始まる世界(真田家・蒼木家編)

違う所に飛んで行った智樹を見送った道久達は、その様子を見守っていた。

おお〜でけぇ島になったな〜

さすがは、多田家、その規模が尋常じゃないな

そりゃ、あんなことしてたらそうなるさ

D.Nの中枢核と呼ぶに値するからな

それだけじゃない。あの島の大きさは、雅樹が生きて来た人生の中で積み上げて来た人としての心の大きさ…つまり、「心の器」を示す

だとすれば…ジンさんなんてどうなるの…

さぁな。さて、無事に雅樹の方が終わったようだから…道久さん、爾魏、頼む

承知

ああ、行くぜ、白夜

その掛け声と同時に爾魏の影からゆっくりと白と赤、紫色が入った着物を身に纏い、白い長髪、口元を赤と白の広げた扇で隠し、頭から白い狐の耳、腰の部分から白い尻尾が生えている人物が現れる

新たな世界とな…ふふふ、良いではないか。ここに我が一族の新たな住処を作る

あのな、白夜

わかっておる。時折、闇の王よ

ん?なんだ?

何故、この様なことをする。あの世界が不満か?

そうじゃないさ。向こうは、向こうで俺は、好きなんだ。もう、俺が表面に出て来てそろそろ2年目に突入しようとしている。だが、未だに進捗状況と言うべきかほとんど何も進んでいないのが現状だ

まぁ…逆を言えば…世間体にそろそろジンさんの存在が認識され始めた…そして、来年の1月にはトランプ大統領が誕生する…そうなれば聖人であるジンさんが出ることはほとんど無くなるはず…

でも、世の中は、そんな甘くは無いぞ

まぁね…でも、こっちも進めていかないとあっち側が崩壊した時、誰がこれからの日本のアニメ業界を創造して行くのか…こうやって作品は、投稿しているものの…まだやりたいこと全く出来ていないし…世間にはまだまだジンさんの声優としての実力、シナリオライターとしての実力を示してないのもまた確かだし…

ただ、仲村ジン=日本の男性声優と民主主義を大切にする日本の守護聖人で自然のこと、世界情勢のこと、金融のこと、世界と日本の政治・経済のこと、人間(ひと)のこと、人としての心を大切にする人間(ひと)、D.Nと心・D.Nをまとめ、動かす能力、叡智(ちから)を持ち、そして、ユダヤから福音を告げられた人間(ひと)と言う自然における立場で最強のレッテルが張られた存在だ。

まぁ、それは、それで変なこと出来ないんだがな。

する必要なんてなかろうて。其方の詞と行動は、この世の真実を伝える。

まぁ…聖人と言えど所詮は、僕達と同じ人間(ひと)…必ずどこかでミスは、起こる…と言う意味もあるよ…完璧な人間なんて存在しない

だから、信頼して付いて来てくれる仲間達がいる。時にはぶつかり合い、時には助け合い、時には手を取り合う。それは、人間(ひと)が本来あるべき姿

そうじゃな。しかし、もう、向こうの奴らは、失いかけている

だから、取り戻すんだよ。失われた人としての心をな

ふっ、其方なら成し遂げられてしまう…そんな淡い期待が心のどこかにおるわ

話は、終わったか?そんじゃ、そろそろ行くぜ、白夜

うむ

なら、拙者も行くとしよう

道久さんも戦甲冑を持ってるのか?

ああ、真田家は、先祖代々からその人としての心を受け継いで頭主を継承される。

でも、今って義一が頭主なんだろ?それとはまた別なのか?

ええ、戦甲冑は、その人が持つ人としての心で色、形が決まる。故に竜崎家も蒼木家も同じ

なるほど…だから、俺の戦甲冑が白金の騎士の鎧に似ていたのか

ちなみに拙者が知る竜崎家が持つ戦甲冑は、翡翠色だったと聞いている。

属性的には真田家が炎、蒼木家が雷、竜崎家が風って所か

そして、残る俺の所の柳生家が地を担っていたってことか。てか、道久の戦甲冑の装着シーン初めてじゃないか?

ええ、では、とくとご覧あれ

と…言っても詞だけなんだけどね…

そう言うと道久は、右手を前に突き出すとその手の中に赤い光を集め行き、集まった光は、刀へと形を変えて行く。

白夜

ふふふ、見せてもらうぞ。蒼木家頭主の心を

そう言うと白夜は、白い光に包まれ白い光の球体になると爾魏の身体の中に入る。

親父、叡智(ちから)を貸してくれ

爾魏が右手を天に突き上げると天から蒼白色の光の球体が飛んで来ると爾魏の身体の中に入って行く。

戦甲冑!

