彼女、お借りします。(サイバーネオン編)第3話「道具(アイドル)」
サイバーワールドに飛び込んだジン達は、異次元空間の中で今後の話をしていた。
ジン「一輝、首尾は?」
一輝「今、アルトリアから連絡があって準備してるって…」
ジン「どのくらいかかる?」
一輝「あの地域一帯だからね…相当広くなるだろうし…人目もある…4時間は、かかるかも…準備が出来たら連絡を入れてって言ってるから…」
ジン「4時間か…彰」
彰「随分前からこの世界にいたと言うことを考えれば…普通の人間なら持って3時間が限界だ」
美歌「ちょっと、それって、物理的に…」
一輝「いや…手は、ある…でも、そのためには5人の心を開かせる必要性があるけどね…」
美歌「その方法って?」
一輝「彼女達の心の闇を斬り払うこと…」
鋼「つまり、この空間の主であるヤプールを倒すってことかな」
一輝「だと、思う?」
ジン「ヤプールは、麻美の心の中にいるだけで他の4人は、違う闇が侵食している。だろ?」
一輝「そうだね…」
彰「ややこしくならなきゃ良いんだがな」
ジン「おっ?あそこか」
ジンがある場合を見るとそこから大きな穴から白い光が漏れていた。
一輝「だね…」
ジン「よし、行くぞ」
ジン達がその白い光が漏れている場所に入って行くと大きな穴が閉じるのだった。
ゲートから出るとそこは、まるでどこかの都市だった。
ジン「ここは…」
美歌「見た感じは、東京ドームね。ほら」
美歌が指を刺した方を見るとそこには東京ドームとそっくりな建造物が建っていた。
彰「なんで、東京ドームなんだよ…」
鋼「これじゃ、色々バレちゃうね♪」
一輝「な〜んか、嫌な予感しか…」
その時、東京ドームらしき建造物が爆発するとそこから鎌を持った死神の様な姿をした奴が現れる。
一輝「ほらね…」
ジン「ハザード、あいつは」
ハザード「あいつは、冥界の住人の1人、タナトスだ。ハーデスが死んだのを期に暗躍し始めたんだな」
一輝「ああ…あの時、僕を斬ろうとした奴か…」
ジン「まさか、異次元人と手を組んでいたとはな」
美歌「はぁ…呆れた…次から次へと…懲りないわね」
彰「ちょっと待てよ…冥界の奴らと異次元人が手を組んだってことは…」
鋼「これからこの先、そう言う奴らが出て来るってことだね」
一輝「面倒くさいから帰って…良い?」
ジン「とりあえず、こいつが先に行くための門番と言うことで良いな」
一輝「ジンさん、闇の力は、使えるの?」
ジン「何とかな。行くぜ、迅龍」
一輝「カオス…」
鋼「鋼斬鳥」
美歌「アリエス」
彰「レルク」
そう言うとそれぞれの身体の中に黒く光る球体が入るとみんなの眼が一瞬だけ赤くなる。
それを見たタナトスは、鎌に紫色の光を宿し、地面に向けると巨大な魔法陣が現れ、そこから大量の冥界の住人と闇の住人が出現する。
彰「ざっと見積もって…6000体ぐらいか。しかも下級ばっかりか」
ジン「さてと…行くぜ!」
〜D.N.バトルシークエンス発動〜
〜心・D.Nサイド〜
仲村 ジン(HP1、心力999)、多田 一輝(HP1、心999)、三島 鋼(HP1、心力999)、華奈井 美歌(HP1、心力999)、高島 彰(HP1、心力999)
〜闇サイド〜
タナトス(HP36250、心力42)、闇の住人(HP10、心力5)、冥界の住人(HP25、心力15)
ジン達の前に剣や槍を持った闇の住人、冥界の住人が立ち塞がる。
鋼「タナトスの方は、自分が請け負うね」
ジン「頼む」
そう言うと鋼は、背中から鋼の翼を広げると地面を蹴り、飛び上があるとタナトスに向かって飛んで行く。
・1ターン
〜タナトスVS鋼〜
鋼「行くよ、鋼斬鳥」
鋼斬鳥「ああ」
鋼「まずは、これでご挨拶だね。鋼斬羽」(心力-15)
タナトスに向かって翼を打つと無数の鋼の羽根が飛んで行く。
闇領域貫通、4682のダメージを与えた。
タナトスの攻撃。しかし、鋼は、回避する。
〜闇、冥界の住人達VSジン、一輝、美歌、彰〜
ジン「さらっと片付ける。疾風一閃!」(全体攻撃、心力-5)
美歌「アリエス」
美歌の掛け声と同時に美歌の隣に左手に剣を持ち、右手に盾を持った女剣士が幽霊の様にスッと現れる。
アリエス「はい、マスター。酷振波」(全体攻撃、心力-8)
2つの技が敵に向かって飛んで行くと1834体を倒す。
彰「おいおい、あんな数、お前ら2人で何とか出来るだろうが」
