の発達段階における新生児以降、性成熟前の段階にあることを示す年齢区分です。細かっ!と思われるかもしれませんが、この本のように学術的な内容を記述する際には、「子ども」と「コドモ」の書き分けなど、表現の正確性が求められます。こうしたポイントを徹底的に洗い出してくださったのが、西江さんでした。

もうひとりのシリーズ編集者の黒田先生は、誰もが知る霊長類学の大先生です。先生の著書「ピグミーチンパンジー」や「アフリカを歩く−フィールドノートの余白に」は、京大サル学の冒険的な調査に憧れを持つきっかけとなった本でもありました。私はアフリカで類人猿を研究しているわけではないので、なかなかお目にかかる機会も接点もなかったのですが、この本がご縁をつないでくれました。そんな雲の上の存在の先生に、私のような木っ端が書いた文章を読んでいただき、コメントを頂けるなどということは、この本の執筆がなければ叶わぬことでした。その深い見識と、学問に対峙する哲学、そして圧倒的な文学的センスに圧倒されっぱなしでした。とても貴重な機会をいただきました。

編集者の西江さんも黒田先生も霊長類学者であることは、私にとっては非常にありがたいことでした。本書に書かれていることの多くは未発表データで、事例研究的で、いわば「逸話的」とされる内容を多分に含んでいます。それらの考察について、私の主観的な妄想が炸裂することなく科学的なトーンを維持して議論を展開できたのは、この分野の専門家である両氏からの建設的なコメントを頂けたおかげであります。


実際の編集作業では本文の校正以外にもタイトルの決定、巻頭口絵や本文全体のレイアウト、帯文の編集から表紙のイラスト案まで、「本の出版ってこんなにたくさんやることがあるんだ!」と驚くような仕事がたくさんあります。実際に自分でプロセスを経験してみて、身の回りにある本の見方が変わりました。

それぞれの段階でいろんな課題がたくさんあって大変でしたが、そのへんの苦労話はここではひとまず割愛しておきます。というか、ここらへんの作業を私は「餅は餅屋に…」とおまかせしてしまっていたので、本当に大変だったのは編集の永野さんであって、私ではありません。校正だけで脳みそポワポワするレベルの私には手も足も出ない作業であります。

↓新・動物記の本の紹介動画をアップされている京都大学学術出版会のYouTubeチャンネル登録もぜひ!


この本の読んで欲しいところ、振り返ってみての反省点

「この本はワシの遺書なんじゃ〜!」と言って書き始めたはいいものの、蓋を開けてみれば字数が足りなくて、博士研究でやってたことも、書きたかったことも、半分くらいしか書けませんでした。これが本当の遺書だったら現世に思い残すことが多すぎて、とてもではありませんが成仏しきれていません。
(実際に今も研究から足を洗いきれず(成仏しきれず!?)未だにお先真っ暗なアカデミアの深淵を漂っているわけでありますが、まぁそれはこの本の字数制限のせいではないです)←見なかったことにしてね!

とにかく書きたいことをコンパクトに詰め込みきれなかったことは反省しています。今読み返しても、「あ、やべ、あの話書いてないわ」「この話も書いてないわ」「あー、これも書きたかったなー…」みたいなのがどんどん出てきます。もう一冊くらいなら書けそうな量のコンテンツがお蔵入りになったので、noteで書くなりなんなりして、徐々に供養していきたいと思います。

それでも第3章の内容などは、ベニガオさんの暮らしぶりを俯瞰し、個々の行動や出来事をテンポよく書いていったつもりではいます。4章は最初から最後まで真剣に読まないと中身を追うのは大変かもしれないのですが、3章についてはどこから読み始めてもスッキリ読めるはずです。

「ベニガオさんの、こういうところ、かわいいのよ!」

っていうのを一生懸命あちこちに匂わせながら書いたつもりです。


4章は自分の研究の核なので、どこにも忖度せず書きたいことを書きたい放題書きました。嘘は書いていませんが、「こんな説、お前しか唱えてねーぞ」みたいな意味不明な説も登場します。でも私はこれを大真面目に書いています。私みたいな無名研究者がこんな説を論文で書いても即リジェクト食らって闇に葬られるだけなので、せめてこの本で日の目を浴びさせてやってくだされ…

