彼女、お借りします。(サイバーネオン)編 入り口
この案件は、既に一輝が察して動いてくれていた。
〜とある会議室〜
ジン「一輝」
一輝「はいはい…これ、関係者達から貰ってきた資料だよ…投稿許可の方は、母上が取りに行ってくれてる…あっち関係は、母上の方だから…はい、資料…」
一輝は、胸ポケットに入れていたUSBを取り出すとジンに手渡す。
ジン「確かに受け取ったぜ。それは、良いんだけどよ…お前、知ってたな?」
一輝「さて、何の話かな…僕は、大前提、ジンさんの補助人…これを報告するのもしないのも僕の自由…だよね?それに…また、闇に堕ちたんだし…言える状況じゃないことぐらい理解してるって…それで?どうだった?」
ジン「まぁ、だいぶ回復したな。闇の方面でな…なぁ、一輝…俺は、ずっとこのままなのか?」
一輝「それを僕に聞いてどうしろと?自ら選んだ人生(みち)だよね…」
ジン「なんだよ、そんな冷たい言い方しなくたって良いだろうに」
一輝「シンフォギアのことと言い、今回のことも言い…自分の立場を考えて欲しい…君は、現代における最期の聖人…目的は…」
ジン「わかってるさ。言わなくてもな…」
一輝「でもね、ジンさん…このアニメは…」
ジン「講談社…知ってる…だから、嫌いなんだよ。やりたくない」
一輝「母上からも報告があったけど…別に講談社で働いてる人達が悪い訳じゃなくて、その代取や取締役の奴らが悪いからね…」
ジン「言われなくても…でも、中華人民共和国や大韓民国の移民を促進しているのも知ってる…そんな奴らを助ける気なんてない!」
一輝「……だと言うと思ったよ…なら、どうする?どうせ、自然からの裁きを与える所なんだから加勢するよりシンフォギアに力を入れた方が賢明だよね…」
ジン「彼女、お借りします…名前からして卑猥、女の子は、物と連想させる行為…その時点で嫌ったよ。見たくもねぇ…女の子は、物じゃない。個を人権を人としての心を持った1人の人間(ひと)…脳が腐って行く…この世から消えて欲しい」
一輝「でも、碧さんからの…別に直接…」
ジン「黙れ…」
一輝「………最期の聖人とあろう者が情けないね…」
ジン「黙れと言ってるのが…わからないか、一輝」
一輝「やり合っても…良いよ…たぶん、生身だったら僕の方が上…」
ジン「俺にはこれがある」
ジンが取り出したのは白い紙に覆われたスプレー缶だった。
ジン「幾らのアーカイル家と言えどこいつには勝てないのを知っている」
一輝「武器を使わないと勝てないんだ」
ジン「現実はな。どんな手を使おうが最終的に俺が勝てば良い。それを教えてくれたのはお前だ、一輝。それに…俺が死んでも悲しむ奴なんて誰1人としていない」
一輝「所詮、奈々さんも碧さんも愛衣さんも…他のみんなも金を持ってる奴らに都合の良い様に使われる人形…個も人権も人としての心も無い…言うことを聞かなかったら干される…金を稼がせるための道具でしかないんだ…これを思いたく無いから仲間内でやーやーと言ってやってるだけ、誰も親身になってない…しかもパチスロ化も決まってる…これを知っておきながらやるなんて…馬鹿だよね」
ジン「俺は…俺は、この心が正しいと感じたことを貫き通すだけだ!」
俺は、怒りを抑えきれずに会議室から出て行った。
その後、一輝がどう思ったのかは知らない。
考えた…ああ、考えたさ…1日置いて考えたさ。
今日の朝、仕事をしてる時にある奴から電話が入る。
画面に表示されていたのは6代目闇の王だった。
ジン「俺だ」
???「ふふふ、久しぶりに弟子の声を聴いたよ」
ジン「何の用だ」
???「話は、一輝から聞いたよ。不本意であろう」
