勝利至上主義を完全否定したチームは勝たなくてもいいのか
こんにちは😃
2024年春に設立予定の浜松アークスピリッツです。
今回は、テーマにあるように
勝利至上主義
について考えていきたいと思います!
野球界では未だに勝利至上主義を前提とした指導が根強く残っています。勝利至上主義の弊害について考えた上で、当クラブとしての方針について記していこうと思います。
行き過ぎた勝利至上主義の弊害
①自主性が伸びない
②怪我のリスク
③子どもが楽しめない
これらの3点が挙げられると思います。(もちろん他にもたくさんあると思いますが、ここではこの3つを取り上げます)
①自主性が伸びない
試合の中で大人が指示をしたほうが、当然これまでの経験や知識から正解を導くことができると思います。
例えば、サッカーで流動的なプレーの中で、空いてるスペースに大人が「そこに動け!」と指示すれば子どもたちはそこに動きますよね。結果的に得点を決めることができたとしても、成長に繋がるのでしょうか。もちろん成功体験からこうすればいいんだ、と学ぶこともあると思います。
しかし、それでは子どもたちの考える力や自主性は伸びません。
プレーの中で「どうしたら得点を決めることができるのか」を子どもたちが自ら"考えて話し合って動いてみる"その繰り返しが成長に繋がるのではないでしょうか。
大人が答えを教えて、子どもたちが実践することは短期的な成功にはなっても、長期的な成長には繋がらないと考えています。
この視点は先日のnoteにも記した岡山県のサッカーチーム「FC GranSeed」で学びました。
→先日のnoteはこちら
子どもたちが創意工夫し、実践してみる。失敗したら何が悪かったのかを考え、改めて実践してみる。
このプロセスがとても重要だと私は考えています。
そして、子どもたちが行き詰まっているときに一言アドバイスをしたり、道筋を示して支えてあげるのが指導者の役割です。
②怪我のリスク
勝ちにこだわるあまり試合で投球過多になり、肘や肩を故障する選手を私は何人か見てきました。
特に小学生のうちは成長期で身体の骨格が定まっていない中、極端に負担をかけてしまうと怪我のリスクは高まります。
子どもたちが投げたいと思うのは当然ですし、勝ちたいと思うのも当たり前です。しかし、指導者は一緒になって勝ちだけにこだわってはいけません。無論、"勝つことを目指すな"というわけではありません。目先の勝利に囚われて子どもたちの未来を潰してしまってはいけないということです。
第101回全国高校野球選手権大会岩手県予選では、大船渡高校の佐々木朗希選手が、決勝に登板せず大船渡高校は甲子園まであと一歩のところで敗戦したのは記憶に新しいと思います。
佐々木選手は投げたかったはずです。大船渡高校の国保陽平監督は甲子園に出ることや、自身の名誉よりも佐々木選手の未来を優先した英断だったと私は思います。
結果、佐々木選手は2022年4月10日のオリックス戦で1試合19奪三振、13者連続奪三振を含む完全試合を達成しました。
あの時、投げていたとしても佐々木選手ほどの逸材であればこのような記録を樹立したかもしれませんが、怪我のリスクを考慮した上での判断は適切だったと私は思っています。
③子どもたちが楽しめない
行き過ぎた勝利至上主義では子どもたちが楽しめなくなってしまいます。
指導者が勝つことを絶対としすぎるために、子どもたちに対して、「なんでこれができない!!」「こうしろよ!!」など、怒鳴るなど高圧的指導が行われることが多々あります。
子どもたちは、指導者の言いなりに動き、野球そのものもを楽しむことができなくなってしまいます。
ミスしたら怒られる……という思いから、プレーが小さくなってしまったり、野球が楽しめなくなってしまいますよね…
繰り返しますが、子どもたちが勝ちに行く姿勢を持つことはとても大事です。
しかし、指導者が勝ちにこだわりすぎることは必要ないと考えています。
当クラブの勝利至上主義に対する考え方
当クラブでは勝利至上主義を完全否定します。
「大会で良い成績を出すこと=指導者の評価」となり、子どもたちを道具のように扱う指導者は野球界では未だに多くいます。
当クラブでは、各選手の将来を考え目先の勝利にとらわれず、チーム組織が一体となって戦略的に試合に挑むことができるようなチームの育成を目指します。
"勝利至上主義の完全否定≠勝たなくていい"ではありません。
子どもたちが勝ちたいと思う姿勢は尊重し、勝つためには何が必要なのか、何が足りていないのかを一緒に考えて勝ちに行く姿勢は当然持ちます。むしろ、勝ちたいという思いこそ成長のチャンスです。
その思いをトリガーとし、育成に励みます。
ここまでお読みいただきありがとうございました😊
次回こそは指導理念についてご紹介します!!
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