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「断熱」って必要なの?〜断熱で変わる暮らしと健康〜

「断熱大事ですよー」
「断熱しましょう」
と、呼びかける側ではありますが、そもそも、本当に断熱ってした方がいいのか?
なんでいいのか?
そこまで必要性を感じなかったり、その時その時できる対処方法をすればいいんじゃないかなぁと、思うのは当然だと思います。
だって、お金かかるし、着込めばいいし、我慢できるでしょ・・・と。
実際、日本の住宅は、ずっと長い間、そうして生活してきているように思います。

断熱工事を根本的に新たにやろうとすると、お金もかかるし大変なこともあります。
「窓の交換は1日で終わります」とCMでもやっていますが、場合によっては窓だけで劇的に暖かく感じられないこともあります。

それに、体感したことがないものに、「じゃぁやります!」なんて言えないですよね。
どれくらい、この工事をやったら快適になるかなんて、数字ではわからないですよね。

それでもやっぱり、私たちは、断熱した住まいに暮らしてほしい。
健康的で心地よい暮らしをしてほしい。
そう願っています。

そんな精神論ばかり言っていられないので、今回は健康に関して3つにポイントを絞って無断熱の家の暮らしと断熱した家での暮らしが違うかをお伝えしていこうと思います。


1、モーニングサージ:「冬はなかなか布団から出られない」は当たり前?

寒くなってくると、
「お布団から出るのが辛い季節になりましたね」
「なかなか布団から出られない」
と季節の挨拶のように聞く言葉で、「冬だなぁ」なんて、私も普通に思っていました。
それが、日本の住宅の普通で、みんなが共通認識として持っているものなんだと、気づきました。
しかし、これ、いいことでしょうか?

近年、「モーニングサージ」という言葉が聞かれるようになってきました。
これは、朝、急激に血圧が上昇する現象のことで、この急激な血圧の上昇で心臓や血管に負担がかかり、心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳卒中(のうそっちゅう)になるリスクが高くなります。
冷え切った寝室でお布団からなかなか出ないことは、ある意味大正解。
だって、寒い室内で突然勢いよく起き上がって、血圧が急上昇したら危険ですから。

でも、これが、春や秋のように過ごしやすい室内温度だったとしたら、気持ちよく目覚め、さっと起きて1日のスタートを切れるのではないでしょうか。

目覚めて、起き上がって、大きく伸びをして深呼吸して・・・
そんな毎日が当たり前の日常だったら気持ちよさそうですよね。

2、ヒートショック:「『寒い寒い』と服を脱いで急いでお風呂に入る」は当たり前?

「冬は意を決して脱衣所に行き、お風呂に入る」
こんなこと当たり前だと思って育ちました。
冬なんだもの、寒いの当たり前。
ご高齢の方だと、寒いからお風呂入るのやめようかなぁと思う方もいらっしゃるかもしれません。
私の祖母がそうでした。
お風呂は、ゆっくり温まってリラックスする
そんな場のはずなのに、命の危険を伴う場所になってしまっていることも。

この人数の差、びっくりしませんか?
入浴中に心肺停止になる方が交通事故で亡くなる人の約3.6倍もいらっしゃるなんて。
これは、ヒートショックが大きな原因と言われています。
ヒートショックとは急激な温度変化によって、血圧が上下に大きく変動して、心筋梗塞や脳卒中などの健康被害を引き起こすことです。
寒い脱衣所や浴室で突然冷えて血圧が急上昇し、お風呂に入ると今度は急に血管が広がって血圧が低下。
この急激な変化、読んでるだけで、体に良くないなぁと思えてきます。

3、免疫力低下:免疫力上げても、住環境が下げる要因になっていたら・・・

コロナ禍、特に言われた気がします。
「免疫力を高めるために・・・」
食べ物に気を配った方もいらっしゃると思います。
でも、一生懸命上げる努力をしていても、何気ない日常が免疫力を下げる要因になっていたら、ちょっとショックではないでしょうか。

体が冷えることは良くないと聞いたことがある方も多いと思いますが、体温が1度下がると、免疫力が30%下がると言われています。
「30%も?!」と、驚いてしまいますよね。
そして体温を一生懸命に一定に保とうと頑張ってくれているのが自律神経。
暖かい場所と寒い場所の変化が大きかったり、寒い環境が続くと、自律神経が乱れてうまく機能しなくなります。
そうすると、血流が悪くなったり、代謝が衰えたり、ストレスが大きくなってしまいます。

体が冷えて体温が下がると、免疫細胞の働きが弱くなり、血流が悪くなることでウイルスと戦う力が落ちます。
さらに、ウイルスは低温環境で増えやすい。
そして、自律神経が乱れることで、さらに免疫力が低下してしまいます。
つまりは、体を冷やさないことが、免疫力を下げないどころか、免疫力アップのカギです。

4、まとめ

断熱性の高い家に暮らしている方がよくおっしゃるのが「風邪をひかなくなった」ということ。
寒い、暑いを極端に感じず、いつもの毎日が一定でいられることで、体への負担は大きく減ります。
家を断熱していることが、健康に直結するので、目に見えた医療費の削減だけでなく、元気に快適に過ごせて、苦しい時がなく寝込まず活動的でいられることは大きな財産とも言えると思います。

感覚だったり、しばらく暮らしてみて、気づいたらそうだったと感じることばかりなので、伝わりづらい部分ではあると思います。
お金はかかりますが、日々の光熱費を抑えるだけでなく、日々の健康にも投資できる工事が断熱工事です。
「ゾーン断熱」という考え方もありますので、一度ご相談ください。

そして、もし、「これから中古物件を購入しよう」、「これから家を購入しよう」、「これからリノベーションしよう」という方は、デザインや設備、綺麗さに目が行きがちですが、家の断熱性能に関してしっかりと確認が必要だと思います。
購入する際には、しっかりと、聞く。
詳しく説明ができる信頼できる方から買ったり、工事してもらいましょう。

みなさんの暮らしが健康的で、心地よく笑顔あふれるものになることを、日々願っています。

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