ジン「それを言うために通話記録が残る馬鹿なことをした訳じゃないだろ、要件を早く言え」
???「勘の鋭いのは健在か。なら、早く終わらせる。まもなく、奴らが動き出す。その刻までに1人でも多く護れる様にするんだ」
ジン「俺に奴らの手助けをしろと…」
???「ジン…」
ジン「結果的にはそうだろ?もし、これを書き、投稿すれば手伝ったと魚拓を残されるのは目に見えている」
???「だが、ここで引くお前ではなかろうて」
ジン「なぁ、1つ聞いて良いか?」
???「手短にな。これから、ある議員との会談だ」
ジン「俺は、誰なんだ」
???「さぁな。ただ、一言だけ言えるなら…お前は、人間(ひと)だよ。誰よりもな。そして、周りの奴らは人間(ひと)の皮をかぶった何かだ」
ジン「白金の騎士も碧達もか」
???「寝言も大概にしておけよ、現・闇の王。まさか、傲慢な態度になった訳ではあるまいな」
ジン「そうじゃない。俺は…寂しいんだ。誰も側にいないから」
???「それでは困るんだがね。お前は、これからもずっと1人さ。なぜなら、お前と同じ人間(ひと)がいないからだ」
ジン「そうか」
???「最後に一言だけ言わせてもらう。そっちに、鋼(こう)くんと美歌くん、彰くんが向かったよ。明日の朝8時30分に某喫茶店に集まってくれ。わかったかな?」
ジン「わかった」
???「ジン、お前は、我々D.Nの集大成、胸を張れ。そして、屈するな、その人としての心を貫き通せ」
ジン「雅樹」
雅樹「もう、みんなを救えるのはお前だけが持っているその叡智(ちから)と人としての心だけなのだよ」
ジン「そっちは、そっちで頼むぞ」
雅樹「任せろ」
電話が終わると俺は、今日の俺のやるべきことを終わらせる。
翌日、とある喫茶店でD.Nでの顔馴染みの奴らが集結する。
〜とある喫茶店〜
ジン「懐かしいな」
一輝「まったく…みんなにも都合とか予定があるんだから…」
???「全くだ。俺の休日を何だと思ってやがる」
???「まあまあ、落ち着いて、工場長」
???「それで?情報長、私達を召集した訳を聞かせてもらおうじゃない」
一輝「聞くも何も…メールで送った通りだよ…」
???「俺は、却下する。それに関わってる奴等とは何の関係も無いからな」
???「工場長」
???「でも、本当に5人必要なの?その世界に行くのに?ジンさんと情報長だけでいけるんじゃ?」
ジン「あのキャラを演じてる奴等を見てもらったらわかるさ」
一輝「碧さんに奈央さん…天さんに李依さん…優さんは…これを分類すると…シンフォギアとこのすば…優さんは、ごめんなさい…」
ジン「と言う訳さ。ここにいるみんなに共通している」
???「けっ、くだらねぇ。たった、そんなことで付き合ってられるか」
???「彰、良い加減にしなさい。隊長は、ちゃんと彰との約束を果たしてるでしょ? 陽子さんのことを護ってやってくれって」
彰「それとこれを一緒にするな、美歌。仕事は、仕事。私用は、私用だ」
美歌「まったく…何歳になってもこの人は…融通が効かないんだから…ねっ、鋼」
鋼(こう)「あはは、工場長は、いつもこんなのだよ。それで、ジンさん、用件は、大まか読めたよ。つまり、この5人でその…彼女さんをお借りしますだっけ?の世界にダイブするから自分達の出演許可が取りたいってことで良いかな?」
ジン「さすがだな、鋼。その通りさ」
鋼「自分は、ジンさんのやることのためなら幾らでも許可するよ」
美歌「男達だけじゃみんなに何するかわかんないから監視役として出演を許可するわ」
彰「俺は…」
ジン「よしっ!満場一致と言うことで…」
その時、彰から右ストレートで拳が飛んで来るとジンは、その拳を左手で掴む。