ちなみに、つらつらと交尾の話を書いていますが、観察するのはけっこう大変です。特にpp184の写真の”モノ”を記録するためには、一秒も無駄にはできないのです。おかげで私はサルの交尾に敏感になってしまいました。NHKロケでご一緒したディレクターの石垣さん(Twitter:@isgkru)も、この本を読んでそれを思い出されていたようです。

ちなみにこの投稿、よく読むと”読書案内”まで読んでいただいたんだなぁというのがわかるとっても優しいコメントなのですが、皆様お気づきになったでしょうか…?


あとはなんと言っても個人的にこだわったのは、写真の選定です。
写真をカラーで掲載できるのは最初の3ページだけ。本文の中で用いる写真は白黒になってしまいます。そこで、カラーで魅せるべき写真と、白黒であっても本文の記述を表現するに足る情報量を残せる写真とをそれぞれ選ぶ必要がありました。

この本で掲載している写真は、個人的にはどれもお気に入りのものばかりで、個々の写真にこだわりの撮影ポイントや見て欲しいところ、伝えたいメッセージがたくさん詰まっています。掲載写真を一点ずつ解説していくだけでも何時間も語れそうです。もし希望があれば、noteで少しづつ写真解説記事を書いていこうかなと思います。

ちなみに、今回の本がきっかけで、「縦写真」の可能性に少し目覚めました。

今まで私は、データ整理時の写真アルバムの構造上、縦写真を避けていました。どうしても必要があるとき以外はわざわざ縦で写真を撮るということはしてきませんでした。ところが編集の永野さんから、「1ページに大きく載せられる縦写真が何点かほしい」という要望があったのを受けて、2022年7月の調査の時に意識的に縦写真を撮り始めたのでした。

他にも載せたい写真がたくさんあったのですが、泣く泣く削ったものも。

編集者さんに「巻頭のカラーのページを増やしておくれやす」とか「本の単価上げてもいいから本文の写真カラーにできないですかね、えへへ」みたいに無責任に無茶な要望をぶつける暴挙にも出てしまいました。困らせてしまって反省しています。


最後に

調査地の部屋で改めてこのベニガオ本を眺めていると、なんとも感慨深いものがあります。

2015年、貯金を握りしめてひとりポツンとタイにやってきた当時の自分に、将来自分の研究がこんな本になって世の中に出ていくことが想像できたでしょうか。

ベニガオ本のみならず、このnoteの過去の投稿をお読みいただいている皆さんにはもう十分伝わっていると思いますが、私がタイでやっていることを客観的に見るとただの奇行以外のナニモノでもありません。

熱帯にいながらエアコンのない部屋で、毎日池の泥水を浴びて、毎日ほぼ同じ飯を食べながら、人生を棒に振るリスクを背負って、貯金まで溶かして、何を好き好んで毎日サルばかり追いかけているんだろう…こいつバカなのかな?と思われているかもしれません。

それでも私はベニガオザル研究に人生をかける決意をし、今もその決意とともにタイにいます。数年後にはこの決意が命取りとなってアカデミア街道のどこかで野垂れ死んでいる可能性は結構高めです。あの時あそこで転職しておくべきだった、と後悔するかもしれません。

この本を手にとってくれた方が、貴重な人生の数時間を使ってこの本を読んでくれて、「へー、面白いサルがいるんだな」「ベニガオザル見てみたいなー」と思ってもらえれば、私のこれまでの苦労の50%は報われたと言っても良いでしょう。
(あとの50%はまだ本になってないので、私が野垂れ死ぬ前になんとか頑張ります)


ちなみに、もしこの本を手にしたのが若い学生さんなのであれば、私の大学院時代を反面教師にするつもりで読んでもらえたらと思います。「研究を続けること」と「研究者として生き残ること」はイコールではありません。私は前者を優先しているので、取るべき戦略も違います。「研究者(大学教員)になりたい」と考えている方には、私の研究スタイルは全く参考になりませんので、十分にお気をつけください。私みたいになってしまっては、日本のアカデミア界隈ではほぼ生きていけません。具体的には、