一輝「準備運動…かな…」
彰「意味がわからん」
一輝と彰は、胸ポケットからお菓子のシガレットを取り出し、口に咥えると迫り来る群れに向かって歩き始める。
一輝「僕が200…彰が残りで良い?」
彰「承諾するとでも?」
2人に向かって2体の闇が斬りかかると一輝は、そいつの腹部に蹴りを入れ、彰は、右手に拳を作り、もう1体の方の腹部に拳を入れる。
吹き飛ばされた2体は、後ろにいた奴らを巻き込んで飛んで行くと破壊された東京ドームらしき建造物の瓦礫の中に突っ込むのだった。
一輝「で?」
彰「次は、どいつだ?面倒だから一気にかかって来い」
彰の前に3体の闇の住人と2体の冥界の住人が立ち塞がる。
彰「さてと…死にたい奴、前に出ろ」
レルク「少し数が多いな」
彰「なら、BS(ブーストステップ)を使うだけだ」
彰が闇の住人の1体に通常攻撃をする。
38256754のダメージを与えると黒い霧になって消えて行く。
彰「BS発動する」
今度は、冥界の住人の1体に通常攻撃をする。
39072156のダメージを与えると黒い霧になって消えて行く。
彰「悪いな、まだ終わらない」
彰は、残りの3体にも通常攻撃をする。
闇の住人Bに40895243、闇の住人Cに40754657、冥界の住人Bに39624803のダメージを与えると黒い霧になって消えて行く。
彰「まぁ、こんなもんだろ」
一輝の前には5体の冥界の住人が立ち塞がる。
一輝「…………おいで…攻撃させてあげる」
5体が一輝に向かって通常攻撃を仕掛けるも軽々と避けると同時にある身体の部位を触る。
一輝「次、動いたらダメだよ?」
・2ターン
鋼は、再びタナトスに攻撃を仕掛ける。
鋼「それじゃ、ここで終わらせようかな」
鋼は、鋼の翼を羽ばたかせ天に舞い上がり、右手を背中から出ている翼に触れるとその翼が大剣に形を変える。
鋼「行くよ」
鋼は、その大剣の持ち手を両手で握るとタナトスに向かって飛んで行く。
それを見たタナトスは、鋼に向かって紫色の火炎玉を投げ飛ばす。(心力-3)
鋼は、片翼でその火炎玉を斬り裂き、勢いをそのままにしてタナトスに向かって飛んで行く。
タナトスは、鎌の持ち手を使って受け止める体勢に入る。
そして、鋼がその大剣を振り下ろすとタナトスの頭のてっぺんから地面まで斬り裂く。
鋼「大斬鋼殺剣」(心力-20)
闇領域貫通、53767のダメージを与える。
その詞と同時にタナトスの身体が真っ二つになるとタナトスは、黒い霧となって消えて行くのだった。
鋼「目標沈黙、だね」
鋼斬鳥「他愛もない」
鋼は、地上で戦っているジン達の援護に回る。
ジン「あと何体だ?」
迅龍「あと1058体…美歌が攻撃したからあと625体になった」
ジン「さすがアリエスだな。一輝と彰の方は?」
迅龍「遊びでしかない」
彰に襲いかかった奴らは、尽く斬り裂かれ、一輝に襲いかかった奴らは、内部から破裂するのだった。
ジン「真面目にやってくれないかな、あの2人。それじゃ、終わらせるか」
ジンは、刻龍刀に叡智(ちから)を込めると刃の部分が黄緑色に光る。
ジン「旋風交破斬」(全体攻撃、心力-8)
ジンが自分の前で刀を持っている刀をX字に振り、斬り上げると敵の残存兵力に向かって飛んで行く。
敵中をそれが通り抜けるが、何も起こらなかった。
ジンが刀を鞘の中に納めると同時に残存していた奴らの身体と頭部に白い線が入るとバラバラになり、黒い霧となって消えて行く。
ジン「やれやれだな」
美歌「これで全部みたいね」
そこに天で戦っていた鋼がやって来る。
鋼「よっと」
一輝「おかえり、鋼」
鋼「ただいま」
彰「一輝が知ってたと言うことは…1人は、無事に解放出来るってことだな」
〜心・D.N 勝利〜
そこに1枚のポスターが飛んで来ると鋼が地面を蹴って、そのポスターを手に取る。
鋼「どれどれ…なるほど…」
そこに彰が顔を覗かせる。
彰「ん?そう言うことか…ジン」
ジン「なんだ?」
彰は、ジンにそのポスターを見せるとそこにはサイバーネオンの服装に身を纏った麻美達の姿があった。
ジン「なるほど、ヤプールが言ってたのはそう言うことか」
一輝「道具(アイドル)…ね」
美歌「まぁ、声優も似た様なことしてるからね」
ジン「場所は?」
彰「渋谷だ」
ジン「なら、行くか」
ジン達は、このサイバーワールドにある渋谷に向かうのだった。