彰「人の話…聞いてんのか…あぁん?」
ジン「聞いてるさ。てか、俺達は、人じゃないしw」
一輝「はいはい…ジンさんも彰も…ここは、公衆の場だから大人しくしようね…と言う訳で…この書類にサインの方をお願い…」
彰「おい、一輝、俺は…」
美歌「代筆で書いてあげるわよ」
彰「おい、美歌…お前まで…」
美歌「あーだこーだ言うけど、結局、サインするんでしょ?」
彰「ちっ…」
それを聞いた彰は、ジンに殴るのをやめると椅子に座る。
一輝「と言う訳で…同意書にみんなのサインが揃ったことでこの計画を進めて行くよ」
ジン「そうだ、サン電子攻略戦、お疲れさん」
美歌「もっと激しい抵抗があると思ってたんだけどね。こうもあっさり…」
一輝「それに関して1番傷付いてるのは工場長だし…」
彰「うるせぇよ…俺を怒らせたんだ」
一輝「まぁ、これで表面には出ないけど、内部は、制圧したから…繋がっているあいつらの情報もジンさんに渡せるよ」
ジン「頼む。奴らの力が弱くなっている今、俺達が一斉に攻めればさらに弱体化が望める。これ以上、奴らの思う様にさせるかよ」
一輝「とんでもない、戦いになるよね…死者が出てもおかしくない…」
ジン「わかってる。その罪と罰は、俺が背負うさ。でも、ここで奴らを叩かなければ本当に救いたい者達を救えなくなる…ここが最後のチャンスなんだ」
一輝「わかってるよ。多田家、真田家、蒼木家、竜崎家、柳生家の叡智(ちから)を合わせる刻…全ては、未来のために。だね、ジンさん」
ジン「ああ、みんな、頼んだぜ」
鋼「うん!」
美歌「ええ!」
彰「けっ…勝手にやってろ」
そして、みんなで朝食を食べ終わると新幹線に乗り、某温泉宿に向かうのだった。
〜某一室〜
ジン「これで準備は、出来たな」
一輝「まぁね…あと、ジンさん、そろそろだね」
ジン「ああ」
一輝「本当にやるんだね」
ジン「ここでやらずにいつやるって言うんだ?次の満月の夜が27日、そして、その日は…こんな自然の巡り合わせに感謝せずにどうする?」
一輝「偶然とは思えないよ…本当に自然がジンさんを導いているんだって…みんなに公開して良い情報は、ここに書いてある通りだよ」
ジン「わかった。それじゃ、始めるか。XC!」
〜ここからは、アニメの世界に移行します〜
ジンは、ポケットから黒い羽を1枚取り出すと部屋の壁に向かって投げ飛ばす。
羽が壁に突き刺さるとそこから黒紫色の魔法陣が現れる。
一輝「ゲート位置設定…サイバーコネクト…アップシークエンス開始…ゲート、来るよ」
2人が魔法陣の方を見るとそこには黒紫色に歪んだ空間が出現する。
ジン「濃度は?」
一輝「まぁ…危険領域には無いよ…でも、拒否反応が強い…途中で遮断されたら終わり…まぁ、僕がそんなことさせないけどね」
ジン「それじゃ、お仕事と行くか」
一輝「そうだね」
ジンと一輝は、そのゲートの中に飛び込むとゲートが消滅するのだった。
〜ゲート内部〜
一輝「ジンさん、大丈夫?」
ジン「まぁな。でも、これも全て碧の人としての心を護るためさ。ん?あれは?」
2人の後ろから小さな白い光の球体が2つ飛んで来るとジンの傍に寄り添う。
ジン「お前ら…そうか、主人と一緒にいたいんだな。それじゃ、一緒に行くか」
ジンは、その2つの白い光の球体を右手の中で優しく包み、心臓部に寄せる。
一輝「環境長、色彩長、工場長の3人は、向こうで居場所を確保次第ダイブさせる手筈だよ」
ジン「わかった」
2人と2つの光の球体は、空間を飛び出すのだった。
次回:彼女、お借りします。(サイバーネオン)編 「接触」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?