  • 私費で博士研究をするのは間違いです。ちゃんと公的な研究資金を確保するか、やりたい研究を適切にサポートしてくれる指導教員を探してください。人生詰みます。

  • 単独で博士研究をやるのは危険です。ちゃんと相談に乗ってくれる指導教員や先輩後輩がいる環境で研究を進めましょう。私はタイで2年間ほぼひとりだったので”同じ釜の飯を食った先輩後輩”という存在がおらず、とっても寂しい思いをしています。学会でも友達がいないボッチです。調査手法もベニガオ特化型の我流なのでレビュワーにボロカス言われます。

  • 院生時代から研究のメインストリームから脱線するのは極めて危険です。下手をすると脱線しっぱなしで戻れなくなります。私のように「変り種」としてしか生きていけなくなります。変り種キャラは”いないよりはいたほうがいいけど、優先的に欲しい人材ではない”という立ち位置です。私を見ておわかりのとおり、アカポス獲得競争では圧倒的に不利ですので気をつけてください。

  • 博士研究でいきなりマイナー種はオススメしません。研究するだけでも一苦労、おまけに論文を出す時は圧倒的に不利です。論文一本書くのにかかる労力を考えると極めて非効率的です。私の業績リストを見てください。絶望します。

  • アカデミアで生き残る最短ルートは「初めからIFの高い雑誌にのるような”良い研究”を構想して打算的に業績を稼ぐ」です。私みたいに雑誌に無頓着になったり、「好きなことをやるんじゃい!」と意地を張ってはいけません。学位取得後の生存確率が著しく低下します。

私はもう手遅れです。それでも当面は好きな研究以外はまるでやる気がありません。論文を書く暇があったらサルを見に行く方を優先するし、サルがいないなら犬のお世話を優先します。IFの数値が大きいほど”権威主義に魂を売った研究者が書いた論文なんだな”と妬み僻み全開の解釈をしますし、流行りの研究のことは”チャラい研究”と呼んでいます。

少なくとも今の身分の任期が切れるまでは、こんな感じです。その後はタイのどこかに沈没しているかもしれません。なので、若い皆さんの参考には全くなりません。


それでも「ベニガオザルやりたい!」「タイで野生霊長類の研究やりたい!」という奇特な方がいらっしゃれば、私は全力で応援いたしますのでご連絡ください。


最後に、本書をお手にとってお読みいただいた読者の皆様、もしよろしければ、Amazonでレビューを書いていただけましたらとても嬉しいです。よろしくお願いいたします!

巻頭写真候補の一枚。ずーっと「横に座って!」ってお願いし続けていたのにガン無視決め込んだ挙げ句、カメラの前でこの表情である。


…というわけで、大きな山場を超えたので、またぼちぼちタイサル!更新を再開したいと思います。

次回は第44話で尻切れトンボになってしまっている内容を回収しつつ、2年ぶりの調査とサルたちの様子のお話でも書こうと思います。

***********

タイサル!シリーズ過去の配信アーカイブはこちらから↓

連載コラム「タイでサル調査!研究奮闘記」配信開始のお知らせ
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n28a1dc0c9402
第1話「海外調査の生活拠点」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n985accf6fef3
第2話「調査地で楽しむタイ料理!食事編」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n5444528ab0bb
第3話「シャワーも命がけ!?お水事情その①」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/nf5bcd9a17bc1
第4話「シャワーも命がけ!?お水事情その②」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n7c4f68bf12d1
第5話「シャワーも命がけ!?お水事情その③」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n56d26d529251
第6話「泥水との激戦を終えて」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n375ca4ab7be2
第7話「調査生活のオトモ!タイの犬たち」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n7968f75aea75
第8話「その日のことはその日のうちに!調査の1日のルーティンワーク」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/nfdac8fac1ec6
第9話「忘れ物確認ヨシ!調査時の装備について」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n4fef7eb2e320
第10話「写真へのこだわり」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/na4da37e13e8d
第11話「誰だ誰だかわからない!個体識別の話」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n1648bde20bab
第12話「ゲシュタルト崩壊!全頭識別への道」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n24c3478ea661
第13話「サルたちの名前の付け方の話」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/nb6a8e6119ced
第14話「タイの仏教文化とサルたちの関係について」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n9a7a6814730d
第15話「タンブン行為で私が心配していること」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/nd1360f5568af
第16話「タイ生活の必需品、プラクルアンとは?」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n6bcc5b875bb5

