タイヤの性能を使いこなせ
荷重移動の理論を知り、もっと速くなりたいと地元の峠でアレやコレやなんて試しながら走っていたある日、安全マージンを取りながら峠道を走っていても限界があると思った。
ある程度はバイクの動きや、荷重のかけ方がわかってきた。
タイム計測と、走行動画を車載カメラで記録してあったので見返しながら色々と考えていた。
でも何かしっくりと来ない。
タイヤの限界性能がどの変なのか、安全マージンを取って走る峠道では把握ができない。
スリップ=転倒、公道上では事故に繋がってしまう。
地元のミニサーキットでは走行会が毎月開催されており、しかも25分3000円で走れる!
そんな情報を知ったので、とりあえずサーキットで走ることにした。
まずは軽くビギナークラスでコースのクセやブレーキングポイント、アスファルトの状態や、縁石の滑り具合など、一通りの把握をした。
後日、再度また走行会へ行き、スマホのアプリでタイム計測をする事にした。
最近は便利なもので、スマホアプリでGPS位置情報で速度とタイムが記録できる。
そのミニサーキットもアプリにデータが入っているではないか!
実際に測ってみた。
しかし、思ったより遅い。
速い人はこの1周1000mのコースを46秒で走っているらしい。
私のタイムは54秒だった。
おっそいわー笑、8秒遅れかよ。
まだコースに慣れていないので、仕方ないのであるが、せめて50秒を切りたいと思った。
サーキットでなら、転倒したとしてもある程度は安全が確保されているので、タイヤの限界が試せる。
色々と試しながら走ってみた感じたのは、タイヤのグリップ性能の90%程度までしか使えていない。
滑り出す100%を超える瞬間が知りたい。
まずはフロントタイヤの縁まで使えていない。属にいうアマリングだ。
※アマリングとは、余りリングという意味で、タイヤの端っこが使えていないことを指す造語。
まあでも、リアタイヤは端っこまで溶けてカスが付着している。
この状況から察すると、ブレーキング時にフロント荷重とバンク角が足りていない、という事になる。
まだまだコーナー進入でツッコめるというサインだ。
フロントは接地面積を増やす為に、空気圧をもう少し下げてみる事にした。
リアタイヤは縁まで使い切って、溶けたカスが付着しているのでコーナー脱出時は一応は使い切っているという事になる。
そう、走行後のタイヤはどう走ったかの判断基準になる。慣れてくると自分のクセやバイクの特性もタイヤを見るとわかってしまうのだ。
痕跡はウソをつけないのである。
他人のバイクのタイヤを見てもある程度だが、その人が上手いか下手かまでわかってしまうのだ。
4輪でサーキットを走っていたので、その時の経験が生かされいた。
もっと速く進入してレイトブレーキングできるって事か……。
全てのコーナーでそれができれば50秒切りは確実になる。
だがしかし!
「怖い」…。
当たり前の感情だ、その限界付近を知らないのだから。
経験したことがないことを試す時は、やはり恐怖が湧いてくる。
じゃあ、後1〜2メートル、遅くブレーキングを開始する。
わー、滑りそうで怖いわー、そんな風に感じた。
およそ2〜3km/h程度の侵入スピードが上がっただろうか、ほんの少しなのにとても速く感じる。
スマホを確認してタイムを見ると計測エラー。
まじかよ〜残念だ!!
スマホを革ツナギの胸ポケットにしまっていたので電波が届かなかったのであろう。
その日から、スマホをバイクに付けて走ってはいけないという新レギュレーションに翻弄されてしまった。また別な機会に別な計測方法で試してみようと思う。
タイヤの性能値の101%を使ったとしても、実はそこまで滑らない。しいていえば、個人差や個体差もあるが、103%くらいまでは滑らせながら走ることができるのだ。
4輪のドリフト走行は105%くらいまで使用しているらしい。
バイクだと転倒する危険があるので滑らせたくはないのだが、限界を知らないとコーナーの侵入速度や荷重のかけ具合がわからないので、知っておかなければならない。
唯一の路面との接点、タイヤは1番大事な部品だ。
タイヤコントロール、しいてはタイヤへの荷重コントロールが大切だと言うことである。
まだまだ俺の挑戦はつづく。