渋谷にやって来るとそこには大勢の人達があるステージの前に集まっていた。
ジン「すげぇ人…じゃないな」
一輝「ここにいる奴ら全員…闇…」
しばらくするとアナウンスと共にサイバーネオンの服に身を包んだ麻美達がステージの上に現れる。
そこにいた5人の顔は、笑顔だった、
ジン「碧…」
そして、麻美達が歌い始めると一輝がある違和感を察する。
一輝「みんな、ここから離れて!」
その詞と同時にジン達は、その場から遠ざかるとステージを中心とした巨大な結界が張られる。
美歌「あれって…」
彰「ATフィールドの改良版か…」
鋼「発生源は、あの5人の心だね」
ジン「よっと…つまり、これを突破しないと5人の元には辿り着けないと言うことか」
一輝「あのステージ…あれが根源だよ…あれが麻美さん達の心を蝕んでいるんだ」
ジン「あれが…か」
彰「レルク」
レルク「特殊な闇だな…おそらくこの世界で生まれた闇だ」
一輝「未確認の闇なら無闇に手を出せないね…」
美歌「とりあえず、ここから離れましょう」
鋼「そうだね」
4人がその場から離れようとするもジンだけはただ麻美の目を見ていた。
彰「ジン」
ジン「わかってる」
ジンも一輝達と共にその場から離れて行く。
ジン「(碧…)」
ジン達は、ステージから離れた喫茶店に入ると作戦会議が行われる。
美歌「とんでもなことになっちゃっわね…」
鋼「あの結界を突破したとしてもみんなの下に闇がいるとなると…危害を加えられるのは目に見えているよね」
彰「だから、俺は、嫌だって言ったんだよ」
彰は、胸ポケットから小箱を取り出すとその中からお菓子のシガレットを1本取り出し、口に咥える。
彰「ふぅ…それで?もう、手を打ってるんだろ?ジン」
ジン「…………」
彰「はぁ…こいつは、重症だな…」
一輝「ジンさん…」
ジン「ん?……なんだ?」
鋼「気になって仕方ないんだね、ジンさん」
彰「しっかりしろ、ジン。お前がそんなんじゃみんなを助けられないぞ」
ジン「わかってるさ。でもな…」
美歌「いつまでも困った人なんだから。ねっ、情報長」
一輝「いつまで経っても子供だよ…」
ジン「お前が言うな」
一輝「さてと…裏を探ったけど…」
ジン「いつの間に…」
一輝「ちょこちょっとね…あのライブの主催がテクノガーデンの中に入ってる某会社だったよ…」
彰「おいおい、テクノガーデンって、あの幕張にあるあれか」
一輝「そうだね…この主催してる会社…ダミーカンパニー…」
ジン「なるほどな…さてと、あれに対抗するためには…だな」
美歌「もう、1つしか無いんじゃない?」
彰「嫌〜な感じがする…」
美歌「向こうがそれで来るなら私達もそれで戦うだけよ」
彰「やっぱり…俺は、帰らせてもらう」
ジン「待てよ、彰」
彰「うるせぇ、帰るって言ったら帰るんだ」
一輝「どこに帰るつもり…ここから脱出するためには異次元空間の発生者であるヤプールを倒さない限り出れないよ」
彰「はぁ?なんで、わかるんだ、一輝」
一輝「ほら、あそこ…」
一輝が天を指さすとその先にあったのは異次元空間の揺らぎだった。
彰「異次元壁…」
ジン「と言う訳さ」
美歌「それじゃ、役割を振るわよ。工場長は、ステージのセッティング。環境長は、私と一緒にステージ衣装を買い集めるわよ。情報長は、宣伝をお願い。隊長は、振り付けをよろしく」
一輝「ちなみにライブの最終は、3日後…」
彰「つまり、1日目でステージ作って、2日目でセッティングして、3日目で仕上げろと…無理だろ」
美歌「無理でもやって」
一輝「もう、SNSなどで告知は、終わったよ…」
美歌「ポスターの方もお願いね。隊長、身体、動くわよね?」
ジン「とりあえずはな」
彰「おい、美歌、人の話…」
美歌「それじゃ、取り掛かって」
彰「だから、人手が…」
美歌「闇の力、使えるわよ」
彰「はぁ?ここは、異次元空間だぞ…まさか」
一輝「はい、これね」
一輝の手に握られていたのは小さな黒い箱だった。
一輝「僕達の世界とリンク…させておいたから」
彰「なら、問題ないな。ここからは、独断でやらせてもらう」
美歌「納期には間に合わせてよね」
こうして、3日後に迫るライブ最終日に向けてジン達は、行動を開始するのだった。
次回:彼女、お借りします。(サイバーネオン編)「集結」
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