タイ南北調査特集はこちらから↓
第17話「南北調査シリーズ開始&YouTubeチャンネル開設のお知らせ」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/ncab1c13b6bf9
第18話「南部調査その①:Puckerを拝みに...キタブタオザル編」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n5d3df0969439
第19話「南部調査その②:白いメガネが印象的!ダスキールトン編」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/na32091a5b055
第20話「南部調査その③:見慣れたサルのはずなのに...ベニガオザル編」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n3488e5942c1a
第21話「南部調査その④:アナタどこにでもいるわね!カニクイザル編」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n219720155be3
第22話「北部調査その①:黄金の赤ちゃんを求めて〜ファイヤールトン編」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/ndeb079c8825c
第23話「北部調査その②:ガイコツの隣でうんち拾い...アッサムモンキー編」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/naf23f701a677
第24話「南北調査おまけ:噂のココナッツモンキーを求めて−モンキースクール編」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/nfb50e551aa1a

第25話から調査地シリーズに戻ります↓
第25話「年に一度の風物詩!コウモリ集団飛翔の撮影秘話」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n0b4911b372e2
第26話「気づけば部屋が虫だらけ!マレーンマオ大量発生の悲劇」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n264fade216ea
第27話「思い出いっぱい!タイで購入したmy冷蔵庫の話」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n071966d6f39a
第28話「クリスマスにひとりで死にかけた話」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/nead29459b1db
第29話「調査地での同居人・チンチョッとの日々のあれこれ」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/nab48db873ca1
第30話「30回更新記念:タイサル!シリーズの振り返りと今後について」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/nd7f4df7fdc46
第31話「雨の日の定番!カエルの唐揚げができるまで」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n46e0aa051425
第32話「ベニガオザルの噂の真相」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/ndde380f51a93
第33話「担当イラストレーターさんとnoteコラボやオリジナルグッズ誕生について対談してみた」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n2d34def8697b
第34話「調査地を思い出すタイの歌ー独断と偏見で選ぶ私的25選」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n95cddb7e6dfb
第35話「11月といえば!タイの恒例行事、ロイクラトンの話」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n2999bc1434a5
第36話「調査地の山に眠る黄金の仏陀像を拝みに行った話」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/nf5f6521ee811
第37話「第2の調査地開拓なるか!?お隣さんの視察調査の話」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n913898fb06a2
第38話「あくびシリーズの隠れミッション:ベニガオさんの犬歯サイズを記録せよ!」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/ne3dcefbabb72
第39話「謹賀新年!2021年の振り返り&調査地で過ごした年越しの思い出」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n70a15e661168
第40話「調査地で出会った憧れの奇蟲スペシャル※蟲警報再発令!」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/nc0b490d76cf7
第41話「ついに完了!コツコツ骨計測&オンラインガイド振り返り」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n9aa1341b7e13
第42話「2年ぶりのタイ調査!出国準備〜隔離ホテルチェックイン編」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n9c016553d1a8
第43話「2年ぶりのタイ調査!隔離生活編」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n93252e195940
第44話「2年ぶりのタイ調査〜調査地生活編」
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n1f6a88ccac30

番外編の過去の配信アーカイブはこちらから↓
私論:「ココナッツモンキー」は動物虐待なのか?
https://note.com/arctoidestoyoda/n/ne6add28fc064
遺跡の街ロッブリーに住むカニクイザルの歴史
https://note.com/arctoidestoyoda/n/n1679cb4029b2

***********
個人ホームページを開設しました。こちらからどうぞ。
Twitterはこちらです。ベニガオザルのみならず、これまで撮影してきたサルたちの写真を載せています。

イラストレーターのはなさわさんのサイトはこちらです。
こちらもあわせて御覧ください。

いいなと思ったら応援しよう!