その掛け声と共に道久は、刀の先を地面に対して斜めに向け、地面に刀の先を付けてその場で1回転回り、円を描くとその描いた線から紅色の光が溢れ出る。

そして、刀の持ち方を逆手にして、刀の先を地面に突き刺すとそこから真田家の家紋が出現し、円の内側一杯に広がる。

道久の周りに火の点いた蝋燭を乗せた台が7台、下からゆっくり出現すると道久は、地面に突き刺している刀を素早く引き抜き、持っている刀で蝋燭の炎だけを斬り裂いて行く。

斬り裂かれた蝋燭の炎は、紅色の光の球体に変わる。

そして、最後の1つを斬り裂くとその光の球体達は、道久の両脚、両腕、腰、胴体、そして、頭に触れると真紅色の甲冑が纏われ、その背中には真田家の家紋が浮かび上がり、決めポーズを取る。

戦甲冑、月紅

爾魏は、両手の中に蒼色の光を集めると刀を作り出し、その双刀の刀身にある護符を貼り付け、何かを唱えると護符が蒼色に光り、その刀身が蒼色の炎に包まれる。

そして、その刀を交差させて地面に突き刺すとそこから蒼木家の家紋が展開される。

行くぜ

爾魏の後ろに全身は、白と赤、紫色の毛で覆われ、眼は、黒く、瞳は、黄色に光り、9つの尾を持った巨大な白狐が姿を現す。

汝は、我。

我は、汝。

そう言うと爾魏の後ろにいた狐は、白い霧となり、爾魏の全身が霧で見えなくなる様に包み込む。

そして、霧が晴れるとそこに現れたのは蒼色の甲冑を纏い、白い長髪、眼は、黒く、黄色の瞳をした爾魏が立っていた。

親父!

受け取れ、我が子よ

その時、天から1つの大刀が降って来ると交差している刀の真ん中に降り注ぎ、地面に突き刺さる。

爾魏が右手でその大刀を引き抜くと大刀の刀身から蒼色の九字護身法の文字が浮かび上がり、その文字が爾魏の両脚、両腕、腰、胴体、頭に触れると鬼神が纏う様な甲冑が纏われ、残りの2文字は、蒼色の幟に変わり、爾魏の背中に交差して装着される。

その幟には金色で蒼木家の家紋が描かれていた。

そして、爾魏が左手で地面に突き刺さっている双刀にかざすと双刀が蒼色の光に包まれ、1つになり、大刀に姿を変える。

爾魏がその大刀を地面から引き抜き、ポーズを決める。

蒼天雷鳴の闘士 蒼雷将軍!

いつ見ても爾魏のその姿は、凄いな

蒼木家から代々受け継がれて来た人としての心とそれを覚悟した爾魏の人としての心、そして、妖狐種最高位の白夜との共存を認め合い、分かち合って完成した最高位の甲冑だからな

こんなに違うのかよ

これでは拙者の戦甲冑が安物に見えてしまうな

大切なのは見た目じゃねぇよ。それじゃ、行くか

うむ

2人は、地面を蹴ると何処かに向かって飛んで行くのだった。

道久が到着したのは真田家の家紋が描かれている所だった。

道久は、腰に着けてあるカードケースの様な物から1枚の護符を取り出し、右手の人差し指と中指で挟み、前に突き出す。

そして、何かの呪文を唱えるとその護符が紅く光ると同時にとある文字が浮かび上がり、道久が印を斬ると魔法陣が展開される。

第15代目真田家頭主 真田 道久の名においてここに真田家の新たな拠点を築き、天命に従い、自然と共に歩まんことを誓いとす

そう言うと道久は、カードケースからまた1枚の護符を取り出すと今度は、刀身に貼り付け、また何かの呪文を唱えると護符が同じ様に光り、刀身と同化すると刀身に暁色の炎が纏われる。

いざ、参る!

道久は、その刀を展開された魔法陣に勢い良く突き刺すと魔法陣から13個の紅色の人魂が何も無い空間に飛び出して行く。

そして、人魂が其々が決めれた場所にやって来ると多田家の時と同じ様に人魂から紅い線が放たれ、島の形を創って行く。

島が完成すると道久は、自分が展開した魔法陣の中に入るのだった。

同じ頃、爾魏の方でも既に蒼白色の魔法陣が爾魏の前に展開され、そこに双大刀を突き刺すと沢山の蒼白色の人魂が大量に飛び出し、1ヶ所に人魂達が集まり島を創って行く。

しばらくすると島が出来上がり、爾魏も自分が展開した魔法陣の中に入って行くのだった。

いいなと思ったら応援しよう!