【AGD電脳学校】Armの戦略転換IPライセンス値上げとシン半導体製品市場への挑戦
Business research insights社によれば、世界の Arm マイクロプロセッサ市場規模は 2023 年に 122 億 4000 万米ドルで、予測期間中の CAGR 7.7% で市場は 2032 年までに 238 億 5000 万米ドルに達すると予測されています。
英半導体企業Armは、命令セットアーキテクチャ(ISA)のライセンス料金を最大300%引き上げる計画を打ち出し、自社設計チップレットの提供を開始するなど、収益増加と市場競争力の強化を目指したビジネスモデルの刷新に取り組んでいる。
この戦略は、スマートフォン市場を超えたデータセンターやPC市場への進出を意図しており、SamsungやMediaTekとの提携を通じて基盤を構築。
一方で、Qualcommなどの主要顧客との関係悪化や、従来の安定したライセンスモデルからの移行が課題となる。
新たなモデルの中心である「Compute Subsystem(CSS)」IPパッケージは、高性能かつ省エネルギーな設計を武器に、IntelやAMDと競争する形を描いている。
しかし、自社設計チップが顧客製品と競合することで摩擦が生じるリスクも高い。
Armは市場拡大により業界の勢力図を塗り替える可能性を秘める一方で、顧客ニーズへの対応力と迅速な意思決定が成否を分ける重要な要素となるだろう。
Edited by:Yoshihisa Toyosaki
【アーキテクトグランドデザイン創業者豊崎禎久の週刊エコノミスト寄稿記事】
AIチップで沸騰! 半導体:ファーウェイ AIチップ「キリン」 米国と対峙可能な「東の横綱」=豊崎禎久 | 週刊エコノミスト Online
ここから先は
3,099字
/
2画像
¥ 300